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無摘果リンゴでつくったハードサイダー「完成披露パーティー」を開催しました!

2023年2月、雪深い季節に始まった「無摘果リンゴでハードサイダー(シードル)をつくる」というプロジェクト。 

ついにハードサイダーが完成し、12月2日に盛大にハードサイダー完成披露パーティーを開催することができました!
 今回は、そんな完成披露パーティーの様子をお届けします!

遠野醸造とGreen Neighbors Hard Ciderによる、味わいのポイント紹介!

遠野醸造の袴田さん

遠野醸造・代表取締役の袴田大輔さんは、無摘果リンゴを使用して作ったフルーツビール「TEKIKA APPLE SAISON」について、「飲みやすくさっぱりしているセゾンというビールをベースに、フルーティーな香りがする酵母と、無摘果リンゴを10%ほど入れ、リンゴの風味がほのかに感じられてセゾン酵母由来のちょっとスパイシーでフルーティな香りのビールになっていると思う」と語ってくれました。さらに、今回のフルーツビールでは遠野産のホップ「IBUKI」を使用しているとのこと。「ホップの風味を探しながら飲んでいただければ」と、味わいのポイントも教えていただきました。

Green Neighbors Hard Ciderの及川さん

紫波町にあるハードサイダーに特化したサイダリー「Green Neighbors Hard Cider」の醸造長・及川貴史さんは、今回の「HARVEST BREW 2023」について、以下のように語ってくれました。
 
「今回初めて、成熟したリンゴを入れない摘果リンゴ100%のハードサイダーを作りました。これまで未成熟な摘果リンゴだけで作るってことはなかったので、すごく不安だったんですが、予想を超える仕上がりになりました」。そう言って及川さんは嬉しそうな笑顔を見せました。

無摘果リンゴでハードサイダーを作るというチャレンジに、乾杯!

繰り返される乾杯

会場には、このプロジェクトが始まってから、剪定作業や草刈り、簡易摘果など、実際に無摘果リンゴの栽培に関わった人たちもいれば、遠方からこのプロジェクトに想いを寄せて遠路はるばる遠野に来てくださった人たち、地元の人たちなど、 30人あまりの人たちが集まり、地域も年代も超えて、皆で無摘果リンゴのハードサイダーで乾杯しました。
 
それぞれがいろんな思いでこの場に集い、会場全体が一体となり、盛大な乾杯となりました!

無摘果リンゴのハードサイダー誕生秘話

発案者の太田さん

皆で乾杯して盛り上がったところで、この「無摘果リンゴでハードサイダーを作る」というプロジェクトが始まった誕生秘話を、発起人の太田睦さんからお話しいただきました。
 
太田さんは、7年前に遠野に移住。袴田さんと2人で遠野醸造を立ち上げました。

「遠野醸造立ち上げのタイミングで、遠野でビールを作るということを考えた時に、やっぱり遠野にはリンゴがあるから、ハードサイダーも作ってみたいという話も、当時からしていたんです。
ただ、日本のリンゴは甘すぎてハードサイダーには向かないということは最初に分かっていたんです。
そこで、リンゴの栽培過程の中で摘果されたリンゴでハードサイダーを作ったら良いんじゃないかというのが考えたんですが、それはもうやっている方が結構いて、そのうち、そもそも食用リンゴっていうことを前提にしないで、ある程度大きくなったところで実を全部取ってしまって、実を大きくしないままハードサイダーを作れば一番手間なく安く作れんじゃないかと考えたんです。
 
遠野で無農薬のリンゴ栽培をしている佐々木悦雄さんがリンゴ畑を閉じようかどうしようかと考えていたタイミングで私の話を聞いてくれて、それなら、そんなに手間をかけないで栽培できて、しかもハードサイダーっていう商品にまで持っていけるっていうことを納得して乗ってくれたんです。
 
佐々木悦雄さんの甥にあたる佐々木大輔さんにこんな話あるんですけどどうでしょうって言ったら、もうノリノリになっちゃって、プロジェクトを中心になって回してくれました。
Green Neighbors Hard Ciderの及川さんと遠野醸造の袴田さんにもこんなことあるんですけどって声をかけて、あとは皆さんが面白いなと思ってくれて盛り上がっていったのがこのプロジェクトだと思っています」

