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かてぃんピアノに会ってきた @KIOI JAZZ WEEK 放課後ジャズチャレンジ

2023.10.10(火)〜10.13(金)
東京ガーデンテラス紀尾井町

かてぃん(角野隼斗)さんの2023年ソロコンサートツアーでずっと一緒に全国を回り、多くの人に素敵なサウンドを届けてきたCateen仕様のスタインウェイ製アップライトピアノ。ツアー千秋楽にかてぃんさんのサインが入った“かてぃんピアノ”と呼ばれるそのピアノの第2の人生がCATEEN UPRIGHT PIANO PROJECT です。

2023.4.1 日付けが変わったと同時に深夜に発表されたこのProject、驚きと感動で真夜中に興奮してしまい眠れなくなったのを昨日のように思い出します。「子どもたちに音楽をつなぐをコンセプトにツアーで使ったスタインウェイのアップライトピアノ無償で貸します」って…

この企画に賛同した全国の自治体や企業が応募して、7月のスタインウェイ&サンズ東京を皮切りに各地でさまざまな企画が催されています。自分も何かしらの形で参加したいと思いつつも、場所、日程、家族を含めた体調や都合でなかなかハードル高い。何よりピアノが弾けない←コレ大きい(笑)。
そんな中、9月下旬に突如ポンと出てきたKIOI JAZZ WEEKに付随した企画「放課後ジャズチャレンジ」。東京!山手線内!紀尾井町!。「子どもたちに音楽をつなぐ」という夢に賛同した団体に貸し出される特別仕様のこのピアノでジャズピアニストのトレーナーといっしょにジャズを弾いてみませんか?とな!!!面白そう!
ただ、平日15:30〜、放課後というだけあって学生さんを対象にした企画である事は明白で、1人15分の公開レッスン、企画に賛同頂けるなら年齢問いませんという端書きはあるも若い人のチャンスを奪ってはならない、と参加を躊躇しておりました。
さて時はあっという間に10月中旬。平日の休みと重なるのは10/12(木)のみ。しかも夜に仕事で参加が必要な講習会があり、タイムリミットは現地16:30までという制約(笑)。でも前日にJacob Kollerさんのポストがあり(現地の雰囲気が少しわかります)、気持ちのよい秋晴れという天気の後押しもあり「見るだけでもいいじゃん!」と凸る事に笑。(ちなみにワタクシ猪突猛進の亥年女です。彼の方もね笑)

本当にいいお天気で、爽やかな秋風が通り抜けるオフィスビルの一角で行われていたLunch time concertも途中からでしたが聴けました。昼休憩で屋台のお弁当を買いにくる人、通りがかりの方、足を止めて聴き入っていましたよ。

東京ガーデンテラス紀尾井町 花の広場
フルートのアンサンブル
(KIOI LUNCH TIME CONCERT)

私も屋台のタコライス弁当を買って、いよいよお目当てのかてぃんピアノのある場所へ。エスカレーターから続く通路脇、成城石井の店舗前にカフェスペースがありちょっとした空間が。電光掲示板があって照度もある程度保たれる場所にかてぃんピアノと角野さんのパネルがちょこんと鎮座。ピアノの左側に空間があるのでサインが映えてましたよ!お昼食べながら本読みながら小一時間、またJacobさん来ないかしら?(さすがにそれはないw)なんて思いながら待機。準備のスタッフさんに次いで現れたのが、本日のJazz講師と思われる柄シャツの男性。定刻を待つ間たまにピアノを奏でてくださり(いつか王子さまが🎶とか)気持ちのいい時間を過ごしました。遠巻きにピアノを気にする私が撮った遠景像↓www

かてぃんピアノブース

15:30定刻になり最初のチャレンジャーさんはお母さんと来た10歳くらいの女の子。持ち込みのバッハインベンション1番をまずはお手なみ拝見。おー上手ー。その後先生が促して右手だけ3連符で弾きはじめ、そこに先生の伴奏が入るとあら不思議、一瞬でJazzyな音楽に!とても楽しくなってきて私も前方の席へ移動。先生は伴奏しながら時々短いフレーズ入れてそれを女の子が真似をする。いわゆるコール&レスポンスが練習なしに成立して、わっすごい!ってなった。緊張していた女の子も足でリズム取り出して楽しそうでした!その後、企画に入っていた「Sing!Sing!Sing!を一緒に弾いてみよう」も備え付けの楽譜を見ながら連弾してました。
次の子は6歳の女の子。ご両親が下の子(赤ちゃん)も連れてベビーカー引きながら来場。何か組み立てはじめて…足台でした。頭が下がります〜。持ち込みの小品はマイナー調だけど可愛らしい曲で先ほどと同じく3連符に。小さいのでちょっと難しかったか拍子が定まらず…でもさすが先生うまく合わせて「すごい!変拍子の曲になりました5拍子!」と先生。だんだん慣れてきた彼女はにっこり笑顔も交えながら先生の伴奏に乗って、同音連打も入れちゃったりしてコール&レスポンスもチャレンジ。それも出来ちゃってて「子供の能力すごいー」と感嘆しました。赤ちゃんにミルク飲ませながら見守るお母さん、一生懸命動画におさめるお父さん。とてもほっこりした空間で幸せのお裾分けをいただきました。ピアノのサイン、Cateen Smileも喜んでいました。

なるほど!これは楽しいね。子どもたちに音楽の楽しさを伝える、というコンセプトにがっちりマッチ!

