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カードゲームを作ってみた!

こんにちは「つけらっとゲームス」プログラム担当のとちです。

情報系学科のある専門学校で外部講師としてシステム設計を担当しているわたし、いまだに先生と呼ばれるのが苦手です。

まぁ、それは置いといて……わたしが担当している時間では、様々な内容の授業をしていますが前年度の末に、それまでとはちょっと違う雰囲気の課題を出しました。

「アナログゲームを作ってみよう!」という課題です。

え、勉強と言いながらに遊んでるの!?
というお叱りの言葉が聞こえてきそうです。
ごめんなさい、でも、そうじゃないんです!

※専門学校で出した課題に関連する記事としては、こういうのもありますのでご興味がございましたらご覧ください(↓)

今回は友達と遊ぶカードゲームを作ってみようかなーと思っている方に向けての記事になっているかなぁ?

結構長い記事になってしまったので「カードゲーム作ってみた」部分だけを読みたい方は目次から「作品例を作る!」に飛んで読んでくださいね。



課題の目標

システム設計の時間に勉強する内容を幾つか並べると、

サーチやソートといった基本的なアルゴリズムの考え方や、それに伴うフローチャートの書き方。システム設計書の書き方等々があります。

これらの勉強に出てくる問題はわたしが考えたモノになってしまいます。
システム設計書を書くわけですから「こういうシステムを作りたい」という設定を考えるんです。

〇〇というアプリを作りたい。△△というシステムを作りたい。

でも、これらの仕様も学生に考えて貰いたいなーと思いました。
お客様、または開発チームの上司や先輩から、こういうシステムが欲しいと言われて設計書を考えるだけじゃなく「自分でシステムの仕様を考える」という狙いがあったんです。

時間的余裕や来年度も引き続き担当するのであれば、コンピュータゲームの仕様、設計、開発を実習させればいいのですが、わたしが担当するのはあくまで1年生、そこでコーディング等の時間不要なアナログゲームを作る時間を設けたのです。


課題の結果

この課題に関してはグループを組んでもいいし、1人で取り組んでも良いとしました。

年度最後の時間に、作った(考えた)ゲームのプレゼンテーションをして貰い人気投票をします。自チームには投票できないが、必ずどこかのチームに1票入れるルールとしました。

つまり自チームメンバーの人数が多いと、自チームに投票できる人数が減るので、場合によっては1人で作った方が有利だったりします……

結果は1人で作ったゲームが上位を占めるという劇的な結末を迎えます!
自画自賛するわけではありませんが、すこし感動的な時間だったなぁ~
(投票結果はちゃんと成績に加点評価しました!)


作品例を作る!

この課題、学生たちもどんなテンションで取り組めばよいのか、恐らく課題を出された瞬間は判断がつかなかったと思います。というわけで、解答例といいますか作品例を作ることにしました。

解答例は他の課題についても作っていますが、学生と一緒に課題に取り組み、提出締切日の前後に「わたしはこういう風に作ったよ!」という感じで見せています。

しかし、今回は取り組み方がわからないと先に進めないと思います。
そこで年度末(学生たちの締切)の1ヶ月以上前に完成させました。

前置きが長くなりましたが、
今回の記事ではこの「作品例」を作ったときのお話をしたいと思います。

※作品例ではネット上にある各種無料素材や販売されている素材を使用しております。


強欲トレジャーハント!!

まずは作品例のプレゼン用PDFを画像でお見せします!
発表の方向性も学生に伝えるために作った資料です。
(学生たちはパワーポイントを使用してより良いものを作ってくれました)

エリアカードは14枚で場にランダムで提示します。
探索者カードは8枚で参加するプレイヤーが好みのキャラを選びます。
それぞれの属性がエリアやキャラの個性を表現しています。

ゲーム内の親がエリアカードと、そのエリアにある宝物カードを場に提示します。宝物にはそれぞれ効果が設定されています。
しかし、使用すると宝物カードは壊れて無くなります。

宝物には価値が設定されており、ゲーム終了後に価値を合計し最も大きな数値になったプレイヤーが勝者となります。

実際に印刷会社にお願いすると高くなりそう、そこで考えたのがサイコロを使用し印刷するカードを少なくするという方法でした。

組み合わせることで価値が上がったり、使用した宝物カードを復活させたり、運によっては大逆転できたりと変わり種の宝物カードです。
こういったカードがあると戦略性が増しますよね?

「強欲トレジャーハント!!」お近くの玩具店でお求めください!
(いや、売ってないですよ、これは作品例ですよ!)


