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政治講座ⅴ1773「核の威嚇でロシアを破滅へ誘導するプーチン」

歴史は繰り返される。
今のロシアを見ていると戦前の大日本帝国が支那事変で中国大陸へ侵攻した結果米国の経済制裁を受けた状況とロシアのウクライナ侵攻の結果ロシアに対する欧米列強による経済制裁に似ている。
大日本帝国は宣戦布告に近いハルノートにより挑発を受け、大日本帝国から米国へ止む、戦争は負けることが分っていた宣戦布告をした。あれから83年、第三次世界大戦を彷彿させる事態になりつつある。米国の西部劇風に言うなら、先に銃を抜いた者が悪者になる。米国は相手に先に銃を抜かせるように相手を挑発するのである。大日本帝国の指導者は米国の強かな計略を読めず、米国の挑発に乗り、真珠湾攻撃を開始してしまったのである。その点で言うと北朝鮮は米国に対して下手な手出しをしないで舌戦に終始するなどと強かである。このように歴史と外交戦術を俯瞰すると核兵器を先に使う程愚かではなかろう。核を使ったらロシアは必ず滅亡となる。二度と大国づらの出来ないように民族による国土分割統治されるのであろう。今回はそのような報道記事を紹介する。

     皇紀2684年5月11日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

プーチン大統領が「核」で欧米を威嚇 停戦交渉入り拒否のゼレンスキー政権、NATO側の対露強硬論にいら立ち

 7日に通算5期目の大統領就任式を迎えたロシアのプーチン大統領が、「核戦力」の誇示と欧米への威嚇を強めている
 「戦術核」を搭載可能なミサイル開発を加速させると牽制(けんせい)し、ウクライナ侵攻の拠点となるロシア南部軍管区で「戦術核」使用を想定した演習の準備を始めた

 露外務省は6日の声明で、ウクライナに供与されるF16戦闘機はすべて核兵器を搭載しているとみなすと警告
 米国が戦術核使用を想定した地上発射型の中・短距離ミサイル配備を欧州やアジア太平洋地域で進めていると主張し、ロシア側も同様の措置をとると改めて表明した。

北大西洋条約機構(NATO)側の侵略的な動きによって、核使用の条件と定める「主権と領土の一体性」の維持が危ぶまれる事態があり得るとも指摘した。

また、ロシア国防省は南部軍管区での演習について、空、海軍で編成するミサイル部隊が参加し、兵員や兵器の即応態勢を強化するとした。

これに対し、米国のカービー大統領補佐官は6日の記者会見で、「核大国の指導者として無謀で無責任だ」と非難した。

 フランスのマクロン大統領は2月、ウクライナへの地上部隊派遣を「排除しない」と発言
 ポーランドのドゥダ大統領は4月、NATOの枠内での「核共有」を受け入れる用意があるとし、自国への核兵器配備を米国と協議中だとしたほか、英国のキャメロン外相も今月、自国が供与した兵器の用途を判断するのは「ウクライナだ」と述べ、ロシア領内への反撃に理解を示した。

欧州地域には、戦略核兵器より射程の短い米国の戦術核がドイツ、ベルギー、オランダなど5カ国に配備されているとされる。NATO側は航空戦力でウクライナにF16の供与を表明しており、7月にも配備される可能性がある。

通算5期目に入るプーチン政権は、停戦交渉入りを拒否するウクライナのゼレンスキー政権にいら立ちを強め、NATO側で対露強硬論が相次いでいることに神経をとがらせている。「戦術核」の議論を持ち出すことで、欧米を威嚇するとともに、ロシア国内の結束を図る狙いもありそうだ。

赤の広場でプーチン大統領、核戦略部隊は「常に戦う準備ができている」…対独戦勝記念日で米欧を威嚇

読売新聞 によるストーリー

対独戦勝記念日に合わせ演説するプーチン大統領(9日)
=ロイター© 読売新聞

 ロシアのプーチン大統領は9日、モスクワ中心部「赤の広場」で、旧ソ連の対独戦勝記念日に合わせて行われた軍事パレードで演説した。プーチン氏は「誰であっても我々を脅かすことを許さない。我々の(核)戦略部隊は常に戦う準備ができている」と述べ、ウクライナ侵略を巡って対立する米欧を核で威嚇した。

 プーチン氏は「西側のエリートが地域紛争を引き起こしている」と述べ、ウクライナ侵略を米欧との「自衛の戦い」にすり替えて正当化する主張を改めて展開した。

 軍事パレードには、核兵器を複数搭載可能な多弾頭型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ヤルス」が登場し、戦闘機「Su(スホイ)30SM」も上空を飛行した。
露国防省によると、約9000人の兵士が行進した。昨年よりも約1000人増えたが、戦車はほとんど参加しないなどパレードの縮小傾向は続いた。

