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日記、ときどき本|0424-0430


0424|何もしなくていいが許されている時

ばかみたいに寝て起きた。10時間くらい。10時間くらい眠れると気持ちがいい。というか、眠るってほんとうに気持ちいい。寝ているあいだって何もできないじゃん? その間だけは、「何もしなくてもいい」が許されている。堂々と何もしなくていいのが「眠る」という行為で、だから途中で起こされたら人はみな不機嫌になるのだろう。


0425|寂しさがある

先日、短歌を詠んでいる友人とのzoom飲みの際、彼女は「わたしの短歌には明るいものがないんだよね~」と言った。私は、寂しさのまったくない短歌はないと思っている。どんなに明るく見える短歌でも、その影にはたぶん寂しさがある。寂しさがあるから楽しさや明るさがある。楽しいことや嬉しいことは、人によって千差万別かもだけど、寂しさだけは誰もが共有している。その寂しさを感じられるから、優れた短歌は心に留まるのだと思う。そう彼女へ返した。半分は、彼女への激励もあったが、もう半分は本当に感じていることでもあった。


0426|センスが欲しい

ふと思う。仕事などで「生きる」ことに一生懸命になると、それ以外の部分に焦点を当てづらくなる。作家 太宰治は「風車が悪魔に見えた時には、ためらわず、悪魔の描写をなすべきであります。また風車が、やはり風車以外のものには見えなかった時は、そのまま風車の描写をするがよい」と言ったという。筆ばかりを美麗にすることに尽力するのでなく、まず自分の眼を養うこと。現実を見る眼、それを捉える心。そして、それを堂々と描く誠実さ。それが創作には重要なのだと思う。センスが欲しい。


0427|読書の練習

息子の寝かしつけ。いつものように本を読んであげようとするけど「ぼくがよむ!」と言って、私から絵本を取り上げてしまった。彼は絵本を持って、1ページずつ捲る。当然、文字は読めないので「読もうか?」と声をかけてあげる。でも、まだ「ぼくがよむ!」と言って、またページを捲る。そこで気づいた。どうやら本を捲りたいだけなんだ。そうそう。本って捲るもんね。自分のペースで、捲るもんね。そんでもって、1ページずつ捲るのって意外と難しいもんね。そういえば、絵本を読み聞かせられることはあっても、彼自身が本を捲ることはなかった。その練習なのだろう。未来のための読書の練習。


0428|死なない理由

お昼は家族で公園に遊びに行く。4月だというのにとても暑い日だった。公園ではイベントをやっていて、出店もいくつも出ていた。息子は、通りすがりの人たちが手に持っているかき氷に目を奪われる。「ふわふわたべたい! ふわふわ!」。ふわふわという柔らかい擬音とは対照的に、息子はきんきん喚き散らす。「ふわふわ! ふわふわ! ふわふわあ!」。よく見てみなさい。あのかき氷、そんなふわふわしてないよ。「ふわふわ! ふわふわ! ふわわ!」書いていてゲシュタルト崩壊しそうなくらい、ふわふわふわふわ言う。仕方なく、ふわふわを買ってあげる。「つめた!」という彼は、満面の笑みで嬉しそうだ。そうか、と思う。いま、私が死にたくないと思うようになったのは、まだ見ていたいものがこの世に増えたからなのだ。


0429|変態になっちゃう

家に帰ると、妻が息子用に布パンツを買ってきていた。ちょこちょこやっているトイレトレーニングを本格化させるため、布パンツにチャレンジしていく所存である。思いの外、息子は布パンツを気に入った様子で、紙パンツの上から布パンツを自分ではく。その上からズボンを履かせようとすると「いや! ぱんつ!」と言って、ズボンを履かない。もしかして、パンツをズボンだと思ってる……? きみ変態になっちゃうよ……? こうしてパンツ姿のちびっ子は寝るときまでずっとパンツ姿で過ごした。寝ているすきにに布パンツを脱がせて、ズボンを履かせた。


0430|息子の段取り

妻と保育園から帰ってきた時、息子はわざわざインターホンを鳴らす。「誰ですか~?」と問いかけると、ちゃんと自分の名前を言う。最近は名字まで一緒に言うようになった。迎え入れると、早速「おかし食べてから、おふろ入るね」と、帰宅後の段取りも自分で示してくるから可笑しい。

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