最近の記事

プライベートルーム

はじめて「田所あずさ」のワンマンライブで泣けなかった。 10年以上追いかけてて、毎度号泣してる奴の頭がおかしいのだが。デビュー前、小さな小上がりでほんの数人の前で歌う彼女と遭遇してから夢中になった。つまり自分が好きになったきっかけは「パフォーマンスが」とか「歌唱が」とかそういうのではなかった。彼女の人柄とステージ上の不思議な魅力。上京したての垢抜けてなかった(超失礼)彼女に、上京したてのクソガキオタクは必死で彼女の「何者か」になりたかったのかもしれない、必要とされたかったの

    • 春ねむり 春火燎原ツアー in Tokyo

      7/1春ねむり 春火燎原ツアーファイナル東京公演に行ってきた。映画の主題歌で彼女の存在を知り、音源は聴きまくっていたのだが、いつもタイミング悪く中々ライブを見ることができず、彼女を知ってから2年近く経ってしまった。(あと僕は彼女のtwitterと文章(モノの考え方)がとても好きだ。) 念願の初春ねむりライブ本当にあの空間に居れたことが幸運だった。パフォーマンス・演出すべてがハイレベルだったし、会場の雰囲気も最高だったのは大前提、そこにプラスして圧倒的な『凄み』を感じた。現場

      • おじいちゃんがしんだ。

        年末、おばあちゃん鶴のひとこえで10数年ぶりに全国から親族が集合した。病気のおじいちゃんを支え続けた久しぶりのおばあちゃんは気のせいか、ひと回り小さくなっていた。 病室に入ると、真っ白なベッドの上には目を開けることも声を発することもままならなくなった、おじいちゃんの姿があった。 わたしはその姿に強烈な『生』を感じた。呼吸も動きも微かで面会時間は約5分、それでもはっきりと生きていると分かる。生きている、死んでいるこの違いは一体なんだろうか、そんなことを考えながら元気だったころ

        • 「転勤族」耐えられない「軽さ」

          両親は転勤族だった。 産まれて小学校低学年まで香川で過ごし、その後鹿児島、福岡と引っ越し。 長男の自分が中学に上がると父親は単身赴任、毎週のように家に帰ってきてたから、あんまり違和感なかったけどね。今考えるとすごいなあの人。 よく転勤族の子供は可哀相みたいな言説を聞く。 転勤族に合う合わないがあることは認めるが、一概に可哀相みたいに言われるのも心外だ。 あくまで自分の話だが、新しい環境が苦じゃなかったり、家族団結感が強かったり(これは両親の成熟度合いにも大きく左右されそ

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          1113豊洲にて

          豊洲の映画館、土曜の夕方。 ボロボロボロボロ号泣していた。一度観たライブなのに。 涙で塩味が強くなってしまったポップコーンは、大量に余ってしまった。 田所あずさオンラインライブWaver試写会が終わり、ブルーレイのブックレットを読み直した。すぐ手紙を書き始めた、何度もnoteに下書きをした。でもずっとうまくいかなくて、時間だけが経っていく。いつもそう。 9年近く追っかけてると、俯瞰でなんて見れる訳がない。良くも悪くもそこには、酷く主観的な歴史ができてしまう。 きっとn

          1113豊洲にて

          「声優×芸人」 コント朗読劇の魅力

           声優が朗読して芸人がコントの台本を書くタイプのイベントが2回あって、それが両公演ともにとても楽しく、自分の周りでも好評だったので思ったことについて話したい。  当方、声優田所あずさのファンで長年イベントに行ってる(当公演も彼女目当て)、しかしここ数年の声優界隈事情にはあまり明るくない。お笑いについては深夜のお笑い番組、深夜ラジオが好きだが、ライブに行ったり個人を応援してるタイプではない。ざっくりだが、自己紹介はこんな感じだ。 1.CONTELLING  2019年の1

