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[散文詩] 血のあかに溺れる銀の在りありと
ぼくはぼくと抱き合ってキスしながら眠っているところを、父親に見つけられている、そしてなにか怒鳴られている、ちょうどその場面に目が覚めた。ぼくの唾液はとても甘く、しかし決しておいしいとは思えなくて、父親は、なんだなにをやっているどういうわけだこれは、なんだ、というような事をさけんでいたようだけど、怒気と混乱と興奮に支配されていて、なんだかよくわからなかった。怒っていること、混乱していること、興奮して
もっとみる短歌と畳川鷺々とかいう変な名前のひと
おれは決してヒーローじゃないからきみを胃腸炎から救えやしない
短歌はおもしろい。いや、冒頭にあげた短歌がおもしろいかどうかは別として、いや、そこはおもしろいの持ってくる流れだろ、と思うのだが、自分にとっておもしろい短歌でもこの文章を読んでくれている方にとっておもしろいかどうかはわからない。実際この短歌はわたしは相当おもしろいと思っている。そして読んでくれている方は、おそらくたいしておもしろいと感