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日記、ときどき本|1011-1017



1011|償いの所在

夜は哲学対話に参加。テーマは『罪の所在』について。例えば身内を殺されてしまったとき。親族は強く加害者を非難する。はたまたその加害者が自死などで、もう死んでしまっているとき。次は加害者家族にまで責任を求める。思ったのは、求めているのは罪の所在ではなく『償いの所在』ではないか、ということだ。自分たちが受けた被害を、償ってほしい。苦しんでほしい。そういう気持ちが自然発生する。けれど、本当の償いとは〈元の幸せの生活を返してもらうこと〉であるから、償いはどれだけ求ても永遠に埋まらない。償いは、被害者が〈赦す〉ことで完了する。だから〈赦す〉とは、とても気高きことだと思う。でも、被害者ばかりが精神性をもとめられるのは、しんどい。加害も被害も、なにもないのが一番いい。


1012|“ひと”を読んでる

またまた日記本の感想をいただく。こそばゆい。嬉しくて、こそばゆい。日記本の感想を言ってくれる人達のすごいところは、エピソードを褒めないところだ。「このエピソードが最高でした!」とか「この日が一番好きです!」みたいなのがあんまりない。どちらかと言えば、日記に書く文章、見方、表現、息子、に言及してもらえることが多いような気がする。日記とは結局“ひと”なのだ。どんな文章でもそうなのかもしれないが、日記はそれがより濃く反映されている気がする。“ひと”を読みたくて、日記を読んでいるのかもしれない。


1013|もう数日でやめるだろう

ポケモンスリープでめざめる。だるい。あれだけ可愛かったカビゴンも、毎日数分の時間を取られてご飯をあげているのがバカらしくなってくる。ポケモンスリープがどんどん鬱陶しくなってきた。もう数日でやめるだろう。


1014|〈叶う〉の話

「神社に行ったら、みなさんお願いごとしますやろ? あれは神様に言ってるんちがうんですよ。自分に言ってるんです。ひとりひとりの心の中に神様がおるんです。だから実は神様にお願いごとをしてるんちごて、自分の中の神様にもう一度、誓ってるんですよ。『私はこういうことが願いです』って、確かめてるんです。そうするから、自分の叶えたいことが明確になって、叶っていくんです。ほんで、お願いごとするときっていうのは、手を合わすでしょ? そのとき指は何本になってます? そう十本ですよね? その指は、お願いごとをする口元に近いでしょう? 口に十。そう。手を合わせて口にするから、願いが叶っていくんです」
旅行先のタクシーでされた〈叶う〉の話。


1015|本を贈り合う

今日はインスタの読書アカウントのみんなで集まった。10時にそぞろそぞろと本屋の前でみんなで集合。ここは1~7階までぜんぶ本、っていう本屋。しかも1フロアがちゃんと広い。一度みんなで7階まで上がって、どんどん下に下がっていくシステムで本屋巡りスタート。7階は絵本のコーナーで、そこから科学、哲学、人文、文芸、と階を降りていく。各階にそれぞれの得意分野、みたいなのがあって、それぞれのおすすめを聞きながら降りていく。

素敵だな、と思ったのは互いに本を贈りあったこと。ほしい本なので、自分で買えばいいのだろうけど、「つじりさんにはこれを買うね」「これを読んでみてほしい」と言われて本を贈ってもらえるのが、とても嬉しかった。それで、自分もテンションがあがって、きている方みんなそれぞれに本を贈ってしまった。本って人それぞれで趣味があって、もしかして迷惑かな、って思う時がある。けど、本に限らず何かを贈るっていいものだなあとこの時思えた。何が? と聞かれたら、それが何かをまだ答えられないのだけれど、胸のちょっと奥の方が少しじんわりとした。


1016|やぁだー

朝5時に息子が起き出す。早い。早すぎる。前日の疲れが抜けきれない私ではあるが、今日は妻が休みの日なので、ムクっと起きて、息子とリビングへ移動する。パンとパウパトロールのセットをSETして、私はリビングでもう一眠り。なんてこたぁできるわけもなく、ちょいちょい息子にちょっかいをだされる。やぁだーもうちょっと寝たいいいイィ~! なんて駄々をこねながら布団にくるまり続ける。だらしない親である。


1017|どちらの世界を選んでいくのだろう

『すばらしい新世界』読了。『1984年』と並ぶディストピア小説の古典。でも世界観がバッチリ出来上がっていたし、ディストピアを形成するための仕組みも説得力があるもので、とても面白かった。こういったディストピア小説を読むと、ディストピアとユートピアは本当に紙一重だよなあと思う。もし技術革新が起こり、瓶から子供を作ることが可能になったら、子どもを洗脳することが可能になったら。そちらのほうが効率的だとしたら。将来の人間は、どちらの世界を選んでいくのだろう。




★お知らせ

日記本を作製しました。
2023年1月〜6月までの日記です。
日常、本、子育て、仕事、読書会、哲学対話など。いろいろなことを書いています。
noteに載せているのはダイジェスト版で、いつももう少し長めの日記を書いています。

タイトル『効率よりも濃密 日記、ときどき本』
A5/2段組/138頁


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