【つながる旅行記#273】靖国神社と遊就館と『イタリアの古城』
前回は國學院大學博物館で考古の日本に思いを馳せた。
せっかく國學院大学の影響で神道に興味が湧いてきたことだし、この機会に靖国神社に行ってみよう。
靖国神社は皇居の北側にあり、九段下駅から歩いていける。
そしてなにより、この場所は前から行ってみたかった場所でもある。
実は過去の日雇いバイト時代に、日本武道館で行われるライブの設営のために集まったのがこの靖国神社の近くで、「靖国神社ってこんなところにあったんだ…」という気付きを得た思い出があるのだ。
だが結局基本引きこもりな自分は、その後靖国神社どころか都心にすらろくに近づくこともなく、東京を離れてしまった。
……あれから随分時間が経ったもんだが、まあ興味がないときに来ても勿体ないし、興味が湧いた今行くのがベストだろう。
歩いていくと、ドでかい金属製の鳥居が見えた。
都会のど真ん中にこんなものがあるという衝撃。
そして真っ直ぐ歩いていくと誰かの銅像があった。
位置が高すぎてなにがなにやらだが。
ズームしてみると、凄まじい眉毛の持ち主だということは認識できた。
(グラサンに見えなくもない)
この銅像が誰のものなのかというと、『大村益次郎』である。
きっと名前をど忘れしていた人も、画像を見れば一発で「あの人か!!」と思える容姿をしているあの大村益次郎だ。
彼の特徴的すぎるおでこは銅像の位置が高すぎてよく見えないが、なぜ彼の銅像が靖国神社にあるのだろうか。
それは、大村益次郎は近代的な日本軍を作った人であり、戊辰戦争の戦死者を祀る東京招魂社(現・靖国神社)の創建に関わったからだそうだ。
……ということは、靖国神社って明治初期にはもう元となるものが存在したのか。
なんだか自分は靖国神社というと太平洋戦争のイメージが強かったが、建設のきっかけは戊辰戦争だし、その後の西南戦争などの内戦の戦没者や、吉田松陰や高杉晋作などの維新志士たちも祀られていたらしい。
知らなかった。
そんなわけでソフトクリームを食べる。
いや、なんだか靖国神社にこういう場所があることが意外すぎてつい。
こう……なんだかもっとお硬い場所なのかなと思ってたが、食事する所とか普通にあるんだなって。
(なおめちゃくちゃ警備員は居る)
周囲を見ると、なんと『居合』を奉納していたりして、自分の普段全く関わり合いのない世界が広がっていた。
『舞』も奉納するもんだし、武芸を奉納するのもありなのだろう。
というわけで、遊就館にやってきた。
遊就館は、平たく言えば戦争関連の展示をする博物館だろうか。
なかなかハードそうなので、遠い過去の縄文人に思いを馳せるのとはまた違った心構えが必要そうだ。
……なお、この遊就館だが、「御祭神の遺徳を尊び、また古来の武具などを展示する施設」として構想された建物で、明治15年(1882年)に開館した。
その当時の遊就館の外観はというと……
まさかのイタリアの古城だったらしい。
嘘だろ……?
※古城を見たい人は以下の公式サイトへGO!!↓
だがその後、関東大震災でレンガ造りの古城は大破し、「今度は近代東洋的な本館を再建しよう」ということで、今のような姿になったという。
つまり昔の靖国神社は、日本風の本殿の横に、イタリアの古城がそびえ立っていたということか……?
統一感ゼロだっただろうなと思いつつも、その雰囲気を味わってみたかった気もする。
ではそんな小話はこれくらいにして、遊就館の中に入っていくとしよう。
……というわけで遊就館、とてつもなく学びがある場所だった。
いや画像4枚貼っただけでは絶対に伝わるわけがないのはわかるのだが、写真を撮れるのがこのエリアしかないから……!
実際には凄まじい情報量のパネル展示や、遺書・遺品などがあり、正直なことをいうと今回は全然時間が足りなかった。
自分が遊就館に入ったのは14時だったが、展示の文章などをじっくり見ていたら、気づけば閉館時間になってしまっていたのだ。
遊就館は16時30分には閉館してしまうので、他の博物館と同じ感覚で訪れると自分のように全部見きれずに終わる人も出てきそうだ。
なので、知識吸収目的で行く人は朝イチで行くことも視野に入れたほうがいいかもしれない。
閉館時間を気にしながら見るのも気分の良いものではないし。
それに食事できる場所が中にあるので、朝から展示を見て、昼はここで食事をとるなんてのもありかもだ。
なんだか近づきにくいイメージがあった靖国神社だが、戦争関連の資料を直に見るならば絶対に外せない場所であることがよくわかった。
今回はかなり急ぎ足な感じになってしまったので、これはもう一回機会を見て来るべきかもしれない。
展示内容的に、ちゃんと元気が余っているときに。
そしてまたソフトクリームを購入した自分がいた。
知識をぎゅうぎゅう詰めにした頭にやさしい甘さが染み渡る。
それでは東京での寄り道もこれで終えて、実家に帰るとしよう。
今回も良い旅行ができたな……。
東京を後にし、次回へ続く……!
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