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政治講座ⅴ967「スパイ容疑で拘束。政治的報復か。国益より党益優先。人民より党が大事。それが中国の本質」

国家安全局とは、国家の安全保障に関する情報や活動を行う機関である。国家安全局は、国によって名称や機能が異なりますが、一般的にはスパイやテロなどの脅威から国家を守るために、情報収集や分析、対策などを行う。アステラス製薬の社員から情報を引き出すための中国共産党内部の権力闘争の情報収集ではないかという情報通の話もある。今回は単純なスパイ容疑ではないとも言われている。

     皇紀2683年3月28日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国の邦人拘束、日系企業に衝撃 広がる慎重論、投資の機運そぐ

共同通信社 によるストーリー • 昨日 18:13

 【北京共同】中国北京市のアステラス製薬の現地法人幹部が拘束された事件は、中国に進出する日系企業に衝撃を与えた。中国外務省は27日、男性はスパイ容疑としたが具体的な容疑事実を明らかにせず、日本人社会に不安が拡大。中国ビジネスは「リスクが大きい」と慎重論が広がり、対中投資の機運はそがれている。在中国日本大使館は男性の早期解放に全力を挙げている。

中国日本商会の幹部らに日本政府の対応を説明する会合が開かれた北京の日本大使館=26日(共同)© KYODONEWS

 「どのような行為が罪に問われるのか不透明だ」「何に気を付けていいか分からない」。中国の日系企業関係者からは戸惑いの声が上がる。

 中国ではスパイ行為など「国家安全」に関する事案は容疑内容を明らかにしないのが通例だ。公判も秘密法廷で、判決確定後でさえ、罪に問われた行為の詳細が公になることはほぼない。

 男性は北京の日系企業で組織する「中国日本商会」の幹部を務めたこともあるベテラン駐在員。在中国日本大使館は26日夜、商会の幹部十数人に日本政府の対応を説明する会合を開いた。出席者によると、垂秀夫大使は「早期解放に向けて全力を尽くしている」と話したという。

北京で拘束の日本人男性、中国外務省は「反スパイ法違反の疑い」…具体的な容疑明かさず

読売新聞 によるストーリー • 昨日 21:56

 【北京=比嘉清太】中国外務省の毛寧(マオニン)副報道局長は27日の定例記者会見で、中国当局が拘束した50歳代の日本人男性について、「反スパイ法に違反した疑いがある」と発表した。男性はアステラス製薬の社員で、日本政府は早期解放を中国側に求めている。


松野官房長官© 読売新聞

 毛氏は、「日本人の類似案件が度々起きている。日本側は国民への教育を強化すべきだ」と主張したが、具体的な容疑などは明かさなかった。中国の反スパイ法は2014年に施行され、これまでも度々、日本人に適用されてきた。

 関係者によると、男性は中国駐在が長く、今月、帰国しようとした直前に北京市の国家安全局に拘束された。日中関係筋は「中国に赴任したい人がいなくなることが懸念される。日中経済関係に極めて深刻な影響を与えうる事案だ」と話した。

 松野官房長官は27日の記者会見で、「男性の早期解放を強く求めている。できる限りの支援を行っている」と述べた。

「私はスパイじゃない」中国で懲役6年の男性語る“監視居住”

「おまえはスパイだ」

中国で突然、スパイ容疑で拘束され、6年間収監された日本人の男性がいます。
太陽の光も届かない“監視居住”での拘束。体重は30キロ近く減っていました。

人生をかけて日中両国の友好を願ってきただけなのに。

いったい何が起きたのか。「刑期」を終えて帰国した男性が語ってくれました。

(国際部 関谷智)

何が起きたのか知ってほしい

「一番つらかったのは、拘束された最初の7か月ほどでした。カーテンが締め切られた部屋で、太陽を見ることができたのは、特別に許可をもらった15分だけ。太陽を見た時、涙が出ました」