 一方、インターファクス通信によると、プーチン氏は9日、戦術核兵器を運用する露軍部隊の軍事演習に、ベラルーシが参加すると明らかにした。ウクライナとも隣接するベラルーシにはロシアの戦術核兵器数十発が実戦配備されているとみられている。

プーチン大統領の核戦力言及 上川外相 “極めて憂慮すべき”

2024年5月10日 19時09分

上川外務大臣

ロシアのプーチン大統領が核戦力に言及しウクライナや欧米側をけん制したことについて、上川外務大臣は、極めて憂慮すべきだとしてロシア側に核の威嚇や使用を行わないよう繰り返し伝えていく考えを示しました。

ロシアのプーチン大統領は、第2次世界大戦の戦勝記念日にあたる9日、モスクワで開かれた式典で演説し「われわれの戦略部隊はいつでも戦闘準備ができている」などとロシア軍の核戦力に言及してウクライナや欧米側をけん制しました。

これについて、上川外務大臣は記者会見で「ロシアがウクライナ侵略の文脈で、核兵器の使用を示唆するような発言を繰り返していることは極めて憂慮すべきだ」と述べました。

そのうえで「ロシアによる核の威嚇や使用はあってはならない。こうした日本の立場は、ロシア側に機会あるごとに伝えるとともに国際社会にも訴えていて、今後も続けていく」と述べました。

ウクライナ侵攻の後始末 “ロシア5分割解体”のシナリオ

夏までにプーチン大統領は辞任 中国が支配する「極東共和国」が誕生 北極圏では遊牧民が独立 イスラム勢力も勃興

2022年07月11日

筑波学院大・中村逸郎教授、ジャーナリスト・常岡浩介氏が明かす

2月24日の侵攻から約4ヵ月。ウクライナ東部ルガンスク州の完全制圧に向けて、ロシア軍の攻撃が激化している。

英国防省は6月15日、ロシア軍が同州の要衝セベロドネツクの大半を支配下に置いたとする分析を発表。東部制圧はもはや時間の問題との観測が強まっているが、ジャーナリストの常岡浩介氏は「ロシアの勝利は絶対にない」と断言する。

「東部戦線ではたしかにロシアが巻き返しているが、それは西側諸国によるウクライナへの武器支援などが滞っていることが大きな理由です。他方、ロシアも英国防省によると兵力の3分の1を失うという大ダメージを負っている。より深刻なのは経済的なダメージです。ロシア最大手の銀行『ズベルバンク』の最高経営責任者ゲルマン・グレフ氏は、6月17日、『経済が制裁前の水準に戻るには10年かかる』と発言しています。それくらいロシア経済の疲弊は深刻なのです」

アメリカやNATO諸国は、すでに戦争終結に向けて動き出しているが、ロシア国内も状況は同じだ。ロシア政治に詳しい筑波大学の中村逸郎名誉教授は「9月にロシア各地で行われる州知事選に向けて、プーチンは大統領を辞任し、政権交代する準備を進めている」と言う。

「膨大な戦費と厳しい経済制裁によって経済は破綻寸前で、体制への不満は最高潮に達しています。プーチンは大統領を辞任せざるを得ない状況なので、今後は院政を敷き、影響力だけは維持していくつもりです。そのため州知事選前の、遅くとも8月上旬までには辞任するでしょう。後任には36歳と若い大統領府局長のドミトリー・コヴァリョフを推している。しかし、プーチンの後釜を狙う者は多い。政権移譲に失敗すれば、全く別のシナリオが待っています。それは『ロシア5分割解体』です」

中村氏によると、5つの地域は次のようになるという。モスクワを中心とした現ロシアの勢力で構成される「ロシア正教圏」。中央アジアに隣接する「イスラム教圏」。モンゴルに隣接する「仏教圏」。極北地域にあり、多数の遊牧民が生活している「遊牧民国家」。北方領土を含む極東地域の「極東共和国」だ。

