マガジンのカバー画像

小説家プロジェクト

89
小説を書いてみよう。 思いついたものから。
運営しているクリエイター

記事一覧

小説『走る。』 6話

あっという間に一週間が過ぎた。 ライブペイントの日。土曜日。 教会には、絵画教室の後にり…

じょーじ
4時間前
6

小説『走る。』 5話

週が明けると仕事が忙しくなっていた。 客先で商品の不具合があったのだ。 その回収やら謝罪…

じょーじ
1日前
7

小説『走る。』 4話

 帰り道、いつもの土手を歩いて帰る。 土曜日の午後、人は少ない。 最後に仙人に言われた言葉…

じょーじ
2日前
8

小説『走る。』 3話

 一ヵ月が経ち、 早くも絵画教室が毎週の楽しみになっていた。 就職でこっちに来たから同期…

じょーじ
3日前
11

小説『走る。』 2話

絵画教室は週に三回やっているらしい。 平日は夕方、土曜日は午前中から昼過ぎまでやっている…

じょーじ
4日前
8

小説『走る。』 1話

 その時、心臓をグッと掴まれた。  その時、キュウンと絞られる音がした。  その時、時間が…

じょーじ
5日前
16

小説『洋介』 エピローグ

 帰り道。 落ちている石を、おもむろに宙に浮かせる少年。 背負うランドセルより高く石は浮かびあがり、そしてクルクルと回る。  秋、夕日がかった河原、周りに人はいない。  土手の上から河原を見渡しながら、少年はこの一年のことを思い返す。 一年前のあの日、夕日が心に刺さったあの瞬間にすべてが始まったのだ。 あの日から世界の見え方が、感じ方が、広さが変わった。 「おーい!」 後ろから声をかけるもう一人の少年と少女。 洋ちゃんとあの子だ。 3人で土手を降りる。 いつものように

小説『洋介』 最終回

 帰り道。今日は一人。 ゆっくりと朝の閃きを見つめなおす。 頭の中は水の様な透明で、澄ん…

じょーじ
8日前
9

小説『洋介』 19話

朝。 学校に行く道。 河原の横を歩く。 太陽が水に反射して、キラキラと揺れながら光る河原を…

じょーじ
13日前
3

[短歌]明日には笑えるやろか 明日には

明日には 笑えるやろか 明日には 東京の夜 月も見えない この夜は あなたに出会えた 夜…

じょーじ
2週間前
4

小説『洋介』 18話

 帰り道、彼女に相談した。 彼女は洋ちゃんとそんなに話したこともないし、特に仲良いわけで…

じょーじ
2週間前
2

小説『洋介』 17話

喧嘩したあの日からしばらく。 平和が続いていた。 変わらない毎日が心地よい。 楽しい。 そ…

じょーじ
3週間前
3

小説『洋介』 16話

 6年生の一学期が始まって数日経った帰り道。 あの子と帰る。 僕らは、新学期が始まってから…

じょーじ
3週間前
2

小説『洋介』 15話

 春休みが終わり二人は6年生になった。 去年に引き続き、彼女と同じクラスになった。 と言っても、そもそも2クラスだけしかないので、確率は50%。驚くほどのことでもない。 発表の時に小さくガッツポーズはした。  新しいクラスでも彼女は人気者だった。 わいわいと楽しそうに、囲まれている。 やっぱすごいな。 その光景を眺めながら、僕は教室の隅でぼーっとしていた。 時々、前の席の洋ちゃんが話しかけてくれた。 春、ゆったりと時間は流れていった。  洋ちゃんこと洋介は、落ち着いていて