ガク爺

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,…

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楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

最近の記事

『決定版 寅さんの金言・現代に響く名言集』(立川志らく・著)

 図書館の書架で見つけた『決定版 寅さんの金言・現代に響く名言集』(ART NEXT・刊)を、楽しく読みました。  著者は、落語家の立川志らく師匠です。  「何で志らくさんが、寅さんの本を…」と思いましたが、“寅さん博士”と呼ばれる識者(ファン?)だそうで、映画「男はつらいよ」シリーズ48作を語り尽くしていました。  本編では、1作ごと1ページ目に映画のタイトル、「志らくの前口上」があり、封切日やマドンナ、ゲスト、主なロケ地などの情報とSTORYが載り、映画を観た人はもち

    • 『いつまで』(畠中恵・著)

       しゃばけシリーズ22作目の『いつまで』(新潮社・刊)です。  長崎屋の跡取り息子(若だんな)と妖との物語です。そして長編です。  病弱な若だんな、離れから出してもらえず、妖と遊び過ごしている、“いつもの長崎屋”でした。  その若だんなが、“お店の役に立ちたい”とからくりを作ります。  “薬升”が完成し…。  寝ていた若だんなが、夢を見て、気づいたら、5年後の江戸…。  5年後の江戸は…。  5年後の長崎屋は…。  空白の5年間は…。  5年前に戻るのか…。  妖・以

      • 『人は違和感が9割』(松尾貴史・著)

         「どこかで見たようなタイトル…」、題名の「違和感」そして著者が気になって手にした『人は違和感が9割』(毎日新聞出版・刊)です。  毎日新聞に掲載のコラム「松尾貴史のちょっと違和感」から3冊の“違和感”が発刊されていたのを知りませんでした。本書は第4弾の単行本でした。  白地の表紙に、横向きの頭部が描かれ、驚いたような表情に見えます。その頭に黄色い脳が見え、そこに白い花が咲いている印象的な表紙です。  “違和感”は、白い花でしょうか、脳が見えることでしょうか…。この表紙で

        • 『街に躍ねる』(川上佐都・著)

           机に向かって絵を描く男の子、床のマットに寝そべる男の子のいる部屋が描かれた表紙、裏表紙は青空が綺麗な街の景色の『街に躍ねる』(ポプラ社・刊)を読みました。  帯に、「第11回ポプラ社小説新人賞」特別賞受賞作とあり、俳優の伊藤沙莉さんの言葉、 から、興味をもって本書を手にしました。  物語は、小学5年の晶が一人語りして進みます。第二章は母の朝子の一人語りです。  「国語びん」と書かれた左手、“稲荷通りマラソンの新記録”を狙って走っているぼく…。  忘れないように手にメ

        『決定版 寅さんの金言・現代に響く名言集』(立川志らく・著)

          『エレガントな毒の吐き方』(中野信子・著)

           著者がInstagramで「中野が全然エレガントでないという根本的な問題を完全スルーしての刊行(もしくは敢行)」したという『エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術』(日経BP・刊)です。  本を「なぜか本ばかりは週刊中野信子かという頻度で出てしまう」状況のようですが、だいぶ時間がたってから手にしました。  書名にある「エレガント」、内容に出てくる「イケズ」の言葉は、たびたび耳にして、知っているような気がしますが、自分は遣っていない遣

          『エレガントな毒の吐き方』(中野信子・著)

          『あなたの日本語だいじょうぶ?』(金田一秀穂・著)

           著者は、有名な“国語学者一族 金田一家”の三代目で、マスコミなどにも登場します。  数年前、NHKのEテレで『あらためましてベーシック国語』(現在も再放送あり?)で、タレントの滝沢カレンさんを生徒に授業をしており、話題になっていました。  雑誌に連載された言葉を中心に“SNS時代の言葉力”について述べた『あなたの日本語だいじょうぶ?』(暮らしの手帖社・刊)です。  新型コロナ禍の生活、日常を暮らすなかで著者が“感じたこと”について、「日本語(言葉)」を切り口にして語ってい

          『あなたの日本語だいじょうぶ?』(金田一秀穂・著)

          『続・宇宙のカケラ 物理学者の詩的人生案内』(佐治晴夫・著)

           6月の成幸読書で届いた図書で、清水店長が と述べていた『続・宇宙のカケラ 物理学者の詩的人生案内』(毎日新聞出版・刊)です。  本書は、東京急行電鉄(東急)発行の「SALUS」に昨年8月から本年4月までに掲載されたものが書籍化されてものです。  どの項も、読みやすい文章で綴られ、文量も3ページ程で、一気に読むことができます。とはいえ、一部ですが“専門家としての説明”となっている個所もあり、読み辛いときはスルーして気軽に読めばよういでしょう。  今回、1章から順に読んで

          『続・宇宙のカケラ 物理学者の詩的人生案内』(佐治晴夫・著)

          『安倍晋三実録』(岩田明子・著)

           「2022年7月8日、凶弾に倒れた安倍晋三 元首相」  あれから1年、『回顧録』をはじめ、故 安倍元首相に関する図書(下部リンクあり)が出版されています。  故 安倍氏についての取材メモから綴られた『安倍晋三実録』(文藝春秋・刊)です。  著者は、元NHK解説委員で、長く“安倍晋三の番記者”でした。昨年、NHKを早期退職し、民放の番組にも登場するようになった方です。  Wikipedia によると、 と、岩田氏は、安倍家からも信頼されており、表も裏も“深くを知る人物”

          『安倍晋三実録』(岩田明子・著)

