バスケの新人戦、ぼっこぼこにされて悔しいのでマジメに「振り返り」してみる

前置き

すっかり秋も深まり、まさに運動日和だった9月。
新しいチームになって早三ヶ月、今年最後の大きな大会である新人大会に挑んだのですが、表題の通りぼっこぼこに負けました。
何事も反省って大事ですよね。仕事ももちろんそうなんですが、バスケの試合も当然そうであります。
なので、ばたばたしていてすっかり機を逃した感はあるものの、ちょっとマジメに「振り返り」してみようと思います(まごまごしている内に12月になってしまった…)。

サマリ

トリプルスコアオーバーで負けました。
ランニングスコアは114-36。惨敗としか表現出来ないです。
開始ゼロ分で1-2-1-1ゾーンプレスを仕掛けられて、開始3分で20点差がついた状態になりました。2Q目からはゾーンプレスはなりを潜めたのですが、相手はスリーが本当によく入り(20本以上決められた)、インサイドもわりかし強く、内から外から良いように点を取られました。また、スティールからの失点も多く、まさにイージーなオフェンスの見本市のような状態でした。
一方こちら側は、ゾーンプレスの突破に想像よりも体力を使い、事前に打ち合わせしておいたホーンズセットオフェンスをセット出来ないような状態でした。結果個の力に頼る部分が大きくなり、得点が伸び悩みました。

最もオーソドックスな1−2−1−1ゾーンプレス。1-2でダブルチームをかけ、1−1でロングパスをカットする

敗因は何だったのか

ここまで力の差があると敗因から目を背けがちになりますが、勇気を持って向き合おうと思います。

ゾーンプレスに対処出来なかった

まずはゾーンプレスに対処できなかったのが第一の原因。
試合前の練習でゲームプランの確認としてフロントコートにボールを運ぶときのルール決めは行っていたのですが、さすがにゾーンプレスは考慮していなかった。
試合開始20秒でT.Oを取るという初めての経験をしまして、慌てて対処法を選手に伝えたのですが、ぶっつけ本番でフロントコートからのフラッシュなど出来るはずもなく。結局攻略法としてはフィジカル頼り(ガードが中央からぶち抜け)を授けるしかありませんでした。
結果としては突破率は3割程度。完全にカモにされた形で序盤での大量失点してしまいました。

相手のスリー精度が素晴らしかった

二つ目の原因は、スリーポイントを決められまくったこと。
実は我がチームは部員が6人しかおらず、そもそもハードなディフェンスを行うことを指示していません。何なら外は捨てて良いよ位の感覚でいます。
今回ディフェンスはパックラインディフェンスを採用しており、それに拍車がかかった状態でした。
しかしながら、愚かなコーチの戦術を嘲笑うかのように、相手チームのスリーの精度が素晴らしかった。先述したとおり驚異の20本越えの成功数。ほぼフリーで打たせていたとはいえ、これには脱帽。
これだけ決まればそりゃ点差は開きますよね。

得点パターンが少なかった

三つ目の原因は、とにかく得点をとれるパターンが少なかったことが挙げられます。
そう多くない得点を改めて分析すると、

  • プレス突破からの速攻

  • スリー

  • ミドルが入った

くらいしかありません。ハーフコートオフェンスを組み立てて、イージーなシュートを決めるということが全くといって良いほど出来なかったのです。
コーストトゥコーストは体力を消耗するし、スリーも乱発出来るほど我がチームの期待値はまだ高くありません。ミドルはそこそこ決まりましたが、撃つべくして撃ったというよりは撃たざるを得なかった場面が多くナイスセレクションではありませんでした。
相手チームにとってはさぞかし守りやすかったと思います。