コンセプトを考える

作り始める前にある程度の方向性を定めておきます。
今回の作品例「強欲トレジャーハント!!」は以下のような方向性で作ろうと考えました。

  1. ファンタジー世界が舞台

  2. 金銀財宝・マジックアイテム・伝説の武具の争奪戦

  3. リソース管理しつつ他プレイヤーを陥れるゲーム

  4. プレイヤーの分身には個性を持たせたいなぁ…

前述のPDFにも同じようなことが書かれていますね。
更に実際にカード化する場合、どれくらいコストを要するかも考えています。もし印刷屋さんにお願いしたら……どうなるんでしょうね?
(製品化を目指すなら見積を貰いたいですねぇ)

結果、トランプと同じくらいの枚数なら試作品を手作りできるだろうと考えました(想像だけど印刷費も安くなるかも?)

当初は他プレイヤーと競い合う数値「探索値」を手札から選んで解決しようと考えていたのですが大変そう(早めに作品例として学生に見せたい…)

なのでサイコロを使用する方向性に切り替えました。

プレイヤーの分身は探索者カードを作って表現しました。
キャラクターによって得意な属性が異なるけど、なるべく不公平感をなくしたい。属性の値を合計すると同値になるように割り振りしています。

こういったデータ部分はスプレッドシートを使用しています。


作っちゃえ!

ここまで考えたら「もう作っちゃえ!」となるのがわたし。
工作用紙を購入。

20枚入りで1000円くらい。
1×1cmのマス目が40×30、たっぷり使える方眼紙です。

トランプのカードの大きさは58×89mmです。
最も多い「宝物カード」は少し大きめに切って6×9cmにしました。

カードそのものはA4のコピー用紙に印刷しました。
こちらも6×9cmに収まるように作ります。

各種100円ですし他のカードゲームでも使用するスリーブ類。
これまで作ったカードを入れると、こんな感じになります。

この試作品はカードの裏面を用意していないため、裏面の柄でカード種を判断できません。そのためカードの大きさをカード種で変えています。

さて、次の目標はテストプレイです。
プレイする為には説明書が必要となるでしょう。
こちらも作っていきます。とりあえず1~2ページ目だけお見せしますね。


テストプレイする

試作品ができたらテストプレイです。
今回は作品例として早めに学生たちに見せる目的だったため、
学生の中から希望者を集めてテストプレイをしました。

実際にテストしてみると少々問題点が出てきます。
やはりテストプレイは大事なんですね。

試作品の印刷データは弊サークルのイラストレーター「茶樫てる」にも送信しテストプレイして貰いました。

テストプレイ結果は文書でフィードバックを貰いまして…
やはり問題点が出てきましたので、なんらかの改良が必要となります。

ええ、テストプレイは大事なんですよ!


Ver.2.0

テストプレイの後は改良です。
授業では「強欲トレジャーハント!! Ver.1.0」までで年度末を迎えましたが、その後はわたしの中で納得できる作品にしようと思い「Ver.2.0」を作ることにしました。

得られたフィードバックから、

  1. リソース管理ゲームとしては薄い(宝物カードがもっと欲しい)

  2. サイコロによる判定があまり効果的ではない

  3. エリアカードの属性は不要ではないか?

  4. その他諸々

このあたりを改良しないといけません。

1.の問題点。
宝物カードを増やすのはそこまで問題ではありません。色々な効果を持つ宝物は追加パック的な試みができるように増やせる余地を持っていました。

2.の問題点は当初の構想にあった探索値も手札で判定する方式にすれば解決できそうです。

3.の問題点、エリアカードの属性というよりは属性が7種あるのが問題のようです。探索者カードの属性表示も目が滑るという声があったので、いっそのことエリアカードと探索者カードを廃止、属性も5種に減らしましょう。

これらの問題点を解決したことでバランスに変化が出るでしょう。
そのへんも多少調整が必要そうです。

というわけで、はい「Ver.2.0」のマニュアル!(1~2ページ)

宝物カードの使用タイミングが判断できないという問題もあったので、そのへんも対応。

カードサイズは1種類としてカードのラベル色で判断できるようにしました。さらにどの属性で争うのか「場」に出す属性チップでわかりやすくしました。


おわりに

「Ver.2.0」については、まだテストプレイしていません。
こちらは授業目的とは少々ずれてしまったので「つけらっとゲームス」内でテストしたいと思っています。

いかがでしたでしょうか?
少々手間ではありますがカードゲームを自分で作ってみるのも面白いと思いますよ。いまから作るとしたら夏休みにお友達と遊べるかも!

さて、アナログゲームを作るお話は以前も何度かしています。
もしご興味がございましたらご覧ください。
こちら(↓)はゲームブックを作るお話ですね~。

こちら(↓)は子どもの頃に作ったボードゲーム等のお話です!

では、また別の記事でお会いできるのを楽しみにしております!

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