イベント中のプレゼンテーションから

太田さんの発案から、本当に多くの方に関わっていただいた結果がこの完成披露パーティーの盛り上がりにつながっているのだなと、改めていろいろな形で関わってくださったすべての皆さんに感謝の気持ちが湧いてくるお話でした。

リンゴ栽培の可能性を開いた無摘果栽培

自然栽培にこだわったリンゴ農家の佐々木悦雄さん

今回の完成披露パーティーでは、リンゴ農家の佐々木悦雄さんは都合がつかず残念ながら参加できなかったのですが、このプロジェクトを1年近くかけてやり遂げ、東今回のプロジェクトが無事に実現できたことに喜んでいるとのことでした。
 
このプロジェクトの話が出るまでは、自然栽培でリンゴ栽培をやってきた佐々木悦雄さんも、もう自分一人では栽培を続けることが難しくなったと感じ、畑を閉じるしかないと半ば諦めかけていたところでしたが、奇跡的な巡りあわせにより、リンゴ栽培を続けられることになって、悦雄さん自身が喜んでくださっているということ。

このプロジェクトが、同じようにリンゴ栽培を続けることが難しくなっている農家さんたちの、希望の一筋をつくれたとしたら、何よりも喜ばしいことだと感じました。

リンゴ栽培からハードサイダーができるまでの1年を振り返る

TONO DAOの佐々木大輔さん

佐々木大輔さんからは、2月から始まったリンゴ栽培・ハードサイダーづくりの1年を振り返るお話がありました。
 
例年なら2日ほどで終わる見込みの剪定作業が、過去2年間、畑を放置していたために枝がかなり太くなっていて、予想を超えて1週間ほどかかってしまったという苦労話も。
病気で枯れている枝は切り落とさなければいけないのですが、木全体が病気で枯れていて、根こそぎ切らなければいけない木も何本かあり、少し心が痛むような感覚もありつつのスタートでした。
 
その後の作業は、ぜひ本noteのマガジンをご覧ください。
https://note.com/tsukuru_univ/m/mcea87012eb44
 
そして今回、完成したハードサイダーがこちらです。プロジェクトメンバーでつくりあげたラベルがずらっと冷蔵庫に並んだときは壮観でした!

TEKIKA APPLE SAISON
HARVEST BREW 2023

完成したハードサイダーのお味は?

当日の参加者の皆さんに、2種類のハードサイダーのお味を、アンケート形式で聞いてみました!

遠野醸造のフルーツビール「TEKIKA APPLE SASON」のお味は?

「飲みやすくて美味しいです!」
「はじめての味!! うまいよ!!」
「ビールおいしい!遠くから来たかいがありました!!」
「スッキリした飲み口!さわやかな味でとても美味しかったです」
「はじめて飲んだ新しい感覚です」
「飲みやすくてとても美味しかったです。とてもすっきりしていてさわやかでした」
「スッキリしておいしいビールでした♡」
「ほど良いりんごの酸味もあり美味しいです。飲みやすいです。」
「ビールが苦手の方でも飲みやすいビールです」
「新しいビールという感じがして、とても飲みやすい!」
「味も良い! ラベルもオシャレ!! 流行りそう」

Green Neighbors Hard Ciderのハードサイダー「HARVEST BREW 2023」のお味は?

「しぶみがうまい!!」
「酸味があって、すっきり」
「酸味がほどよくクセになる味でした」
「程よい酸味がアクセントになっておいしいです」
「リンゴの酸味と風味を感じられるgoodな味です!!」
「今までにない味、クセになりそう!」
「酸味があってすごく飲みやすいです」

当日の様子ダイジェスト

ここからは、完成したハードサイダーを飲みながら交流を楽しむ参加者の様子を写真ダイジェストでお届けします!

会場には35人ほどが集まりました
司会のタナカミキさんが無双していました
会場ではピザが振る舞われました
遠く新潟からお越しいただいたメンバーも!

最後は発案者の太田さんに、一本締めで締めていただきました!

最初と最後は太田さん!

無摘果リンゴでハードサイダーを作るという前代未聞のプロジェクト。
いろいろと想定外のことも多々ありましたが、無事にこの日を迎えられて、参加者の皆さんと共に喜びを分かち合えたことに、心がいっぱいになる思いでした。
 
1年間このプロジェクトに関わったり、見守ってくださった皆様に、改めて感謝申し上げます。来年以降の展開にも、乞うご期待!

(撮影・編集 ももばち企画 千葉桃)


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