こう話すのは、2016年に中国の首都、北京で拘束された鈴木英司(65)さんです。
鈴木さんは、「スパイ行為をした」として、中国当局におよそ6年間拘束されました。

2022年10月、日本に帰国した鈴木さんに、だめもとで取材を申し込みました。
中国で拘束された日本人はこれまでもいますが、多くが口を閉ざしているからです。

しかし、意外にも、インタビューを受けますという返事が返ってきました。

「何が起きたのか知ってほしい」

取材当日、そう語った鈴木さん。中国で起きたことを話し始めました。

空港で突然、男たちが…

2016年7月15日、鈴木さんはシンポジウムの打ち合わせのために北京を訪れていました。
夏の強い日ざしが照りつける、暑い日でした。

友人とレストランで昼食を終えた鈴木さんは、日本に帰国するためタクシーで北京首都国際空港に向かいました。

タクシー降り場に着くと、大きなグレーのバンが停車していて、その周囲に体格のいい男が5、6人いるのが目に入りました。

荷物を持って空港の入り口に歩き始めた時、男の1人が「おまえは鈴木か?」と問いかけてきました。

鈴木さんが「そうだ」と答えたとたん、一斉に飛びかかってきた男たち。あっという間に、白いバンの中に引き倒され、最後列の一番奥の席に押し込まれたといいます。

「おまえたちは誰だ!」

必死で叫ぶ鈴木さんに、男の1人が「北京市国家安全局だ」と短く答えました。男たちは中国国内のスパイを取り締まる機関の職員でした。

その後、携帯電話や腕時計、ズボンのベルトを奪われ、目隠しまでされました。

どこを走っているかもわからないまま、1時間ほどたったかと思われるころ、車から降ろされました。

方角をわからなくするためか、何度も体をぐるぐると回転させられながら歩き、ある部屋に入れられました。

その後7か月近く続く、取り調べと監視生活の始まりでした。

北朝鮮の話がスパイ活動!?

なぜ突然、拘束されたのか。

取り調べやその後の裁判が進むにつれて、どんな「容疑」がかけられているのかわかってきました。

つきあいのあった中国政府の関係者と会食をした際の会話が問題となっているというのです。男たちは、鈴木さんがどんな会話をしたのか、把握していました。

「北朝鮮に関する話しをしただろう。敏感な問題で、違法だ」と一方的に述べたといいます。

鈴木さんは長年、中国に関わっていて、渡航回数は200回以上になるといいます。日中の交流団体の代表をしていたほか、中国の大学で教えた経験もあり、中国人にも多くの友人がいました。

中国政府の関係者や、北京にある日本大使館の職員とも交流があり、食事に行ったりもしていました。

こうした中で、中国側は、「日本の情報機関に渡すため、中国の外交関係の人事や、領土問題、北朝鮮の問題などで情報を集めていた」、いわゆるスパイ活動に関わったと認定したのです。

しかし、鈴木さんは、今でも納得できないと、憤りを隠しません。

鈴木英司さん
「当時、北朝鮮の故キム・イルソン主席の娘婿のチャン・ソンテク氏が処刑された疑いについて、韓国政府が発表していたので、中国政府の関係者に、『処刑についてどうなんですか』と聞きました。しかし、彼は『知りません』と答えました。これが、なぜ違法な情報収集にあたるのか、私には理解ができないし、憤慨しています」

7か月の“監視居住” 太陽を見たのは15分・・・

鈴木さんが拘束されて連れて行かれたのは、古びたビジネスホテルのような部屋でした。小さな机に、ベッド、そして監視のためにドアのないトイレとシャワーがありました。

中国当局の言い方によれば、「監視居住」が始まったのです。

部屋の四隅には、監視カメラのレンズが光っていました。窓には黒っぽい、分厚いカーテンがかかり、外が昼なのか、夜なのかもわかりません。

そして、ベッドの向かいにあるソファーには、監視役の男2人が常に腰掛けていました。男たちは交代しながら24時間、鈴木さんがトイレで用を足す際にも、常に見張っていました。

寝るときも明かりをつけたまま。男たちが見ているので、落ち着きません。

運動といえば、部屋の中で足踏みをすることしかできない日々。
男たちの目の前で、足踏みをしている自分の姿に、とても悲しくなったといいます。

いったい自分はどうなってしまうのか。不安と恐怖に追い詰められました。

鈴木さん
「これからどのくらい監視下での生活が続くのか、何の情報もなかったため、ちょっとしたことで疑心暗鬼になりました。日本はどうなっているのか、家族はどう過ごしているのか、そうしたことをずっと考えていました。本当につらかったです」