やればよかったこと

では、どうすればもっと良いゲーム運びが出来たのでしょうか。
じっくり振り返ると、以下の3点にカイゼンの余地があった気がしています。

プレス突破のヒントをもっと与えればよかった

僕も割とテンパってしまっていて、フィジカルでゴリゴリ突破するにしてもいくつかの大事なポイントを伝え忘れていました

  • エンドラインの立位置は変更出来るので、中央ではなくどちらかのサイドに寄せる

  • エンドからのスローインの際、ボールミートしにいくハンドラーのデコイを準備する

  • フロントコートに入ったプレイヤーは相手が戻りきる前にアーリーオフェンスを仕掛ける

このあたりをT.Oで選手たちに伝えられなかったのは、明らかに自分の手落ちでした。

スリーを打たせ続けたのは良くなかった

先述したとおりパックラインディフェンスを採用していて、外は捨てぎみで良いという指示を出していました。理由はひとえに体力的な不安があったことですが、学生バスケにおけるミドル以遠の決定率は低かろうと高をくくっていた側面もあります。
(パックラインディフェンスについては、三原さんのYoutubeがものすごくわかりやすいです)

しかしながら、これもまた先述したとおり、相手のスリーアテンプトが素晴らしかった。ほとんどフリーシュートみたいに打たせていた部分はあるにせよ、面白いくらいにスパスパ決められてしまいました。

ただ、「あ、相手はスリーはいるんだな」と感じた時点でいくつか打ち手はあったはずです。少なくともスリーが入りそうな相手に対してはワンアームでのボールマンディフェンスを徹底するとか、クローズアウトを早くするとか。もしくは、体力的な面を考慮するならボックスワンかトライアングルツーを採用しても良かったはずです。

このあたりも完全に自分のミス。とっさに出てくる手札が少ないという新米HC特有のダメポイントだったと考えています。

粘り強くセットオフェンスを指示すれば良かった

我がチームはどちらかというと小柄なチームです。
従いまして、ゴリゴリポストアップからのオフェンスエントリーをするというよりかは、PnRを中心としてギャップを作ってなんとかするという戦術を多用してます。
大会に挑むにあたって、セットオフェンスとしてホーンズセットを採用しました。これは、PnRやUCLAカットのようなギャップでイージーバスケットを行うエントリーとして最適だと考えたからです。

ホーンズセット。PnR中心に攻めるのであればすごく使いやすい

ところが、ゾーンプレスで浮き足立ってしまい、完全に機を失ってしまいました。また、攻略の都合上アーリーオフェンスにせざるを得なかったので、特に前半は一切組むことが出来ませんでした。
後半は相手チームがゾーンプレスを止めたのでセットオフェンスのチャンスはあったのですが、僕自身が浮き足立ってたこともあって粘り強く試してみよう、という指示を行えていなかった気がします。
特に勝敗が決しているような状況であったので、むしろ試す良い機会ということでもっと粘り強くセットで攻めてみても良かったと反省しています。

良かったこと

ぼっこぼこに負けたとは言え、もちろん良かったところもいっぱいありました。

  • 今までで一番点が取れた 

  • ハンドラのアタックがよかった

  • ピックアンドロールがいくつかきれいに決まった

  • ディープスリーが決まった

  • 初めて得点した子がいた

と、今年の夏にチームにジョインしてからオフェンス力はめちゃくちゃ向上しています! 特にPnRはかなり理解が進んできた上、ミドルが上手い子、スリーが決めれる子、ダイブが上手い子とそれぞれの持ち味を活かしてくれているように感じています。
なので、今後の指導方針としてもまずは良いところを徹底的に伸ばし、得点する楽しさを知ってもらう方向に倒す予定です。バスケットボールは得点するのが一番楽しいですからね。

最後に

選手が最高のプレイをしたまでは言えなく、逆立ちをしても今の段階ではかなわない相手でした。とはいえ、ここまで点差が開いたのは紛れもなく僕のせいであり、改めて反省すると出来たこと、やるべきだったことの多さに愕然としてます。

とはいえ、チームとしても僕個人としても伸びしろしかない結果でしたので、これからどう向上させていくかわくわくしています。バスケに限らず、スポーツは上手くなって出来ることが多くなって勝てるようになった方が圧倒的に楽しいですからね!! このわくわくを上手く選手たちに伝えつつ、冬休みの練習試合や年明けの対抗戦で今よりももっと良い結果を出すぞと決意した反省でした。

…仕事もこれくらいきちんと反省すれば良いのだけれど。


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