楽曲について

Lonesome Dove / written by Carl Jackson, Larry Cordle
カントリー界に多くの楽曲提供をしているカール・ジャクソンとラリー・コードのソングライター・コンビによる美しくも切ないカントリー・ワルツ。2人はブルーグラスを出自とし、ブルーグラス系プレイヤーとしても著名です。
80年代後半に制作され人気を博し、日本でも放映された西部劇ドラマの名作「モンタナへの夢」の原題 Lonesome Dove からタイトルを拝借したそうで(ラリー談)、リッキー・スキャッグス/トリーシャ・イヤーウッドとカントリー界を代表する男女の大物アーティストが、それぞれ優れたカヴァーを録音しています。

曲を聴く前にイメージしたいこと

つがいの片方に逃げられて淋しそうな鳩に感情を重ね合わせる。比較的平易な言葉で綴られており、その分聴き手の想像力を掻き立てられますが、筆者はlonesomeという言葉にアパラチア周辺のアイルランド系移民の悲哀を勝手に想像してしまいます。
ブルーグラス独特のハイトーンな唱法をハイロンサムと言うように、lonesomeという言葉は白人、特にアイルランド系移民にとって、黒人のbluesに通ずる特別な言葉なのかもしれません。思えば移民の国アメリカの人々の「故郷が無い」という感覚は我々日本人にとっては理解しがたいですが、魂の拠り所を音楽に求めるからこそ、この曲のような独特のlonesomeな悲哀が生まれるのではないかと思います……それでは、どうぞ!

歌詞と対訳

I hear a lonesome dove off in the distance
淋しき鳩の声が 遥か彼方から聞こえる
His cry echoes out through the HILLS
嘆きの歌声は 丘の間をこだまする
He's sad that his lover flew off with another
つがいの一方が 別の鳩の元に飛んだって
And I know the sorrow he FEELS
彼の悲しみは 僕にもよく分かるよ

Lonesome dove we're not that different
淋しき鳩よ 僕たち 何も違わないね
You sing a sad song but you're not alone
悲しい歌を歌うけど 君は孤独じゃない
You've been forever forsaken by the one that you LOVE
君を愛する誰かが 君を見捨てることは決して無いよ
I know how you feel lonesome DOVE
淋しき鳩よ よくわかるよ 君の気持ち
I know how you feel lonesome DOVE
淋しき鳩よ よくわかるよ 君の気持ち

I've tried to run from the pain of her memory
僕も彼女の思い出から 逃れようと試みてきた
But I can't find a place I can HIDE
でも結局 悲しみから身を隠す場所など見つけられない
And that old lonesome dove is gonna mourn for his love
淋しき鳩は年老いても 失った愛ことを思い嘆くだろう
No matter how far he FLIES
たとえどんなに遠く 飛んで行ったとしても

Lonesome dove we're not that different
淋しき鳩よ 僕たち 何も違わないね
You sing a sad song but you're not alone
悲しい歌を歌うけど 君は孤独じゃない
You've been forever forsaken by the one that you LOVE
君を愛する誰かが 君を見捨てることは決して無いよ
I know how you feel lonesome DOVE
淋しき鳩よ よくわかるよ 君の気持ち
I know how you feel lonesome DOVE
淋しき鳩よ よくわかるよ 君の気持ち

  • 鳩を示す英単語にはpigeonとdoveがあります。pigeonは公園などで日常的に見かける「ドバト(土鳩)」、doveは結婚式や手品で使われる白い鳩で、平和の象徴とされるのはdoveの方とのこと。こちらの記事を参考にしました。

  • アイルランド系移民と音楽との関連性については、音楽関連コラムサイトTAP the POPにとても良い記事があったのでこちらもご参照ください。

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