はたしてそんなことが本当に起こりうるのか。取材から見えてきたのは、戦争終結後の新たな世界の形だ。

「西側はロシアを分割して統治しようとしている」。プーチン大統領の心の声か:なぜウクライナに侵略したか

2022/12/26(月) 7:55
今井佐緒里
欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者、作家
西側は、歴史的なロシアを分割しようとしている」。
12月25日(日)にロシア公共放送で、プーチン大統領のインタビューの短い抜粋が放送された。
分割して統治する。彼らは常にそうしようとしてきましたし、今もそうしようとしています。しかし、私たちの目標はまったく異なります。ロシア国民を団結させることです」と言った。ロシア軍はウクライナで「正しい方向で行動している」のであり、 「我々は国益と我々の市民、我々の人民の利益を守ります」とも述べた。
「分割して統治せよ」とは、古代ローマ帝国による、支配地域の統治術をさしたものとも、フランス国王ルイ 11世による言葉に由来するとも言われる。列強による植民地支配も、この術策を用いたとされる。
つまりプーチン大統領は、西側は、ロシアの内部で互いに民族等が対立するように策を弄し、自分たちがロシアを支配しやすいようにしていると言いたいのだろう。もちろん、ウクライナを始めとする旧ソ連の国々も「ロシア」に含むに違いない。欧州連合(EU)を通して欧州をみつめてきた筆者には、この言葉は、胸に迫るものがあった。これはプーチン大統領の心の声なのではないだろうか。
プーチン大統領は、なぜウクライナ戦争を始めたのか。これは開戦時から10か月間、ずっと繰り返されてきた問いであった。
「もういい、欧州の一員になれないのなら、もう勝手にやる」という、老齢のプーチン大統領の挫折と決意のように、筆者には思えてならない。
冷戦が終了して、どのような欧州を構築するかーーこれは欧州大陸の大問題だった。今に至るまで解決しておらず、とうとう戦争になってしまった。
ロシアがEUに加盟を望んだことは一度もない。ロシアは、欧州(当時は西側)と対等な立場で、新しい欧州を構築するプレーヤーになることを望んできた。
しかし実際に起こったことは、ロシアは欧州基準で見れば、どうしようもない「後進国」であり、欧州である資格に足りない、永遠に足りないという立場になってしまった。これは、かつて世界を二分したソ連を支配したロシア人のプライドを、大きく傷つけただろう。
このことは、EUの拡大とリンクしている。東欧諸国が、バルト三国が、次々とEUに加盟していった
そしてウクライナである。ウクライナの市民は、EUへの加盟を望んで、ロシアのくびきから離れようとしたのだ。ウクライナ市民にとっては、NATOは関係ない。

その前には、グルジア(現ジョージア)問題があった。
2009年、チェコの首都プラハで、東方パートナーシップ政策は始まった。連合協定という形で、EUはどんどん旧ソ連の国々と、結びつきを強めていった。遠い将来には、EUに加盟することを想定して。
冷戦時代、「プラハの春」という自由を求める運動が1968年に起こったしかしソ連の戦車につぶされた。それから41年が経っていた。プラハの春は、その前の1956年のハンガリー動乱と異なり、共産主義政権に抗議し、打倒して民主化を果たすといったものではなかった。「人間の顔をした社会主義(共産主義)」を求めるものだった。それでも潰された
そんな歴史が刻まれたチェコが初めてEUの議長国になったときに進めたのは、東の国々に同じ欧州の仲間となるべく、民主化を促す政策だったのだ。これがチェコの「くにのかたち」なのだろう。ただしEU側はロシアに対し、これはロシアを脅かすものではなく、共に豊かになり発展していくものであると説明していた。一方、ロシア側では、今までの外交が通用しなくなっていた。
それまでロシア側の政治家と外交官の頭の中は、欧州は国民国家の集合体だった。つまり大国であるドイツ、フランス、イギリスなどの各国と交渉すれば、外交ができて欧州に影響力を駆使できると思っていた。何世紀にもわたって行われてきた、伝統的な外交術である。
この方法が、だんだん通用しなくなっていったEUが政治統合を着実に深めていったからである。各国がバラバラにロシアと対応して行動するのではなく、EUとして行動することが増えていった。
ヨーロッパの側も、甘かった。プーチン政権がクリミアを併合し、ドンバス地方に侵略してもなお、EUと旧ソ連国の経済的な結びつきは、ロシアにも利益をもたらすはずだと論じている識者たちが欧州にいた。

なんという楽観論、なんという甘さだったのだろうか。プーチン政権側では「自国の利益を守る」と決断しての行動だったのに。
それでもまだ、プーチン大統領は、話のわかる人間のフリをしていた。交渉で平和をもたらすフリをしていた。
甘々のヨーロッパ側は、ドンバス地域ではロシアが背後で内戦を仕掛けていることを知っていながら、ロシアが主張する「分離独立派に、我々はどう対応するべきか」という姿勢を信じたフリをして、和平交渉に臨んでいた。
ヨーロッパ側は、牙をオブラートに包みながら、それでも一応ヨーロッパ人らしく表面上はふるまうプーチン大統領と、どのように欧州大陸をロシアと共に築くべきなのか、わからなかったのだろう。(この問いに答えようとして、マクロン大統領が提唱したのが「欧州政治共同体」である。話がそれるので、別の稿に譲るとする)。

