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インフルエンザと心中した正月

2023年1月1日、新年早々インフルエンザになった。一年の始め方としてはとても芸術的であると自負している。

ふと思い返してみれば病気で寝込むのも久しぶりだ。ここ3年くらい新型コロナウイルスが流行して、意識的にマスクをしたり、手洗いうがいをしたりとなんやかんやウイルスには敏感になっていたせいか、高熱を出して寝込むことは無かった。

「インフルの予防接種、打ちに行かないとなぁ」とか思っていた過去の自分に対して、「思っているだけじゃ意味ねえんだよ。思い立ったその瞬間に予約取るとか行動に移せよ、このへぼ野郎が。お前のせいでこっちがしわ寄せ食らってるんだよ。」と昼勤のバイトに対して怒る夜勤のいかついヤンキーバイトみたいな感情を抱きながらも、悲しいかな僕は終始ワンオペ営業なのが自打球だ。

予防接種無し、ノーガードで臨んだインフルエンザとのタイマンファイトは思っていたよりも激しい戦いとなり、嫌に間延びしてしまったのが大誤算だ。格闘技にもアディショナルタイムってあったんですね。

発症から5日ほどたった頃にはPCに触れられるくらいには回復したものの、病み上がりのせいか不必要にのどが痛くて咳が止まらない。のどが痛い時って年に数回あるけど正しい対処法をよく分かってなくて、毎回なあなあに過ごしてしまうのが僕のかわいいところだ。

とりあえず机の上に転がっているパチンコ屋で貰ったマリンちゃんの絵が描かれている粗末な飴を、「これでのどの痛みが治るほど人生甘くないよなぁ」とか考えながらも、飴も人生も舐める。

飴は人生に比べればとても甘くて、その期待以上のおいしさにちょっと気分が上がった。この程度で気分が上がるようなハッピー野郎がこの物語の主人公であることに、読者の皆様もそろそろ気付くべきである。

ただその幸せもつかの間、ふと出た咳でその飴という名の小さな幸せを口から吐き出してしまい、机に置いてあるPCキーボードの上へダイビングさせてしまった。おいおい、これじゃあダイビングタイピングですかとか言ってるから、実家の飼い犬が俺にだけ待てをしないんだよ。

なんとも情けない。咳への対処法として舐めだした飴を、皮肉にも咳によって潰された。もうそんなことされたら、こちとら為す術無しだよ。ゾンビが追いかけてくるのを必死に止めようとするけど、ゾンビが強靭過ぎて家もろとも破壊しながら突き進んでくる感じ。あとはもうゾンビの思いのままに振り回されるしか、選択肢は残されていない。

まあそんなことを思うくらいには元気になったので、本年も下を見ながら一緒に頑張っていきましょう。


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