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【映画】「君たちはどう生きるか」を万全の状態で見た結果とアオサギについてあーだこーだ

……見に行きます。

話題作、『君たちはどう生きるか』。

正直これほどまでにアオサギをアピールされているコンテンツなんて今後見ることはないだろう。

aosagiという名前で活動している以上、行かない理由がない。


いや、「名前aosagiなら初日に行けや」という内なる声が聞こえるが、

体調とか色々あるから……!



さて、本作のレビュー記事や動画はもう大量に世に出ている。

そして自分はそれを当然チェックしまくった

動画やブログ記事も50以上は見た。さらには本作の元になった本である、ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」についても知った。

もはやどんな内容なのかはバッチリ予習済みである。


「何も知らない初見の感想が大事!」なんて意見があるが、

自分は初見で1900円の元を取りにいく……!!



ちなみにそれらの情報を得た時点での自分の作品イメージは、『宮崎駿がやりたいように作った芸術作品』という感じ。

だからこそ大衆向けエンタメを求めて映画を見に来た人には受け付けられないものになっているのだろう。

だが、「わけの分からないものを数千円かけて見に行く」という行動なんて美術館に行く自分には慣れたもんである。

最初からそういうもの(芸術作品)として見に行けば、ネガティブなものには感じないはず。


そして美術作品を楽しむなら、事前情報は入れておいたほうが良いのだ。

よくわからなかった」というレビューは実際かなりの数あったし、当然そんな作品を自分が初見で理解できるとも思えない。

仕込もう、知識を。


ちなみに村上隆も「絵描きの僕にとっては最高の作品でした」と言っている。

絵描きの僕にとっては

……やはりこれは美術作品寄りな雰囲気がする。

ということで、自分は映画を見に行くのではなく、『ジブリの超絶作画展』を見に行く意気込みで望もうと判断した。


……ああ、なんという完璧な理論武装。

これなら1900円という値段の元が取れる可能性が出てきたぞ。

それにまあ美術館だと思えば、3300円大塚国際美術館よりは安い。
(大塚国際美術館は1日見てられる分量だけど)


では、色々言ったところで映画館へGO!!



……そんなわけで見てきました。

ちょっとはネタバレするので、内容を少しでも知りたくない人はこれ以降は見ない方がいい。


結論から言うと……

よくわからなかった。


予習しまくってその感想とか正気か?」という話なのだが、なんだか本当に後半に入るとよくわからんので仕方がない。

でもまあ美術鑑賞としては満足……満足したかなぁ……?


なんだろう、最近はゲームの凄いCGとかを見すぎていたり、事前情報を仕入れすぎてハードルが上がってしまっていたかもしれない。

いや、本当に作画は凄かったとは思うのだ。

凄かったとは思うけど……そこまでの超絶作画だったか……?

もちろんみんなが大絶賛の火事のシーンなんかは凄いことになっていたのは事実なのだが、なんだかあのシーンはちょっと異質で、群衆もジブリっぽくない顔で描かれていたような気がする。

絵もかなりぐにゃぐにゃ歪むし、間違いなく凄いのは凄いんだけど、なんだかあそこだけ統一感がない感じもするのだ。

本作はかなりのアニメ会社が関わっているので、その影響だろうか?


