記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

大河ドラマ「光る君へ」第十九話「放たれた矢」所感

いや、放たれた瞬間で終わったし。引っ張るね〜。

政治のトップだけど関白じゃない

 道長が公卿のトップである右大臣となりましたが、帝には「皆の顔を見て話し合える内覧として勤めたい」と関白にならない道を歩みだしますね。史実では、直前まで大納言だったから関白には「なれなかった」説もあるようですが。ん?兼家パパは関白になってからも陣のさだめに出てませんでしたかいね?謎い。
 ともかく、兼家パパや道隆兄上とは違う道を選んだ道長。わざわざ定子中宮さまがお出ましになって釘を刺していたようですが、素知らぬ顔です。なんだかな、定子さま中宮としてのあり方ちょっとずれてるよね。
 伊周内大臣も、道隆の考え方をばっちし受け継いでいるのですから、定子中宮さまもそんな感じだったのかも。だからこそ、道長は内覧で正解なのですよね。伊周が最高位の陣のさだめだと、もう一条帝のやることなすことにチャチャ入れかねないし、周りの公卿も伊周に同意せざるを得ない。んまぁ、なんのための公卿かいなと思わなくもないですが。一条帝もある意味正解。陣のさだめそのものではなく、その前後の公卿たちのお喋りをこっそり聞く方が良いに決まってるわ。お茶会リラックス方式の方が良いんでない?
 ただ、この場に出て来てしまったことで、伊周がイチイチ突っかかってきて、いちゃもんつけてくる。あんなに悲しんだ兄の死まで材料にして。もう、良い加減にして。
 これが公任とか道綱にしたら「情けないこと」でロバート実資にしたら「面白いこと」になるのねぇ。権力を「ある程度まであればいいや」と思うと、こんな感じで上の人のゴタゴタを楽しめる(こら)ようになるんですね。
 まぁ、道長の楚々とした感じが良かったんでしょうね。偉ぶらないし、女院さまの要求はねつけても彼女との仲が険悪にならない。若い人の中に使える人脈がめっちゃある。ものすごいバランス。

次男がヤンチャ=摂関藤原の血?

 兼家パパの次男(時姫との子でね)道兼も、道隆の次男の隆家も、なんだかヤンチャ。道兼の拗らせ系とはちょっと違うのかもしれませんが、長男(道隆も伊周も、パパの前ではおとなしめだし、ちょっとヘタレな一面も)が意外と内裏だけの内弁慶なのに対して、次男は体張って衝動的に振る舞いがち。

10年目をラストのチャレンジに。よかったね為時パパ

 至って個人的なことになりますが、2年前に仕事を調整した時、同時に私も10年チャレンジしていた試験に区切りをつけました。仕事と直結していたので、諦めざるを得なかったという側面もありますが。10年認められないって辛いですよね〜為時パパ。そして、近くには「また申し文の…」なんて、本人無意識でも結構精神的に削ってくるこという人もいる。「もうこれを最後に」という気持ち、察するにあまりあります。私は成せなかったですが、為時パパが成ってホントよかった!!鴻恩だ。

結局そういう内裏しか作れなかった定子中宮さま

 まひろが内裏に!史実ではこの時期にはあり得ないと言われていますが、まあ宜しいですわね。唐衣と裳と、フル装備姿のまひろが見られてよかったよかった。それに、一条帝を通して道長がまひろと為時の存在を思い出したっていう筋書きがいいですね。道長が内覧になって急に為時が登用されたというのも、後に紫式部が道長陣営についたのもすごく納得できる。このタイミングでの為時登用も合わせて、ここまでのまひろと道長の恋物語を着想したとしたら、本当に無理のない脚本に収まってきた。
 最近、定子中宮さまの評価が個人的に駄々下りなので、こんなタイトルしか書けなくなってしまっています。でもあの画鋲のくだりとか、まさに源氏物語の桐壺の巻ですね。ふと思ったのが「桐壺帝の初期に中宮って出てきた?弘徽殿の女御は女御だし、藤壺の女御は中宮になるけれど、それは光の君が生まれた後。桐壺の更衣(光ママ)へのいじめを止められる人がいなかったということは、当時中宮はいなかったということかしらん。」ということです。
 つまり、後宮の差配をしなければいけないトップの中宮さまが後宮の品を決めると言って過言ではないということです。貴子ママに教えられていたような「憧れられる」だけの中宮であることさえも、正直ちょっとままならないご様子の定子中宮さま。三日に一度廊下に何か散らかっているようなことに目が届かないようでは……。それも、来たばかりではなく、もうずっと中宮さまなのですから。女房たちの下品な振る舞いを御せないというのはちょっとね。次回予告を見るにつけ、本当に荒れていく定子中宮さま。没落する直前がこれだと、同情しきれなくなっちゃいそうです。

で、矢が放たれる

 タイトル回収が、最後のシーンのパターン。まぁ、道長政権のスタートというダブルミーニングもあるのでしょうが。
 長徳の変、前回コメントもいただきましたが、歴史上有名な事件ですね。詳しくはよくわかりませんが、道長が「持ってる」というのは確かだな、と思わせる事件。史実では、道長はこの後の処分に自ら動くわけではなかったみたいに言われています。一条帝に丸投げ。さあ、来週ドラマでどう描かれるのかしらん。楽しみです。

 長々とお付き合いいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?