取り調べ以外の時間では食事とシャワー、トイレ以外はただ座っているだけです。本もテレビもなく、紙やペンの使用もできませんでした。話し相手もいない中で、取り調べが続いた7か月間を、この部屋で過ごしました。

ある日、鈴木さんは、太陽の光をどうしても見たいと、頼み込みました。

許されたのは、たった15分。

部屋を出ると、廊下の窓からすこし離れた場所に、イスがぽつんと置かれていました。座ると、太陽が見えました。自然に目から、涙が出ました。

もっと近くで見たい。窓に近寄ろうとすると「ダメだ」と叱責されました。

非公開の裁判 懲役6年の実刑

突然の拘束からおよそ7か月後の2017年2月。鈴木さんは逮捕、のちに起訴されました。

その後の裁判は、中国側が違法とする「情報」と関連があるとして、非公開で行われました。証人申請はすべて却下されたといいます。

そして、2019年5月に1審で懲役6年の実刑判決を言い渡されました。

鈴木さんは上訴しましたが、翌年よくとしの2020年11月、棄却。拘束されてから、すでに4年以上がたっていました。

判決文には、このように書いてありました。

「鈴木英司は日中友好人士の身分を借り、中国国内外で(人物は略)などの人と頻繁に接触し、面談などの方法を通して、わが国の対日政策とほかの外交政策、高層人士の動向、釣魚島(尖閣諸島)と防空識別圏に関連する政策措置、中朝関係などの分野の情報を尋ねてから、入手した情報を(人物は略)などの人に提供した。/この提供した内容は情報であると中華人民共和国国家保密局に認定された/鈴木英司は間諜(スパイ)犯罪行為を実施したことを証明し、中国の国家安全に危害をもたらした」

鈴木さんは、懲役6年の実刑が確定し、北京にある刑務所に収監されました。拘束されてからの4年間を差し引いた、2年近くを過ごしました。

中国では、反スパイ法が施行された翌年よくとしの2015年以降、日本人がスパイ行為に関わったなどとして当局に拘束されるケースが相次いでいて、これまでに少なくとも、16人が拘束されています。

このうち、服役中だった北海道出身の70代の男性が死亡しているほか、6人はいまだ帰国できていません。

中国を恨んでいます、ただ…

2022年10月中旬、刑期を終えて日本の実家に帰国した鈴木さん。拘束前に96キロあった体重は、30キロ近く減っていました。

90歳近くになる父親や親戚は、帰りを喜んでくれました。

6年ぶりに帰った実家で用意されていたのは、手作りの家庭料理でした。ずっと食べたかった好物の刺身と冷酒は、涙が出るほどおいしかったといいます。

鈴木さんは中国における今の人権状況には、極めて強い懸念を感じています。

鈴木さん
「習近平指導部になってから、特に人権について、締めつけが厳しくなったと感じる。中国政府は、『中国なりの人権があり、西洋と違う』という主張を繰り返しているが、監視をしたり、何も見せない、誰にも会わせないという自分が受けた経験からは、中国の人権状況は明らかに遅れていて、大きな問題だと言わざるをえない」

自由の身となった今。しかし、中国の友人たちとはもう2度と会えません。会ったり、連絡をとったりすれば、友人が捜査の対象になる恐れがあるからです。

1980年代から40年近く、人生をかけて取り組んだ日中友好の草の根の活動。その中国で拘束され、「犯罪者」として、今後、入国すらできなくなった自分。

取材の最後に、鈴木さんは、揺れ動く複雑な胸の内を話してくれました。

「中国を恨んでいます。ただ、日中関係は大事な2国間関係です。経済的な貿易のつながりも強く、地理的にも隣国で、たとえ嫌いであっても大事にしなければならないのです。それに、日中関係がよくなれば、自分のようなケースも少なくなると思うし、より多くの交流が芽生えると思うんです。そして、日中関係改善のためには、相手の国を正確に知ることが必要で、私は、そのために、今後も尽力していきたいです」