今回のプーチン大統領の、ロシアは「分割して統治」されようとしているという発言。EUの拡大は、結果的にプーチン大統領にそのような感情をもたらしたのかと、胸に訴えてくるものがあった。
ヨーロッパ側に存在するほとんどの旧ソ連国で、特に若者は、西側にあこがれ、民主主義国家のほうを向いている。そして自分たちの国は遅れていると思っている。彼らの「反乱」は、プーチン大統領にとって、ロシアから手足がもぎとられていくように感じたのだろう。
しかし、民主主義化は、歴史の必然である。この政治体制が、ロシアや中国といった領土が広大で、複数の民族を抱える国でどのように機能できるのかという問題はあるものの、西側にあこがれ、民主主義体制を望んでいるのは、人々である、市民である。国は変わらないわけにはいかないのだ。
どのくらい未来のことかはわからないが、ロシアも同様である。プーチン大統領は、ロシアがそのままではいられないのが、耐えられなかったのだろう。それは、プーチン大統領が若くないからだ。国の大変革には、若い指導者が必要だ
ナポレオンがフランス革命の救世主として第一統領となって権力を握ったとき、彼は30歳だった。プーチンは今、70歳である。それでもプーチン大統領は、ウクライナがEUに加盟しようとするのを「構わない」と、意に介さないフリをしてみせた。 このことは、プーチン大統領が欧州をあきらめきれない表れだと思う。おそらくプーチン氏自身は、ユーラシア主義に完全には染まっていない。ロシアは歴史的に、欧州の国なのだ。
 それに、ユーラシア主義に回帰しようとしまいと、ロシアの西側が欧州と接している地理は変わりようがない。ロシアの国益のために、EUの国々とのつながりを絶つわけにはいかない。EUは欧州大陸をどうするか、話し合わなくてはならない相手なのだ。
 だから、やり玉にあがるのは、遠いアメリカでありNATOである。実際に、軍事となれば、脅威となるのはアメリカ=NATOなのだ。
 そしてこのことは客観的には、EUという存在が、いかに理解が難しいかを物語っている。
 EUは、軍事的統合の方向性は、存在することはするが、まだまだ薄い。ロシアによるクリミア併合とドンバス侵略がこの方向性を深めていったが、欧州の軍事はアメリカを中心としたNATOである。
EUは圧倒的に経済統合の組織としてみられているし、実際にそうである。
 冷戦崩壊後、どんどん政治的な統合を深めていったEUという歴史的に新しい挑戦と存在を、ロシア政府もロシア人もほとんど理解できていないのだろう(おそらく日本人も同様だ)。
 そんな状況で、プーチン政権は、ウクライナ戦争で、もっと欧州を揺さぶれると考えていたのではないかと、筆者は疑っている。特にエネルギーを使って、ブルガリアやハンガリーを始めとする主に東欧諸国に、ロシアのほうこそが、EUを分断して揺さぶりをかけ、支配とまではいかないが、影響力を及ぼそうとしていた。しかし、ほとんど成功していない。ここまでEUが一枚岩となっていることに、プーチン政権は驚いているのではないか。この戦争で、プーチン政権には二つの大きな誤算があったと思う。
一つはウクライナの首都キーウとドンバス地方を、初期の段階で素早く占領できると思い込んでいた誤算、そしてもう一つの大きな誤算が、EUの結束なのに違いない。
 このことがますますプーチン大統領とロシアが孤立感を深めている主な原因の一つなのではないかと考えている。
 それでも、なぜ2022年2月にプーチン大統領が戦争を始めたのかは、正確なところはわからないのだ。
大国ドイツのメルケル首相が引退し、プーチン氏にとって、かつての時代を分かち合う指導者は、EU加盟国のリーダーに一人もいなくなった。みんな自分より若い新顔だ。

