見出し画像

聴覚情報処理障害あるある


こんばんは。

私、APD(聴覚情報処理障害)を持ちながら働く社会人です。

今日はAPDあるあるを書いていきます。


 

そもそもAPDとはなんぞや?と言いますと…

「聞こえているけど、聞き取りにくい」症状を示す障害です。

聴力検査では異常がなく、音や声は聞こえますが、聞こえてきた音声を言葉として認識するのが苦手です。

 

APDの聞こえ方を視覚化するならば

「あしたは小雨みたいだけど雨天決行なんだって。7時に駅の東口のコンビニ前に集合ね」

という会話がAPDには

「あしたは小△みたいだけど&天決行なんだって。◎ちiに駅の$aし口のコン⭐︎ニ前に集合ね」

というふうに聞こえています。



特に聞きづらいのはこのような場面です。
・騒がしい環境にいるとき
・複数人が会話しているとき
・隣同士、マスクなど口元が見えない状況で会話するとき

 

APDあるある


 

・  ストレスが多い

ずばり、APDはストレスが多いです。

言葉が聞き取れないのももちろんストレスですが、周囲の人にそのことをなかなか理解されないことがいっそうストレスになっています。

「聞こえているのだから分かるだろう」「集中して聞いていないだけじゃないの?」など責められり、疑われることも少なくありません。

APDの人はいつも聞き取れないわけではなく、騒がしい場所や、複数の人が同時に話しているときなど、聞き取れない状況が限られていることが、理解のされにくさに繋がっています。

 

 

・  電話は鬼門

APDは電話の声、特に携帯電話・スマートフォンよりも固定電話が聞きにくいことが多いです。
聞きとれず何度も聞き返したり、聞き間違いのないように何度も復唱したりと、電話対応にはとても手間がかかります。

 余談ですが、私は電話対応が苦手なおかげ(?)で、職場で知らない間にステキな評判が立っていました(笑)

私は普段、障害者雇用枠で働いています。
職場は、広大な敷地に複数の建物がまたがっている大きな組織です。

違う階や、隣の建物にいる人に用事があるとき、普通だったら電話をかけるところを、私は「直接会って話したほうが早い」ということで、できるだけ直接会いにいくようにしています。

敷地内をしょっちゅう歩いているため、来訪者に声をかけられる頻度が多く、色んな部署に来訪者をよく案内しています。

そんな働き方をしてると…いつの間にか「あの人はフットワークが軽い」というステキな評判が立っていましたw

 

 

・  飲み会は鬼門

APDは、居酒屋のようなガヤガヤした空間での会話が苦手です。
すべての声が一斉に重なって聞こえるからです。

聞こえ方をイラスト化するとこんな感じ


APDにとって居酒屋でのコミュニケーションはハードルが非常に高いです。
そのため私は普段飲みに行くときは、居酒屋でなくこじんまりしたバーに行くことが多いです。

ここ数年はコロナの影響で、職場の飲み会がなくなってとても助かっています。
アフターコロナもこの風潮が続いてほしいと切実に願っています。

 

 

・  毎日が類推ゲーム

APDにとっては日常会話が類推ゲームです。

例えば、私が職場で電話を受けたとき。
相手が「◎△uラです」と名乗ったとします。
これで相手の名前が

・  4音であること
・  3つめの母音は「ウ」であること
・  最後の音は「ラ」であること

が分かります。

このヒントから考えられるのはこの3人です。

・  ニシウラさん(10代男性・新人職員)
・  イワクラさん(30代男性・中堅職員)
・  ヨシムラさん(60代男性・再任用職員)

まず相手の口調が、タメ語まじりでフランクだったので、さすがに新人職員のニシウラさんは違うだろうと除外します。

ってなると、ありえるのはイワクラさんかヨシムラさん。

ちらっと職場の予定表を見ると、今の時間はイワクラさんの所属チームの会議が行われています。
会議中にこんなリラックスした声で電話をかけてくることは考えられない。

そうなると残るのはヨシムラさん!電話の主はヨシムラさんだ!と分かりました。

こんな感じで私は日々、断片的に聞き取れた情報と、周辺情報をかけあわせた類推ゲームをしています。


日頃から類推ゲームをしていた成果でしょうか。
学生時代は、英文や古文の読解において、分からない単語が出てきても「なんとなくこういうこと言ってるんだろう」と類推して読み進めるのは得意でした。

 

 

・  疲れやすい

足腰の弱い人が10キロ歩くのと、健康な人が10キロ歩くのだったら、前者の方が疲れやすいのは想像つきますよね。

じゃあ、聴覚情報の理解力が弱いAPDが会議に一時間参加するのと、健康な人が会議に一時間参加するのだったらどうか。

同じ発言量を理解するにも、健常者が淡々と聞いている横で、APDは猛スピードで類推ゲームをこなさなければならないので、「人生がかかったセンター試験のリスニングばりの集中力」を消耗しています。APDは疲れやすいです。

 

 

・  娯楽が視覚情報に偏る

APDはドラマや映画を100パーセント楽しめません。
セリフを聞き逃してしまい、ストーリーを理解できないことが多いからです。
そのため娯楽は視覚情報(漫画や読書)に偏りがちです。
スマホをいじるときも、配信やYouTubeよりは、画像や文字情報で楽しめるTwitter・Instagramなどをしていることが多いです。

 

 

・  独学力がついていく

APDは長い説明を理解するのが苦手です。
学生時代、授業についていけなかった経験のある人も多いでしょう。
私も学生時代は授業についていけずに苦労しました。

学習は、授業で理解するのは諦めて、自宅でテキストを読み込んで独学でこなしてきました。

高校受験、大学受験、国家試験。あらゆる試験を独学で突破してきたおかげでしょうか。

いつのまにか独学力がついていました。

大人になった今、独学力は私の人生を豊かにしてくれています。
何かに興味を持ったとき、私はいつも図書館の資料で独学します。
セミナーに通えばお金がかかりますが、独学力があればタダで学び放題です。

自己肯定感の低さをどうにかしたいと思ったときは、プロのカウンセリングに通うとお金がかかるので、心理系の本を読み込んで、自分で自分をカウンセリングしました(笑)
イメコンがブームになったときも、ファイナンシャルプランニングに興味を持ったときも、プロ診断を受けるにはお金がかかるので独学して、自分で自分を診断しました(笑)

 

 

 

APDあるあるおしまい。

お読みいただきありがとうございました。