チャレンジ終了後ご両親も含めてしばし歓談された後、先生が、「さてやりましょうか?」と私の前に。「申し込んでないので、見てるだけです〜」と話すと、少し早めに終わったからか、周りを見回して次の方がまだ来場してないのを目視確認して、「ちょっとだけやってみますか?」「え、えぇぇー!いいんですかー?」(おい自分そんな事言っちゃって…)「何か弾きたい曲ありますか?」「えっ、じゃあ、あの、角野さんが弾いていたSmileを…」(おーい自分、朝に1フレーズC調で右手だけでさらっと弾いただけやで…)「Smile?わからないなー」「ピアノやってなくて右手しか弾けないんですけど…」
椅子に座る前に手を合わせて一礼して(笑)。弾いたら「あぁー!」そりゃそうだわ。ナット・キング・コールの往年の名曲。チャップリンの映画曲。角野さんがNHKの街角ピアノスペシャルでシンガーの女性にリクエストされた曲。「いいですねー合わせましょう」とすぐさま連弾スタート。
普通に弾いた連弾の1回目のはじめだけでした。かてぃんピアノを感じたの。弾く鍵盤に合わせてハンマーが動く。鍵盤は心なしか狭い?アクションは少し重い?自宅にKAWAIの電子ピアノしかないのでかてぃんピアノの特徴や素晴らしさがわからない〜残念ー。あとは間違わないように置いていかれないようにするのに必死。「結構弾けますね!じゃ、アドリブ入れてみましょう」2回目弾く前にムチャ振りする先生、「ア、アドリブ?!」訳もわからず適当に崩しながら弾く自分。でも先生の合わせが上手くて気持ちよく、足で拍とりながら楽しい楽しい。アドリブというには程遠い演奏がホールの様な通路に響く。爆音(家では電子ピアノですので、本物のピアノに触れるのは10代の頃以来で…。自分には爆音に感じました)のしっちゃかめっちゃかなSmile…居合わせた皆さま、お耳汚し失礼しましたー(汗)「拍にきちんと乗せて8分とか16分とか入れてるといいですよ。たまにこんな風にシンコペーション入れるとジャズっぽくなります」と飛び入りなのにアドバイスまで頂くも、先の子どもさん達の様には上手くいかずあえなく撃沈。終了ー。

メインテーマの16小節を4回繰り返しただけの、10分はないくらいの時間でしたが、貴重な体験をさせて頂きました。フレンドリーかつ親切に対応してくださったJazz Pianist の尾崎琢也さま、飛び入りを許してくださったスタッフの皆さま、どうもありがとうございました。

大量の冷や汗あぶら汗をかき、血圧もかなり上昇していたと思われ、時間的にはもうちょっと余裕あったのですが聴く心理状態にあらず現地をあとにしました。本当は中高生くらいのピアノ男子とジャズセッションみたいのも聴きたかったのですが、時間の制約(特急の時間)もあり仕方ないですね。

東京駅のスターバックスで季節限定のBoooooフラペチーノ(真っ黒で下にパンプキンプリンが入ってる激甘のフラペチーノでした笑笑)を飲んでクールダウン。その時のツイートはこちらです。

現地でもらったKIOI JAZZ WEEK 2023のパンフレットと
Boooooフラペチーノ

あとがき

今回の体験は、ピアノ自体は“かてぃんピアノ”でなくてもよかったのかも知れません。ただ、かてぃんピアノであるからこそ「放課後ジャズチャレンジ」という企画が立ち上がり、先生、スタッフさんを配して子どもたちがJazzに触れる機会が生まれたのは事実です。もらったパンフレットにJacob Kollerさんのインタビュー記事があるのですが(JacobさんはこのKIOI JAZZ WEEK の最終日10/18にラストを飾るカクテルコンサートのソリストさま)アメリカと日本のピアノ教育について触れています。

概してアメリカの教育は創造性と個人主義に重きを置く傾向があるとおもいますが、それは音楽教育にも反映されているでしょう。早い段階で即興や創造的な音楽に触れる機会も多く、子ども達の教育に大きな影響を与えています。ゴールは技術的な上達ではありません。個々の表現が重要と考えられているのです。一方、日本では、数十年前から教則本「バイエル」がピアノを習う際の標準となりました。これによって基礎や基本を大きく重視する教え方となり、創造性にあまり重点が置かれなくなったと思います。しかし、日本のピアノ教育においても、純粋に技術的なアプローチの限界を認識する教師や親が増えています。最近ではより創造的なメソッドが日本でも広まりつつあり、多くのピアノの先生が創造性を取り入れることに情熱的です。日本のピアノ教育の未来に大きな希望を感じています。

KIOI JAZZ WEEK 2023  無料パンフレット
Jacob Koller  interview より1部抜粋

今日、ジャズチャレンジした子ども達も、いつも譜面通り練習している曲がジャズアレンジされてたぶんびっくりしたと思う。先生に「自由でいいんだよ。楽しもうね!」と教えてもらっていた様に思います。「アップライトピアノの魅力を最大限に活かした、自分との対話に没入できるような演奏空間」という趣旨とは少し離れていますが、とてもよい企画だったと思います。何よりかてぃんさん本人が「楽しさや自由が音楽の本質」っておっしゃってますからね!

10/7(土)放送サタデーウオッチ9より

上記写真、こちらのツイートの予告動画より抜粋です。


CATEEN UPRIGHT PIANO PROJECT はまだまだ続きます。各地で多くの人がこのピアノと出会い、どんな想いや経験を得るのでしょう。楽しみですね!

かてぃんピアノ、旅は続くけど頑張って〜!