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不動産と広告収入

不動産と広告収入というと、胡散臭いワードの組み合わせ感が否めませんが、不動産と広告収入との関係についてまじめに考えていきます。

新たな収益源? ビル・マンションの壁面

7月9日の全国賃貸住宅新聞に「Wall Bank、壁面活用のマッチングサイト開設」という記事が出ていました。

エレベーター内部の壁面を広告主に貸して、オーナーさんはその広告収入を得ることができる。そんなプラットフォームをWall Bankさんが作られたそうです。

オーナーさんとしても、費用負担や大規模な工事等が不要で、もともと収入を見込んでいなかったところからプラスαの収入を得ることができ、積極的に導入するオーナーさんが増えるかもしれませんね。

建物の壁面や屋上の広告

建物の壁面や屋上に広告を掲載するいわゆる屋外広告

最近では、幹線道路や高速道路沿いで、広告が掲載されていないカラになった屋外広告の枠を目にする機会も増えてきました。

そんな屋外広告ですが、一般社団法人日本屋外広告業団体連合会によると、広告媒体としてものすごーく長い歴史があるんですね。

近代のように、壁面や屋上に広告を掲載して収入を得るというビジネスモデルは、明治維新後に始まったのかなと勝手に推測して、屋外広告に関する歴史的考察は終わろうと思いますが、、、

オーナーさんから、昔は屋上を貸していて数百万円の収入があったのに、、とカラになった広告枠を見ながらお話を聞く機会もあったりと、立地次第ではありますが、昔から広告収入は不動産の大きな収益源の一つになっていたんですね。

以前、案件を処理する中で大阪の心斎橋やなんばエリアの一等地の広告収入(看板収入)について調べたことがあるのですが、インターネットでも様々な屋外広告の広告料金を調べることができます。

例えば、株式会社ケシオンさんが運営するCmediaによると、、、

なんば駅北方、御堂筋沿いのドン・キホーテの壁面広告の料金がなんと!

4週間14,000,000円!!(2020年7月10日時点)

ただし、この広告料は広告主が広告会社に支払うお金ですので、製作費や取付・撤去費が含まれていますし、この広告料がそのままオーナーさんの収入になる訳ではありません。

ですが、これほどの広告料がとれる物件だと、オーナーさんとしても相当な収入が期待できますよね。

建物の壁面価値 数億円?!

ここで、壁面広告に関連して、オーナーさんが得られる看板収入と物件価格との関係性を検証してみたいと思います。

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※写真はイメージです。

看板収入は物件によって千差万別ですが、仮に、一等地に所在する物件の看板収入が年間4,000万円として、その物件の還元利回りが3.5%だとすると以下の計算式が成り立ちます。

40,000,000円 ÷ 3.5% ≒ 1,140,000,000円

計算の結果、年間4,000万円の看板収入が単純計算で物件価格に約11億4千万円のインパクトを与えることとなります。

恐るべし看板収入!

この計算式から求められた約11億4千万円という金額は、そもそも一等地ならではの看板収入が前提となるので、土地に起因した収益性とも言えます。

ですから、壁面の価値というよりも土地代という性質が強いと思われますが、どちらにしても、このような物件では看板収入(広告収入)が物件価格に大きく影響を与えているというのは確認できます。


さて、冒頭のWall Bankさんのお話に戻ります。

エレベーターの壁面を広告媒体として貸し出すことによって、物件価格にインパクトを与えるかどうかは結局収入しだい、、、ですが

物件の立地,仕様,グレードによって、入居者さんの属性等はある程度グルーピングすることができるので、エレベーターの壁面を広告媒体として活用することは、広告主としてもよりピンポイントで訴求力の高い広告を打つことができるのかもしれません。

ハイクラスのオフィスビルで、ハイクラスのオフィスワーカー向けに、ハイクラスの商品広告などなど、、、

そんな面白いところに目をつけられたWall Bankさんのプラットフォーム。

機会があればWall Bankさんに一度お話を聞いてみたいと思います。





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