見出し画像

決心(人工股関節日記その3)

周りの人はみんな、手術した方がいいって言ってくれたんです。手術をして良くなった人を何人も知ってるって。昔と違ってそんなに大変な手術じゃないし、進化してるって。

でも、怖いという気持ちがぬぐえず……。


……何が「怖い」の?……

……自分の骨を削って、代わりに金属を入れるんだよ?考えただけでも痛そうじゃない?
てか、想像できなくない?……


先生に見せていただいた人工関節が自分の体の中に入っている様子が、どうしても想像できません。

悶々としている私に、夫は「全身麻酔で寝ているうちに手術が終わるから痛くないよ」と言いました。

俺だってインプラントで金属入ってるし。


……いやいや、そうじゃなくて。
でも、そうかなあ。……


もう一度、病院でいただいた人工股関節置換術の説明書を読んでみました。


人工股関節置換術の最大の効果は「現在の股関節の痛みが和らぎほぼ消失する」こと。


「痛くなくなるのが最大の効果」ってなんだかシンプルだなって感じました。当たり前で、なんだか拍子抜けしたといいますか。

私はどうもいろいろなことをぐるぐる考え過ぎていたようです。
痛いのが日常だったから忘れていたけど、痛いって普通じゃないんですよね。

それから、看護師さんからは手術のメリットとして「痛み止めをやめられること」を言われました。それだけ、痛み止めのお薬を飲み続けるのは体に良くないってことなのですね。

最近、痛み止めも効きづらくなってきたように感じていたので、もうこれは仕方がない、と覚悟を決めました。


何より、あの雲の上にいるような「気持ちよく歩ける足」を手に入れられるのなら……。


 よし、と予約の電話を入れたのですが、手術までは半年待ちとなりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?