          『ひむろ飛脚』(山本一力・著)

           近くでも、遠くでも、「○○の連絡しよう…」と思ったら、電話やメールなど”すぐにできる”方法があります。  昔の“伝えたい”ことや時には、すぐ”にすることはできず、時間のかかる”ものでした。  そのなかにあって、江戸時代の「飛脚」は、手紙や金銭、小荷物などを遠くまで速く届けていました。物語や映画に登場する飛脚の正確さ、速さに感心します。  その飛脚が題名にある『ひむろ飛脚』(新潮社・刊)です。  そして、飛脚が運ぶのが“ひむろ”です。これは「氷室」のことのようで、飛脚が氷を

          『ひむろ飛脚』(山本一力・著)

          『隠居おてだま』(西條奈加・著)

           表紙に、好々爺とみえる座した老人(隠居)と楽しそうに跳ねる子供、裏表紙に細工職人の夫婦が描かれた『隠居おてだま』(角川書店・刊)が気になって手に取りました。  著者の作品では、第164回直木三十五賞を受賞した『心淋し川』(集英社・刊)を読んで以来です。  出版社は、 と紹介しており、隠居は老舗糸問屋の元当主であり、隠居家に孫と友達が集って、賑やかな隠居生活です。  しかし、その隠居生活に…。  元当主の“商才”を活かすときが…。  老舗糸問屋 嶋屋の面々が…。  大内

          『隠居おてだま』(西條奈加・著)

          『鈍色幻視行』(恩田陸・著)

           また、恩田氏の本を“久しぶりに読みたく”なって、この春に出た『鈍色幻視行』(集英社・刊)を手にしました。  手にしたのはよいのですが、鈍色は遣ったり耳にすることのない色(言葉)で、すぐには題名が読めません。著者名の近くに「Nibiiro Genshikou」とあり読めました。  “灰色の暗い世界の妖しいもの”の話のようで、読むのを躊躇します。さらに、653ページもある厚い本で、読み切るには時間がかかりそうです。  小説家の蕗谷梢、その夫で弁護士の蕗谷雅春が、一つの小説『夜

          『鈍色幻視行』(恩田陸・著)

          『27000冊ガーデン』(大崎梢・著)

           つくで交流館の図書館の書架にあった『27000冊ガーデン』(双葉社・刊)です。  ここの選書に多い“本”や“読書”、“図書館”のキーワード(内容?)が詰まった一冊でした。  表紙は、庭(ガーデン)に書架があり、芝生に本が並び、木陰で本を読む若者、本を抱える司書が描かれています。ここで本を読んで過ごしたら、ゆったりできそうです。  ゆったりした表紙の感じとは違い、学校司書のもとに持ち込まれた「謎」を解くお話でした。  謎を紐解きながら、そこに“かかわりのある図書(名)”

          『27000冊ガーデン』(大崎梢・著)

          『「若者の読書離れ」というウソ』(飯田一史・著)

           図書館の書架に『「若者の読書離れ」というウソ』(平凡社新書1030)があり、手にしました。  マスコミが「読書離れ」を取り上げているのを耳にすると、「そんなことはない」と思うことがしばしばありました。  書名の「ウソ」や内容紹介にある「なぜ」への答えを期待して読んでいくと、すっきりしませんでした。  それは、裏付けとする゛各種データ”が、次々に登場し、その正体を探ったり、読み取りを確かめたりして、混乱してしまったようです。  副題の「中高生はどのくらい、どんな本を読ん

          『「若者の読書離れ」というウソ』(飯田一史・著)

          『コメンテーター』(奥田英朗・著)

           以前、この「トンデモ精神科医 伊良部一郎」が活躍(?)する話を楽しみました。書架に並ぶ『コメンテーター』(文藝春秋・刊)を迷わず手にしました。  シリーズ第4弾ですが、前作から17年ぶりとなるようです。  伊良部総合病院は、大学病院並みの大きさで、エントランスとロビーは一流ホテルと見紛うほどの豪華さです。  ところが、地下一階の精神科は、一転して薄暗く、消毒薬の臭いがします。部屋のドアをノックすると、 ここから、伊良部医師が組んだ゛治療プログラム”が始まります。  その

          『コメンテーター』(奥田英朗・著)

          『コロナ漂流録』(海堂尊・著)

           新型コロナ禍に、海堂尊氏の『コロナ狂騒録』、『コロナ黙示録』を読み、そこに描かれる社会・政治の姿を“今”と重ねました。  そして3作目となる『コロナ漂流録』(宝島社・刊)です。  新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが“5類感染症”となったことで、このシリーズも完結でしょうか。  本書も、東城大学医学部の田口公平氏を中心に、これまでと同じ顔ぶれで、2022年6月から2023年1月までの出来事に合わせ、桜宮市、東京、浪速で活躍しています。  その中に、第1部のタイト

          『コロナ漂流録』(海堂尊・著)

          『月と散文』(又吉直樹・著)

           芸人そして芥川賞作家の又吉直樹氏の最新随想集『月と散文』(KADOKAWA・刊)です。  本書で知ったのですが、オフィシャルコミュニティ『ピース又吉 「月と散文」』で、作品を発表されていました。2021年8月から2023年1月にかけて掲載された文章を加筆修正して単行本化されたものです。  出版社の紹介では、 とありました。  コミュニティの発表は知りませんでしたが、いろいろな媒体で取り上げられていたり、作家・又吉氏の文章に触れる機会があったので、゛10年ぶりのエッセイ集

          『月と散文』(又吉直樹・著)