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一本十円

白髪は抜くもの
と思っている。

わたしは髪の量が多いので
多少抜いてもびくともしない
という自信がある。

白髪染めをするほど
大量の白髪があるわけではない。
かと言って
放置して白髪が目立ってくるのも
気に入らない。
だから
目についたら
抜くことにしている。

が、
自分で抜くのは
見えにくいしめんどくさい。



美容師の友人曰く、
白髪は根本でカットするのが一番良いそうだ。
抜くと
毛穴がびっくりして
次からウネウネの白髪が生えてくるから
なのだと。

いやいや…
ただ抜くのもめんどくさいのに
根本できれいにカットなんて
できるわけない。

ウネウネでもいいや
また抜くから

友人の助言は却下する。



そんなわたしは
子どもたちが小さい頃には

一本十円ね!!
よろしく!!

と言って
ちょっとしたお駄賃をエサに
子どもたちに白髪抜きをしてもらっていた。

まだ小さかった子どもたちは
喜んで(おもしろがって)
よってたかって
白髪抜きをしてくれていた。

次男なんか、
チビザルが大ザルの毛づくろいをするような
なんとも可愛らしい手つきで
見事にたくさんの白髪を探し当てて
抜いてくれていた。

わーー宝の山だーーー
なんて言われていた。
嬉しいんだか嬉しくないんだか微妙だ。
一本十円の宝だけどね。


やがて…
子どもたちは大きくなり
十円ごときで
面倒くさい作業をしてくれなくなった。

かと言って、
一本十円より値上げをすると、
わたしの白髪も増えているから
ちょっと恐ろしい
ホンモノの宝の山になる。



これ以上
白髪が目立つようになったら、
いっそ
金髪にしようかな。

そしたら
式典の来賓席に座るときに…

あのPTA会長、なんなんだよ、
黒染めしろよ…

って
言われるかな。

そしたら娘はきっと
口をきいてくれなくなるな😂

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