冷戦終了から、約30年が経った。冷戦時代に分けられた欧州の東西が融合する時代は、EUへの統合で終わったのだ。今問題になっているウクライナは、旧ソ連である。

東西分断の時代を知るがゆえに外交に有利だという時代も、終わろうとしている。
なぜ、あれほど何十年にもわたってヨーロッパ人であろうとし続けたプーチン大統領が、少なくともヨーロッパ人であるフリをし続けたウラジーミルが、なぜこの2022年2月に、「もういい」と言わんばかりに、すべてをかなぐり捨てたかのように、戦争を始めたのか。おそらく、数十年後にならないと、わからないのだろう。ただ一つ言えることは、ウクライナ戦争は、パックス・アメリカーナの時代における、欧州のものがたりであるということだ。
今井佐緒里
欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者、作家 フランス・パリ在住。追求するテーマは異文明の出会い、平等と自由。EU、国際社会や地政学、文化、各国社会等をテーマに執筆。ソルボンヌ(Paris 3)大学院国際関係・欧州研究学院修士号取得。日本EU学会、日仏政治学会会員。駐日EU代表部公式ウェブマガジン「EU MAG」執筆。前大使のインタビュー記事も担当(〜18年)。編著「ニッポンの評判 世界17カ国レポート」新潮社、欧州の章編著「世界で広がる脱原発」宝島社、他。Association de Presse France-Japon会員。仏の某省関連で働く。出版社の編集者出身。 早大卒。ご連絡 saorit2010あっとhotmail.fr

多くの専門家が10年以内にロシアは崩壊すると予測…中国の台湾侵攻も確実視

2022年11月 17日、モスクワで産業開発基金のロマン・ペトルツァ理事長と会談するロシアのウラジーミル・プーチン大統領。

Sputnik/Gavriil Grigorov/Pool via Reuters

  • ロシアは2033年までに破綻国家になるか、崩壊する可能性があると多くの外交政策の専門家が考えていることがアトランティック・ カウンシルの調査で明らかになった。

  • ロシア経済は、欧米のウクライナ戦争による石油輸出規制などの制裁で大きな打撃を受けている。

  • 今回の調査では、ほとんどの専門家が中国は10年以内に台湾に侵攻すると予測している。

アメリカのシンクタンク、アトランティック・カウンシル(Atlantic Council)が行った最新の調査によると、ロシアは欧米の制裁措置の長期的な影響により経済が低迷し、2033年までに破綻国家となるか、あるいは崩壊する危険性があるという。

この調査は、167人の専門家に10年後の世界はどうなっているかについて意見を求めたものだ。回答者の46%が2033年までにロシアが分裂すると予想し、21%はロシアが破滅的な国家になる可能性が最も高いと見ている。

「最も驚くべき結果のひとつは、今後10年間にロシアが崩壊する可能性があると指摘した回答者が多かったことだ。これはロシア政府のウクライナ侵攻が、地球上で最大の核兵器保有国に極めて大きな混乱をもたらす可能性があることを示唆している」とアトランティック・カウンシルは述べている。

さらに回答者の40%は、「革命、内戦、政治的崩壊」によって、ロシアは2033年までに内部分裂すると予想している。

地球上で最も力のある国 トップ25[2022年版]

ウクライナ侵攻後、欧米の制裁を受けてロシア経済は崩壊しつつある。侵攻開始から8カ月後の2022年11月には景気後退に陥った。

ロシアの中央銀行は、EUが発表したロシアの石油禁止とその原油の価格上限を、今後数カ月の間に経済活動を停止させかねない「新たな経済的ショック」だとして警告した。2022年末に課されたこの制裁はロシア経済への圧迫を目的している。

専門家はInsiderに、モスクワが西側諸国から孤立することで、ロシア経済が災難に見舞われる可能性があると述べている。ロシアは「友好国」と連携することで制裁の影響を軽減しようとしているが、専門家によるとそれは「長期停滞の元凶」だという。

一方、北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がウクライナへの戦争を開始する決定を下したことで、ロシアは「数十年前よりも貧しく、孤立している」フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)の論説で述べている。

アトランティック・カウンシルによると、その他の悲観的な地政学的展開も時間の経過とともに起こると予想されている。その中には今後10年以内に中国が台湾に軍事侵攻する可能性も含まれている。

参考文献・参考資料

プーチン大統領が「核」で欧米を威嚇 停戦交渉入り拒否のゼレンスキー政権、NATO側の対露強硬論にいら立ち (msn.com)

赤の広場でプーチン大統領、核戦略部隊は「常に戦う準備ができている」…対独戦勝記念日で米欧を威嚇 (msn.com)

プーチン大統領の核戦力言及 上川外相 “極めて憂慮すべき” | NHK | プーチン大統領

ウクライナ侵攻の後始末 “ロシア5分割解体”のシナリオ | FRIDAYデジタル (kodansha.co.jp)

「西側はロシアを分割して統治しようとしている」。プーチン大統領の心の声か:なぜウクライナに侵略したか(今井佐緒里) - エキスパート - Yahoo!ニュース

多くの専門家が10年以内にロシアは崩壊すると予測…中国の台湾侵攻も確実視 | Business Insider Japan

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