見出し画像

評価経済における負債

 人気者には有名税と呼ばれるものがある。有名なタレントなどになってお金を稼いでいるのだから、いろんな人にごちゃごちゃ言われても仕方ない。という税だ。どうしても支払わなければならないもの。と言う意味合いを含んでいて中々良い表現だと思っている。

 さて、最近りゅうちぇるが自殺したわけだが、アレは評価経済における負債によるものなのだろう。そう難しい話ではない。悪党は正義の美酒に酔った者にリンチにあう。悪評を持つ者は負債の返済が終わるまで延々と叩かれ続ける。(彼らは悪評を発酵させた珍味が好きなのだ!)借金と同じように雪だるま式に増えて行くのだろう。負債は死んでしまっても完済と言うわけにはいかないのだろう。人々の気は晴れず、喧々囂々と諍いが生じている。

 様々なものが記録に残り、人の噂も七十五日。と言うわけにもいかなくなった。最近のツイッターではコミュニティノートと言うものがつくられ、言動におかしなことや矛盾があれば、第三者にすぐさま暴かれるようになった。それこそ何年も前の言動からほじくり返されるわけである。

 悪党だと決めつけられ、誹謗中傷を投げかけられる日々はごめんである。箸にも棒にもかからぬ木っ端ものの皮算用でしかないが、恐怖に身をすくめ、纏ったボロ布の襟を正す思いである。

 ボロ布を纏った身でありながら、いいや、だからこそ。懐をなでればそこには満ちた盃がある。しかしながら安易にそのようなものに手を付けるべきではないのだろう。酩酊する者たちの気炎を吐く姿を思い出し、私はもう一度恐怖に身をすくめる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?