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対立構造を作り出す!

こんにちは「つけらっとゲームス」プログラム担当のとちです。
今回は「対立構造を生み出す!」という一見不穏なお話をしたいと思います。本来であれば生み出していいモノではありません!

この記事に登場するのは、あくまで「ゲームで使用する」対立構造なので、そこはご安心ください。

対立構造を作ることでRPG等のストーリー性のあるゲームに深みが生まれます。敵がいないと勇者も何をしたらいいのかわかりませんよね。

以前の記事「ゲームのお話はどうつくってる?」に関連する内容かもしれません。ご興味がございましたら以下もご覧ください!



深く考えない対立構造

善と悪、秩序と混沌が設定されている対立構造であれば、プレイヤーも深く考えずにゲームに没頭できそうです。

一般的な生活をしている人間にとって、魔王や邪神という存在は人類の生存を脅かす恐ろしい「絶対悪」です。人々の生命を脅かすRPGの魔王だったら各地の英雄たちが協力して倒すべき相手ですからね…

しかし、その魔王の暴挙に何らかの理由があったらどうでしょう?

理由ある悪者

不自由なく生きていける知的生命体の数に限りがある設定の世界だとしましょう。人は知的生命体です。魔族も知的生命体です。

魔族のトップに君臨する魔王は魔族のために、他の知的生命体である人を減らさないといけません。

逆に人を率いる王様は人々が生きていく為に勇者を探し出し、魔王討伐を依頼するでしょう。

プレイヤーであるわたしたちは人なので、人を減らす魔族は敵ですし、それを指揮する魔王は「悪」です。
しかし魔王も魔族の為に頑張っているんです。自分たちが魔族だったら…

絶対悪ではないと知ったら?

主人公である勇者は魔王討伐の旅の中で「魔族と人の間に生まれた子」と遭遇します。

勇者は人のために魔王を倒し、魔王は魔族のために人を倒す。
じゃぁ、魔族と人の間に生まれた子はどちらとして扱われるのでしょう?

そういった存在が複数いたらどうでしょう?
勇者が旅の途中に訪れた集落では人と魔物のハーフやクォーターが怯えながら暮らしています。勇者はどのような行動をするのでしょう?


立場は同じだけど対立構造

主人公は「カミサマ・妖怪・鬼」と呼ばれる存在です。
実は平安時代末期に山奥で生まれ、その地域の人々には山の神様として祭られています。信仰を集めることで妖術を使えるようになりました。
たまに困っている人間を助けることで信仰が厚くなり長い時間を生き延びてきました。

さて、時は流れて現在、
自分を信仰する地域は現代人の開発の波に飲み込まれ、自分を祭っている社も廃れていますが、たまーに自分が登場する怪談や都市伝説が話題になることで自分の力を維持しています。

この世界では、その「存在を信じて貰う」ことで力を得られるのです。

主人公は人間社会に紛れ込んで生活しています。
「変化の術」で人間の姿になり会社に勤めて生きているんです。

本気を出すと人間を吹っ飛ばす強い力を持っていますが、そんな力を隠しているんです。

そういう時間を過ごしていると主人公の妖怪は昔以上に人間に親近感を覚えるようになっていきました。

しかし、自分を祭っている社を壊されて怒っている「カミサマ・妖怪・鬼」も存在しています。むやみな開発によって自分が生まれた故郷を追い出されたら怒る気持ちもわかりますよね。

こういった怒っている存在が人間に悪さをします。
これまた怪談や都市伝説になりますよね。

人間に親近感を抱いている妖怪と、人間に怒りを覚える妖怪がいると争いが起こりそうです。

お世話になってる近所のお弁当屋のおばさんが困っているのを知った主人公は、おばさんが何に困っているかを知ってしまいます。妖怪が悪さしているんです。これは同族といえども放置できませんね…

故郷を追い出された妖怪という立場は同じですが、守るべきモノのために主人公は同族である妖怪と対立します。これはこれで面白そうですね。

※という設定のTRPGを仲間内で作って遊んでみました。
現時点では「妖魔夜行」に近すぎるので、もう少し考えないといけない段階です。なんらかの形で発表できるといいなぁ…


目的は同じだけど対立構造

宇宙船で惑星間を移動している100人のグループがありました。
しかし旅の途中、酸素を生成する機械が壊れてしまいます。

次の惑星まで100日かかります。
残りの酸素量から計算すると100人で90日程度、90人であれば100日です。

解決する方法はいくつかあります。

A案:何らかの方法で10人減らす…
B案:安全とはいえないが宇宙船の移動速度を限界以上に設定する…

最高の結末は全員生存、無事惑星に到着することです。
当然ですが宇宙船に乗っている100人がそれを望んでいます。
しかし、そうも言ってられない状況になりました。

こうなると、どこかで「最高」を諦めないといけません。
何も対策をしなければ結局は全滅です。

A案であれば90人は無事に生き延びるでしょう。
B案は下手すれば全滅、上手く行けば全員生存です。

プレイヤーが宇宙船の船長だったらどう判断するでしょうか?
プレイヤーが宇宙船のクルーだったらどう判断するでしょうか?

こうなるとA案またはB案を支持する派閥に別れて争いが始まりそうです。
A案は道徳的に飲み込めない。B案だと全滅の可能性がある。

100人全員が同じ最高の結末を望んでいるが難しそうである以上どこかで妥協しなければなりません。ではゲームスタートです…


おわりに

ぱっと考えてみるとこんな感じでしょうか?
他にも色々な対立構造が作れそうですね。

RPGのラスボスが純粋に悪い奴というゲームも爽快でいいのですが、なぜ悪いことをしているのかを考えるとキャラクターに色が出ますよね。

長くなったので今回はここまで、
また別の記事でお会いできるのを楽しみにしております!

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