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食事の評判がすこぶる良い宿に泊まった際に、少しだけ悲しかったこと

先日、食事の評判がすこぶる良い宿に宿泊した。

温泉宿を選ぶとき、基本的には「風呂」と「食事」が良い宿を選びたいと思っているが、両方が最高にすばらしくて、なおかつ1人で泊まれる宿、というのはそんなに多くない。
そしてこの宿は食事の評判は非常に高く、お湯も悪くはなさそう、1人で泊まれるのは平日のみという宿だった。
これがもし、お湯も料理もすごく良さそうなら休みを取ってでも泊まりに行きたいと思うし、土曜日に1人で泊まれるなら「とりあえず泊まってみるか」となる。だけど「お湯はそこまでではなさそうだが食事はすごく良さそう」となると、休みを取っても泊まりたい!とまではモチベーションが上がらず、数年前から気になっていたけれどなかなか予約できずにいた宿だった。

ただ、この宿は「山菜料理」の評判が大変良いので「泊まるなら4月~6月だ」と思っていた。それで先日、ようやく宿泊の機会を得たのである。

チェックインから客室への案内などスタッフの対応も良く、建物や館内の雰囲気も思った以上に素敵。どんなもんだろうと思っていたお湯のほうも悪くはない。大浴場はかけ流しと循環併用だったが、空いているときに貸切利用できる貸切風呂ではけっこうな量がかけ流されている。湯は良いけど狭くて眺望がない貸切風呂よりも、雰囲気の良い大浴場のほうがその日の宿泊客には人気だったようで、いつ見ても貸切風呂は空いていたのもありがたかった。滞在中は暇さえあれば貸切風呂にばかり入っていた。

さて、夕食である。
食事は掘りごたつのテーブルが並ぶ食事処で一斉にスタートする。衝立や仕切りのようなものはないが、1つ1つのテーブルが6人ぐらい掛けられそうな広さで、ゆったりと食べれそうなのは良い。

しかし、この宿の最大の売りであるはずの夕食の最中に、しょんぼりしたり、どうして……と思うことがいくつかあった。宿のせいではないこともあるし、旅行サイトへの口コミやブログなどに書くつもりはないが、ここにだけそっと吐き出したいと思う。

まず席に着いて「そうかこの宿はお品書きはないんだな」と気がついた。
お品書き、あったほうがうれしいけれどこれ自体は別に悲しむようなことではない。ただ、実はこのことが後の悲しみにつながってくるのだけれど……食事が始まった時点ではそんなことは思いもしなかった。

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