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「軍部なるものが嫌がる人々を無理やり戦争に追いやった」というナラティブを打破しましょう

今日は終戦の日。なぜ我々は対米開戦を決断し負けたのか、正しく理解し失敗を繰り返さないことが大事。そのためには、「軍部なるものが嫌がる人々を無理やり戦争に追いやった」というナラティブを打破する必要があります。多くの人が対米開戦を希求し、真珠湾攻撃で快哉を叫んだ。これが事実。

なぜこんなことになってしまったのか?
その原因の中で一番大きなものが「経済失政」です。
詳しくはこちらをお読みください。

経済で読み解く日本史 大正・昭和時代
上念司 (著)
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対米開戦を決断した直接の理由は以下の2つの要素で説明可能。

①プロスペクト理論
②リスキーシフト

出典:
経済学者たちの日米開戦―秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く―(新潮選書) 牧野邦昭 (著)
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①プロスペクト理論
プランA、プランBどっちを選ぶ??

プランA 
確実に3000円損する

プランB
8割の確率で4000円損するが、2割の確率で損失がゼロになる

多くの人がプランBを選ぶが、実際には、、、

プランA 
-3000円×100%=-3000円

プランB 
-4000円×80%+0円×20%=-3200円

機会損失で考えればプランBはプランAよりも200円損する可能性が高い。だから合理的に考えればプランAを選択すべき。

では、この問題を以下のように読み替えてみてください。

プランA
アメリカの資金凍結・石油禁輸措置により二─三年後には確実に「ジリ貧」になり、戦わずして屈服する。

プランB
対米開戦すれば高い確率で日本の致命的な敗北(ドカ貧)を招く。しかし、非常に低い確率ではあるが一撃して講和できるかも、、、

プランB一択だと煽ったのが新聞、極右、コミンテルン。この時、ユダヤ陰謀論なども盛んに拡散されました。軍人もこの風潮に染まったのが過激なこと言って盛り上がっていたというのが実態。軍部に導かれたというより、経済失政という燃料に陰謀論で点火され炎上した感じ。

この状態になると②リスキーシフトが起こります。 一番過激なこと言った奴が勝ち。いわゆる「悲観マウント」ですね。対米交渉は可能だという人には「甘い!」とレッテル貼って潰す。スターリンにとっては最良の展開となったわけです。日本が北進したらソ連終わってましたから。 二度と騙されちゃだめだよ。

そのために正しくこの戦争を総括しましょう。 そのための最良の書はこちらです。 特に若い人に読んでほしいと思います。

決定版 大東亜戦争 (全2巻) 波多野澄雄 他
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