楽曲について

D-I-V-O-R-C-E / written by Bobby Braddock and Curly Putman
カントリー・ミュージックのファースト・レディと呼ばれた偉大なる女性歌手タミー・ワイネット。彼女による1968年の同名アルバムに収録されたこの曲は、シングルとしてもカントリーチャートでNo.1を獲得し、同年のグラミー賞最優秀女性カントリーボーカルパフォーマンスにもノミネートされました。
作者は「Green, Green Grass of Home」で知られるカーリー・プットマンと、ナッシュビルソングライターの殿堂も果たしたボビー・ブラドックの共作。こういう強力なソングライター・チームが、60年代以降のナッシュビルの音楽業界を支えていったのでしょうね。

曲を聴く前にイメージしたいこと

幼い我が子に離婚の意味を悟られないように「D-I-V-O-R-C-E」という暗号を使って夫と会話する。そのプロットだけでも最高に面白い(歌詞の内容は絶望的ですが)。その物語に巧みなライミングが織り込まれている点にも注目です。
タミー自身、生涯で5回結婚したり病気もしたりの苦労人。そんな彼女が歌うからこそアメリカ中の女性の共感を呼ぶのでしょうね。まさに演歌の世界(笑)。とはいえ、ファンタジーを歌うのではなく自分自身の私生活もひっくるめた日常を表現のモチーフにするというのは現在のテイラー・スウィフトにも通じるカントリー出身歌手特有のポリシーのようなものを感じます。
ちなみに作者のボビー・ブラドックは11年後の1979年、再びタミーに「I L-O-V-E Y-O-U」という楽曲を提供しており、どういう経緯だったのか非常に興味をそそられます……それではどうぞ!

歌詞と対訳

Our little boy is four years old and quite a little MAN
うちの可愛い坊やも4歳ともなると それなりに物心がついている
So we spell out the words we don't want him to UNDERSTAND
だから彼に理解してほしくない言葉は スペルで誤魔化すの
Like T-O-Y or maybe S-U-R P-R-I-S-E
例えば「TOY」とか 「SURPRISE」とか
But the words we're hiding from him now tear the heart right out of ME
でも今 私たちがひた隠しにする言葉は 私の心を引き裂く

[Chorus]
Our D-I-V-O-R-C-E becomes final TODAY
私たちのDIVORCEは 今日成立する
Me and little J-O-E will be goin' AWAY
私と幼いJOEは まもなくここを去る
I love you both and this will be pure H-E double L for ME
どちらも愛しているからこそ 私にとってはHELLそのもの
Oh, I wish that we could stop this D-I-V-O-R-C-E
ああ どうにかこのDIVORCEを止められたらいいのに

Watch him smile, he thinks it Christmas or his fifth BIRTHDAY
ほら見て笑ってるわ きっとクリスマスか5歳の誕生日のことを考えてる
And he thinks C-U-S-T-O-D-Y spells fun or PLAY
CUSTODY(親権)という言葉を 新しいオモチャか何かだと思っているのよ
I spell out all the hurtin' words and turn my head when I SPEAK
そういう傷つく言葉を口に出すとき 私は顔を背けるの
'Cause I can't spell away this hurt that's drippin' down my CHEEK
私の頬を滴り落ちる 悔し涙を止められないから

[Chorus] 繰り返し
Our D-I-V-O-R-C-E becomes final TODAY
私たちのDIVORCEは 今日成立する
Me and little J-O-E will be goin' AWAY
私と幼いJOEは まもなくここを去る
I love you both and this will be pure H-E double L for ME
どちらも愛しているからこそ 私にとってはHELLそのもの
Oh, I wish that we could stop this D-I-V-O-R-C-E
ああ どうにかこのDIVORCEを止められたらいいのに

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