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【オーバーツーリズム】これでは京都の「関係人口」が減ってしまうぞ...!

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

春の桜シーズン真っただ中の京都。
新型コロナが5類に移行して初めての花見シーズンで、訪日外国人観光客もかなり増えているようです。

観光シーズンになると…
というよりも、もう年間を通じて京都で叫ばれているのが「オーバーツーリズム」

この春のオーバーツーリズムも早速ネットニュースになっていました。
・古き良き景観が損なわれる
・市民の生活圏に観光地があるケースも多く、市民生活に如実に影響が出る
といった京都ならではの課題も沢山あります。

円安が続いていることもあり、外国人観光客にどんどんお金を使ってもらえば良い!まさにその通りで、ガンガン経済を回してもらえば良いと思います。
一方で、インバウンドによる恩恵は大きく受ける方と全く恩恵を感じない方がハッキリ分かれてしまうのも事実。

僕の知り合いでも「これ以上年間を通じて観光客がいるなら京都を離れることも考えたい…」とおっしゃる方もいます。

京都市の人口減少数はワースト1位。子育て世代の近隣市町村への転居も目立ちます。また、宿泊施設も価格が高騰していて、気軽に遊びに行けるまちでは無くなっています。

そこで、僕が危惧しているのが長期的な「関係人口」の減少です。
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉だそう。

堅苦しい言葉が並んでいますが、簡単に言えば
「移住しているわけではないけれど、仕事で関わっていたり、そのまちが好きで定期的に訪れたりしている人たち」といった感じでしょうか。

物理的な「人口」を増やすことは中々難しいので、「関係人口」に着目したまちづくりを進める自治体も増えているようです。

僕がカギだと思うのは、この関係人口に「過去の勤務や居住、滞在等」での何らかの関わりがある者が含まれていること。

総務省HPより

これまでの京都は、「進学で京都に住んだ」「旅行で京都に行ったことがある」といったことで、自然と関係人口を増やしてきたのではないかと思います。

しかし、今の京都はそんな方たちが「好きでいたい!」と思えるまちでしょうか。
このままでは、オーバーツーリズムという言葉が一人歩きし、皆さんの京都というまちとの接点がどんどん減っていきそうでとても心配しています。

僕がお店を構える西陣は「3度目の京都で訪れるまち」という異名を持つそう。有名観光地を一巡した旅行者が、ゆったりとまちあるきを楽しむために訪れる。そんな意味合いがあるそうで。
何回も訪れて、どんどんファンになっていく。そんな魅力が京都にはあるはず。
「人が多すぎてもう行かない!」
観光客にも市民にもこんなことばかり思われていてはもったいない!

「伝統」のイメージが強い京都ですが、住んでみると意外と「新しいもの」が好きな県民性だなと感じます。
新しいものにも敏感に、寛容に受け入れてきたからこそ今の伝統があるのではないかと思います。

このまちが好きだからこそ僕は言いたい。
京都に「新しい風」を吹き込む関係人口の未来を京都は真剣に考えなければならない局面に来ているのではないかと思います。

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