「東京の空の下 ~当節猫又余話~」第三章 後編
「これ、どうするの?」
秀が鬼の腕を指して訊ねた。
「鬼は死んだ訳じゃないんだろ?」
「一時的に姿を隠しただけよ。後で取りに来るわ」
「じゃあ、今度こそ倒さないと。繊月丸、手伝ってくれるか」
高樹がそう言うと繊月丸は黙って頷いた。
「今夜、大森か内藤の家に泊まってることにしていいか? 遅くまで帰らないと母さんが心配するから」
「なら秀の家にしてくれ。俺も秀の家に泊まるってことにして付き合うよ」
「じゃあ、僕はアリバイ工作するね」
秀が言った。
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