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【手打ち蕎麦 お乃(高松市仏生山)】自家製粉の蕎麦屋を訪ねて


自家製粉にこだわる、高松市仏生山町の「手打ち蕎麦 お乃」。茨城産をメインに、丸抜きした蕎麦の実を、店内の石臼で甘皮ごと挽く。

味わえる蕎麦は「ざる蕎麦」(700円)「辛味大根おろし蕎麦」(800円)のほか、温かい蕎麦など。いずれも九割蕎麦で、研究熱心な小野一行大将の技が宿る打ち立てを提供する。

スラリと端正な蕎麦を口に含めば、しなやかに喉を打つ蕎麦の香りがふわりと広がる。

蕎麦つゆは濃厚かつ、蕎麦の甘さを引き立てるキリッとした後口。出汁には旨味が凝縮した「本枯鰹節」や昆布、干し椎茸をあわせ、時間をかけてじっくりと引いている。かえしも自家製で、小豆島産の本醸造醤油を使用。

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「鴨ざる蕎麦」(1300円)のつけ汁には、肉厚で噛むほどに旨味が追いかけてくるような鴨肉に、香ばしい白葱の甘みが溶け合い、蕎麦との饗宴がたまらない。つけ汁を蕎麦湯で割って山葵を落とせば、最後の一滴まで楽しめる。

季節の移ろいとともに、夏はすだちやとろろを使った冷たい蕎麦や、蕎麦寒天を入れた「冷やしぜんざい」、秋は「なめこおろし蕎麦」を用意。

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大将は元会社員。旅先で“蕎麦打ちの神様”こと高橋邦弘氏に出会い、「職人としての次元が違う」という究極の蕎麦作りに魅了され、蕎麦職人の道へ。

今年で開業14年目。自家製粉の蕎麦はもちろん、大将の温かい人柄も相まって、ひとたびここへ来れば、また訪れたくなるだろう。

営業時間11時~15時(売り切れ次第終了)、火・水定休。テーブル席12席。駐車場6台。換気・消毒、スタッフのマスク着用など感染対策を講じて営業中。

手打ち蕎麦 お乃(高松市出作町303-8)

Tel 087-887-0643

本記事は、かがわ経済レポート2021年5月15日号のグルメ記事より再編集してご紹介しています。
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