週二日の休みが予定でパンパンだと不安になる

人間とは結局どこまでいっても無い物ねだりだなって思うことが増えてきたが、それってどうなのかと思ったりもする。案外今ある自分の手札を覗いてみれば、いいもの揃ってたりもするものなのだ。ブラックマジシャンがなかったとしても、エルフの剣士があれば悪いことなんてないじゃないか。

週二日ある休みに予定がパンパンに入っていると、その週末を迎えるにあたって、（今週はこんなにもパンパンなスケジュールでしっかりと休まることができるのか、、、ゴクリ。）とこの後、強大な敵と対峙するか細き勇者の気分になって気が抜けなくなる。

とは言うものの所詮ただの一般人であり、売れっ子芸人のように休みがなく働いている訳ではない。どのくらい一般人かといえば週に二日休みがあるくらいには一般人である。もっと言えば、入っている予定も友達と遊ぶ予定な訳で、結局遊んでるんだから休みを謳歌しているだけじゃないか。なんか仕事が多くて忙しいみたいな言い方しないでくれよ。

いやもちろんその通りなんだけど、なんだか休みといえば予定もなくダラダラと昼過ぎまで寝て、体を蝕むような粗末な食事を食べながら、話もあまり理解できていないスパイファミリーを見みていると、もう夕方になってた日のことを言うと思っていた。

だからなんとなく予定とは、二日あるうちの一日くらいの含有率がちょうどいいと思える。もうすでに予定が一日分埋まっている休日の、埋まっていない方の予定を「日曜日空いてる？」みたいに聞かれると、なんだが言語化できない圧力に押しつぶされる気がする。断る理由もないし結局はその予定に応じる訳だが、予定を吸収してキングスライムの様に膨れ上がった休日には、冒頭の如く息を切らしながら向かうことになるのである。

今振り返って考えてみると、クソみたいな休日を過ごすくらいなら、絶対に予定を入れて友達と遊んだ方が有意義だと思うし、それが大域的に見ても正解だと思う。だからこそ、予定を注入してムキムキと大きくなっていくあの休日に対する不安感を、不思議に感じてしまうことを誰かと共感したい。

いざ予定のない休みを過ごしてみれば、なんだか休みを無駄にしているような気分になって、不味くはないけど美味しくもない、塩むすびくらい物足りなさを感じて終わるのだ。

でも友人の結婚式に参列するくらい素晴らしい休日を過ごしたとしても、後から後悔することになるあのクソみたいな１日が、意地悪で大嫌いなあいつくらい、どこか恋しかったりもするものなのだ。