「日中関係に“計り知れない影響”与える」と関係筋懸念 中国当局が日本企業社員拘束、日中の経済関係に長年貢献の男性

TBS NEWS DIG によるストーリー • 昨日 19:08

中国でアステラス製薬の社員が拘束されたことについて、日中関係筋は「日中関係にきわめて深刻、かつ計り知れない影響を与える」と懸念を表明しました。


「日中関係に“計り知れない影響”与える」と関係筋懸念 中国当局が日本企業社員拘束、日中の経済関係に長年貢献の男性© TBS NEWS DIG


日本政府関係者によりますと、北京市内で今月、50代の日本人男性が中国の国家安全当局に拘束されました。一方、「アステラス製薬」はこの男性が自社の社員だということを認めており、「現在、外務省を通じて情報収集をしている」とコメントしています。
これに関連し、日中関係筋はさきほど、「今回の件で、中国の日本人社会に動揺が広がっているのは事実」だとして「日中関係の基礎である経済関係にきわめて深刻かつ計り知れない影響を与える」と懸念を示しました。
また、拘束された日本人が長年、日中の経済関係に貢献した人物だったとして「ゼロコロナ政策が終了し、日中の人的往来が盛んになるのがあるべき姿のこの時期にこのような事案が起きたことで、このままでは中国に来たい人がいなくなる懸念すらある」としています。

見せしめや情報収集が狙い?中国で反スパイ法で摘発され続ける日本人…アステラス製薬幹部拘束から垣間見える中国の思惑

FNNプライムオンライン によるストーリー •

見せしめや情報収集が狙い?中国で反スパイ法で摘発され続ける日本人…アステラス製薬幹部拘束から垣間見える中国の思惑© FNNプライムオンライン

中国においてスパイ容疑で摘発され続ける日本人

先日、中国国内で日本の大手企業アステラス製薬の幹部である日本人が「反スパイ法」に違反した疑いがあるとして中国国家安全局によって、日本への帰国直前に拘束されたと報道された。

中国では、2014年に「反スパイ法」が施行されて以降、17人の日本人が拘束され、少なくとも9人が実刑判決を受けている、

また、北京外国語大学で教員を務め、衆議院の客員調査員を務めていた鈴木英司氏は、2016年7月に国家安全局に突如スパイ容疑で拘束され、懲役6年の実刑判決を受け、2022年10月に刑期を終え釈放された。

鈴木氏は、日本への帰国直前に空港で、令状等を提示されることもなく6人組に車に押し込められ、アイマスクをされた上でホテルの一室のような場所で7か月にも及ぶ取り調べを受けたという。

スパイ容疑については、2013年12月4日に、鈴木氏が中国高官との会食中に、前日に北朝鮮の金正恩の伯父(張成沢氏)が失脚したことをうけ、どうなのかという会話をしたことで、既に公開されている情報にも関わらずこの会話が国家機密の収集に当たるとされたとのことである。

今回も、何をもってスパイと判断されているかは甚だ疑問であり、中国政府による“恣意的”な法運用の典型例であると強く推認される。

帰国直前というタイミングをなぜ狙ったのか

今回も、鈴木氏の例のように、帰国直前に拘束されたとのことであるが、なぜ“帰国直前”なのだろうか。

“正当”なスパイの摘発であれば、証拠を固めて構成要件を満たした段階で共犯者の有無等の確認のもと検挙に着手するが、例えばスパイが本国に帰国してしまえば、スパイの所属国家・組織に自国の情報が持ち出されてしまうため、帰国を検知した段階で検挙することも考えうる。

しかし、中国による恣意的な反スパイ法の適用だった場合を想定すると、例えば日本人が帰国する際には、中国に定期的に訪問する立場の日本人であっても、重要なPCや機密が含まれる重要な資料は毎回日本に持ち帰るだろう。そのため、帰国時には重要な情報を欠かさず持った状態となる。

中国当局として、日本人の務める企業(今回はアステラス製薬)の情報が欲しかった場合、あえて帰国時に拘束することで、重要な情報を持った状態で日本人の身体を拘束し、所有物を差し押さえできるため、非常に“良い情報”が強制的に収集できる。

正当な反スパイ法の運用かどうかで判断が分かれるところである。

中国の思惑

前述のように、中国の思惑の一つとして、中国が欲しい情報を収集するために反スパイ法を摘発した可能性がある

勿論、スパイ行為を適正に検挙した可能性もあるが、中国のこれまでのやり方を見ても、容疑が細部まで公表されず、法の恣意的運用の側面を強く窺わせる経緯を見れば、“正当”な反スパイ法の適用かは疑問が残る。

