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発達障害に寄り添う歌、欅坂46『エキセントリック』 


欅坂46のエキセントリックを聴いた。
ああ、これは発達障害への応援歌だと思った。


一番心に刺さった歌詞。 

普通でいることって何だ?
僕は普通と思っているみんなこそ変わり者だ

ここからラストへ、迫りくるピアノの恐々しい音、少女たちの狂気じみたダンスは鳥肌もの。


「普通」に人一倍とらわれ、苦悩してきた発達障害の自分にとっては、ズシリと来るものがある。



他にも、心に訴えかけてくる言葉が随所にあって。

理解されない方がよっぽど楽だと思ったんだ
普通なんかごめんだ 僕は僕でいさせてくれ
きれいな川に魚はいないと したり顔して誰かは言うけど
そんな汚い川なら 僕は絶対泳ぎたくない

これらは、忖度や矛盾に溢れるこの世界で、器用に生きられない人に寄り添ってくれる歌詞だと思う。



この曲はファンの中でも特に、中学生や高校生からの共感が多いみたいだ。

「歌詞に救われた」「部活やめる勇気もらった」「全日制から通信制に変える決断ができた」
といった声もネットで見かけた。


もしも、私の発達特性が今以上に顕著だった10代のときに、この曲に出会っていたらどうなっていただろうな。

親や学校からの「普通になれ」のメッセージに苦しんで、頭頂部禿げるくらい抜毛したり、身体を傷つけたり。

そんな生活していた中高生の自分がこの曲に出会っていたら、今の比にならないほど強く胸に刺さってぽろぽろ泣けていたかもしれない。
あるいは同族嫌悪みたいな感情で聴くに堪えなかったかもしれない。

良くも悪くもどうなっていたか分からないな。


もうアラサーの良い歳した大人だけど、今からでも遅くない、ときに曲に救われながらも自分を肯定したいものだ。




余談

欅坂46の2期生の大園玲さんは、いじめに遭って暗く過ごしていた学生時代、『エキセントリック』に救われてオーディション応募を決意、晴れてグループに加入することになったそうな。

詳しくは玲さんのブログにて。

ダンベルのごとく重い過去を、ユーモラスかつ軽やかに読めるブログとして書けるのに才能を感じる。


欅坂46は一昨年から昨年にかけて問題が相次いで、メンバーの卒業や脱退も続いた。
イメージ一新のため、今年から櫻坂46と改名してリスタート。

「いつか欅の曲を披露するためにも今は櫻坂を頑張りたい」と玲さんは話していた。

改名前のイメージを払拭するには時間がかかるかもしれないけど、いつか玲さんセンターでエキセントリックを披露できる日を待っている。