……答えは出ないので話を変えて、2時間の上映時間について。

レビューを見ると「序盤が長い」「後半寝たわ」という意見もあったわけだが、自分は序盤の展開はそんなに長く感じなかった。

まあ自分にとっては事前知識の答え合わせを楽しめてる段階なので、そう感じただけかもしれないけど。

だが確かに後半は話がよくわからんので困った。
寝ることはないにしても、本当になんだかよくわからないのだ。

もちろん事前に知識を入れておいたので、「これは〇〇のモチーフって言っってたよな…!」とかは考えたりもするのだが、「で?」となるのだ。

結局は謎の理屈で突き進まれることに変わりはない。


……というわけで、見に行ったことに後悔は無いけれど、今まで見てきた映画でランキングを作ったらこれが上位に入るかは微妙なところ。


これは確かに評価が分かれる作品だ。

色々なモチーフを見つけて楽しめる教養ある人には最高の作品なのかも。



総評はそんな感じとして、アオサギについて語ろう。

いやー、まずポスターが詐欺過ぎる

あんなイケメンなアオサギは出てこない。

誰だお前は

映画ではいきなり最序盤からアオサギは登場し、主人公の眞人にアピールを開始する。

その時は見事に現実にいる鳥のアオサギ状態なのだが、わりとすぐにその化けの皮が剥がされる。

まずはあからさまに人間の歯を剥き出し、次は巨大ないちご鼻を見せ、最終的には結構受け入れがたい容姿のおっさんが出てくるのである。


そして、実は自分は鳥状態の時点で違和感があった。

アオサギの色指定はそれで合ってるのか?」と。

なにせ自分はTwitterでアオサギ画像を延々いいねするだけの変人をやっているのだ。アオサギの描写にはうるさいのである。


そう、映画内のアオサギはなんだか頭の色がおかしい

黒い部分が青色になっているのは仕方ないにしても、頭も水色になってるのだ。(本来は白)

ちょっと以下の公式から配布された謎のキャラクターアイコンを例に説明しよう。(作中でこんなものを見た覚えがないが)

謎キャラ

映画でのアオサギの色を再現すると、こんな感じだった気がする↓

頭が水色に染まる(映画内)

なんで詐欺ポスター配布アイコンでは間違ってないのに、映画本番ではこんなことになったのだろうか?

これは正しい(正確には目の周りの毛は白だが)


あとこのくちばしについてる物体は何だろう?

謎の物体

自分のアオサギフォルダをチェックしても、こんな物体はくちばしには存在しない。

スラッとしたくちばし

一応、モモイロペリカンにはくちばしにそういう構造が見られるが。
(作中でも色付きでやたら目立っていた)

まあもちろん、「この映画でのアオサギは実際のアオサギとは違う妖怪みたいなもんなんだから、違ってて当然だろ!」といわれればそれまでだ。

でも気になるのだ。

だってAI生成するとこんな配色のアオサギばっかだから!


っていうか自分のnoteのトップ画像もそうだったわ!

……まあそんなアオサギ過激派の厄介な客になるのはこれくらいにして、なんだかんだで映画でアオサギが活躍してよかった。

中身は思った以上にエグいおっさんだったけど。

でも良いキャラだったし。

めっちゃ助けてくれたし


「アオサギが嫌な存在として描かれてなければいいな…」と思っていたので、なんだかんだで良かったなという気持ちだ。

そして冷静に画像を見比べると、あのおっさんの髪型はアオサギに忠実かもしれないことに気付いた。

たしかにこれは擬人化したらああなるかも……?


映画にはペリカンもいっぱい出てくるが、アオサギはペリカン目。

そんなわけで後半はよく分からなかったものの、アオサギ要素満載でなんだかんだ楽しめた「君たちはどう生きるか」。

未だにネット検索してもキャラクターの画像すら出てこないし、今の時代にこんな情報規制が可能なんだなという驚きもある。


そしてなんだか今になって、おばあさん軍団のヌルヌル作画の凄さや、ナツコさんの所作の洗練され具合、そしてキムタクが演じる色んな意味でマッチョな父親の描写など、色々な場面が思い浮かんでくる。

そういえば、序盤にバスのエンジンをかける描写があった。
昔の車はセルモーターがなかったので、運転手以外にもう一人(助手)が車外でクランクを回してエンジンをかけていたという話をどこかで聞いたが、今思えばあのシーンはそれを描いていたのか……!

あとはチラッと写った小便器が、TOTOミュージアムで見た超古いやつだった気がする。

こういう細かなこだわりによって、視聴者にたくさんのシーンを知らず知らずのうちに記憶させてしまうところがジブリの作り出す映像の凄さなのかもしれない。


そういえばどう考えてもグッズを出しそうな「わらわら」というキャラが出てくるのだが……

こんなの

こいつが一瞬だけこんな形態↓になった気がする。

いきなりリアルな腕と足が生えたので「えっかわいくない…」と思ったのだが、自分の気のせいだろうか……?

これはいつかアマプラに来たらチェックせねば。


いや、そういえばジブリはサブスク解禁してなかった

まさかの令和にDVD借りる展開……?


……ああ、なんだかもう一度見に行くという人の気持ちがわかってきた。

みなさんも興味が湧いたら、是非安い日にでも映画館へ……!


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