ちなみに、現在、中国が自国で強化したい分野として医療領域がよく挙げられている。それは、中国政府が発表している外商投資奨励産業目録(外国投資家による投資の奨励及び誘致に関連する特定の分野、地区等が明記されたリスト)や在中国欧州商工会議所が2021年1月に公表した報告書からも読み取れるが、そのような環境の中でアステラス製薬の社員が狙われた可能性もある。

また、もう一つの思惑が考えられる。

本件拘束の報道があった前日には、日本政府が2月末に帰国した中国の孔鉉佑前駐日大使からの岸田文雄首相に対する離任あいさつの申請を断っていたことが判明している。昨今の経済安全保障の文脈から慎重な対中姿勢が示された結果であり、異例の対応である。

これに対し、中国は日本への報復措置として、日頃から本件アステラス製薬の社員の動向は把握しつつも、いつでも反スパイ法が適用できるように泳がせ続け、日本政府への見せしめとして検挙・拘束した可能性もある。

実は、このような手法はウラジオストクの日本総領事館領事が安部元首相の国葬の前日にロシア連邦保安局(FSB)によって身柄を拘束された件と類似している。その拘束のタイミングと拘束された際の行為自体を見ても、ウクライナ侵攻を巡る日本への報復措置・見せしめと同様の趣旨が垣間見える。

但し、これまで中国によってスパイ容疑で日本人が摘発されたタイミングを見ると、必ずしもそのタイミングが報復や見せしめとなってはいないが、外交カードの一つとして、反スパイ法が有効に活用される手段であることは認識しておかなければならない。

反スパイ法の罠

そもそも、この反スパイ法であるが、2014年11月に可決され、施行された。

同法のスパイ行為の定義は、以下のように列挙されている。

(1)スパイ組織または代理者が実施または他人に実施させ、またはほう助し、あるいは内外の機構、組織、個人と結託して行われる“国家の安全に危害を及ぼす”行為

(2)スパイ組織に参加、またはスパイ組織およびその代理人の任務を受任すること

(3)スパイ組織および代理人以外のその他の機構、組織、個人が実施するかまたは他人に実施させ、または他人の実施をほう助した場合、あるいは内外の機構、組織、個人と結託して行われる、窃取、秘密裏の情報収集、買収、あるいは非法な国家秘密または情報の提供、あるいは工作要員を寝返らせるための交錯、勧誘、買収活動

(4)敵国人のために攻撃目標を指示すること

(5)その他のスパイ活動を推進すること

とされている。

その他、すべての機構、組織、個人によるスパイ行為はもとより、その任務受託、ほう助、情報収集、金銭授受などは、すべてスパイ罪とみなされる。

中国におけるリスク

中国という国を考えれば、中国における経済活動を主とした各種活動において幾多ものリスクが検討されなければならない。

例えば、反スパイ法と親和性の高い国家安全法や国家情報法、複合機問題でもクローズアップされた中国による半強制的な技術移転、更に視座を高くすれば、反外国制裁法等があり、いずれも中国政府による恣意的な運用が懸念されるものばかりである。

中国と活動を共にするならば、中国で活動をするならば、昨今の国際情勢を鑑みた地政学的リスクの視点を持ち、中国政府の恣意的な法運用等を鑑みた“中国の実態”を深く理解した上での対応が強く求められる。

最後に、拘束された日本人の適切な処遇と身の安全を心から祈るとともに、日本政府の毅然とした対応を期待する。

【執筆:稲村悠・日本カウンターインテリジェンス協会代表理事】

参考文献・参考資料

中国の邦人拘束、日系企業に衝撃 広がる慎重論、投資の機運そぐ (msn.com)

中国でスパイ容疑で拘束 懲役6年の男性が語る | NHK

「日中関係に“計り知れない影響”与える」と関係筋懸念 中国当局が日本企業社員拘束、日中の経済関係に長年貢献の男性 (msn.com)

北京で拘束の日本人男性、中国外務省は「反スパイ法違反の疑い」…具体的な容疑明かさず (msn.com)

見せしめや情報収集が狙い?中国で反スパイ法で摘発され続ける日本人…アステラス製薬幹部拘束から垣間見える中国の思惑 (msn.com)

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