          「声優×芸人」 コント朗読劇の魅力

          自己肯定感って

          そんなに大事? 最近特に大切だ!とか高めなさい!みたいな文脈で使われまくっているけど、個人的にいまいちピンとこない。  ほっといても人間なんて自分自身のしょうもない行動や思想等を、自然と言い訳がましく自己肯定してるじゃん?と思ってしまう(私含め)。無意識のうちに自分自身を正当化しながらなんとか生きている。自分を傷付ける行為も、肥大化した自意識過剰さも、反対の様に見えて根っこは同じ。そうしないとやってられないから、所詮そんなものではなかろうか。  私はそれを悪いとは決して

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          Waverライブを観終えたオタクによるMCに対する自分なりのアンサー

          Waver無料オンラインライブが終わった。  最高だった。家でひとり何度も号泣してしまった…。オンラインじゃないとできない演出やクオリティは、生の迫力や臨場感とはまた違ったアプローチで、でも変わらぬ熱量や想いが画面越しにもひしひしと届いた。  ライブを細かく語るのは、もはや野暮だと思うレベルで良かったので、本当に是非ひとりでも多くの人に見て欲しい、アーカイブも今なら見れるから!ただただそれだけを伝えたい。  なので今回はライブを観て動いた心の超超超個人的な揺らぎを、だら

          Waverライブを観終えたオタクによるMCに対する自分なりのアンサー

          田所、無料オンラインライブやるってよ

          田所あずさアルバム「Waver」語り第2弾 そもそも、このアルバムを語る為にnoteを始めたのだ。 「Waver」和訳して”ゆらぎ”  制作側も頻繁に発しているこの単語に、どこで聞いたことがある気がするなぁと感じていた。まったく頼りにならない自分の記憶を辿ってみる、大学のときの物理学みたいな講義だ、たぶん。午後のまどろみと難解さだけが記憶の片隅にポツンと残っていた、きっと単位は落としていたのだろう。 全然覚えていないので、少し調べてみる。 ある量の平均値は巨視的には一定で

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          社会人失格

          恥の多い社会人生活を送ってきました。  "社会人"という定義さえ曖昧な言葉。その言葉の内側に潜む隠れた圧力をとても気持ち悪く感じる。  自分は経済的にも、環境的にも恵まれた学生時代をおくってきたと自認している。受験や部活など一般的な挫折や努力はしてきたが、圧倒的な理不尽の被害者になる機会はたしかに少なかった。それは偏に両親の愛情のおかげだったのだと、今頃になってようやっと気付くのだが。  大学を卒業し大手建設会社に入社すると、これまでとは比べ物にならない理不尽が雪崩のよ

          社会人失格

          文学は、人間を根本から、励ますものでなければならないと思います。

          私は、文章を書くことが苦手だ。 学生時代は理系で、いわゆる文系科目は大の苦手だった。今の仕事も技術職だし。 しかし、文学の魅力に憑りつかれて以来、創作意欲というより、文章で物事や感情を表現できるようになりたいという想いが、沸々と湧き上がる。 小説との出会いは、2年前に過労で抑うつ状態になってから。 私は絶望していた、世界にそして自分自身に。 そんな中、自分を励ましてくれたもののひとつが、何の気なしに読み始めた小説だった。3ヵ月間の休職期間、そして職場復帰してからも毎日小

          文学は、人間を根本から、励ますものでなければならないと思います。

          Waverと色

          ずっとファンである「田所あずさ」ニューアルバム ”Waver”が素晴らしくて語りたい。語りたい。語らしてくれ。 このアルバムを初めて頭から通して、最後の曲にして表題曲である"Waver"を聴き終わったときに、俺の大好きな小説、村上龍著「限りなく透明に近いブルー」のラストシーンを思い出した。 以下文庫本裏からあらすじの引用 米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られながらドラッグとセックスと嬌声が満ちている。そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめく――

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