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縛りつける言葉もある【AIイラスト】

イラストAIにハマっている今日このごろ。

そういえば、あれこれとデジタルイラスト関連のアイテムを買い漁っていた時期は、並行して色々なお絵描き系YouTubeチャンネルを見たりもしていた。

今や漫画家やイラストレーターも自分の技術を公開してくれているのだ。

正直なところ解説本を読むよりもずっと実践的でわかりやすかったりして、とても良い。

あれらを見ておけば、みんな一定レベルの絵は描けるようになるのでは?

(それを実践しなかったのが自分だが)



そんなお絵描き解説者の中に、さいとうなおき先生が居る。

ポケモンカードなどのデザインで有名な方で、作画担当した一部のカードは100万を余裕で越える。どういう世界だ。

そんなさいとうなおき先生は、とある騒動で登録者100万人越えのチャンネルが消滅したものの、今はまたゼロから再スタートして数ヶ月で30万人まで登録者を戻している。すごい。


さいとうなおき先生のチャンネルでは、実践的な絵の描き方を学べるのに加えて、SNS運用手法や、メンタル面のサポート動画まであったりと幅広い。

今回は、そこで聞いていた内容と、今のAIイラスト叩きの意見との関連について語ろうと思う。


AIイラストについてよく言われているのが、「手が描けない」という意見だ。

実際自分も使っていてAIは手が描けないなとは思う。

この記事のサムネ画像のように、指が長すぎたりぐちゃぐちゃだったり指の本数が増減したり、たしかにほぼ確定で破綻している。
(いまのところは)


自分はそれを手描きで修正しているわけだが、なんだかその作業をしていると「AIはこう描きたかったんだろうな」というニュアンスが意外とつかめたりする。

いわばAIイラストにおける手の修正作業は、ほのかなガイドの存在を感じながら行えることが多く、思っていたよりは無理な作業ではない。


というかそもそも、「人間の手を描く」なんてのは超難しい

だからみんな手だけのモデルを買ったり、手だけの参考書を買ったりして学ぶ必要があるわけで。


しかしこうやってAI反対派が「AIは手が描けない」という意見を押し出しすぎたことで、今や「手が描けなきゃ絵師じゃない」的な空気が出てきた。

これは危険な兆候だ。

別に人間だったら誰でもみんな手をうまく描けるなんてことはないのだ。

初心者が確定で躓く場所だと思うし、正直プロの絵でもたまにおかしなことになっている人はいる。



AI反対派は、イラストに向き合うとき、まず手を見るという。
AIイラストが嫌いすぎて、そういう習慣になっているそうだ。

手が破綻してたらAIだし、上手く描けていたら人間だと。

しかし先述したように、手の修正は別に出来ないことではない。
絵心のない自分でも出来ているのだから。

最近では、PhotoshopのジェネレーティブAIを利用して手を修正する人も出てきた。今後も確実に進化する部分だろう。

また、他の部分にさほど工数を割かなくていいAIイラストレーターは、明らかにおかしい部分の修正のみに集中できる。

まともなAIイラストレーターこそ、手は完璧に仕上げるようになるだろう。

しかもさしたる手間もなく。


割を食うのは誰か。



さいとうなおき先生の過去の動画に、他人への批判は自分に返ってくるというものがあった。

こいつの絵下手くそ~!!髪も変だし手もおかしいしゴミ~~!!

なんて言った日には、自分がその意見に縛られることになるのだと。

この暴言を放った人間は、も、もう手を抜くことは出来ない。

自分の理想をちゃんと描かなければ、自分の発した言葉が自分に突き刺さるという状況になってしまっているから。


今回のAIイラスト批判では、それがイラスト界隈全体に及んでいる。

”手が描けねば絵師にあらず”

もはやそんな空気である。

もはやこのままでは手描きイラストレーターはに相当な工数を注がなければならなくなってしまうことだろう。

だって絶対見られるのだから。

手を描かない構図のイラストなんて描いた日には、「AIイラストだから手を隠してるんですか?」なんてツッコミをしてくる厄介な連中も湧きかねない。

なんという状況だろうか……。



そんなわけで、このままだと手描きの人たちがどんどん苦しくなりそうな空気感を感じている自分なのだった。

自分はイラストAIコミュニティを覗いたりもしているが、日々新しい技術革新があり、面白いプロンプトなどもシェアしつつ、かなりの熱量を感じる。

そして単純に楽しい。


自分はやはりプロの人たちは柔軟にAIも活用していく流れになると思うが、果たして1年後、このイラスト業界はどうなっているのだろうか。

楽しみでもあり、怖くもある。


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