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ブロックチェーンゲーム、破綻にオールインすべき理由

最近ブロックチェーンゲームが話題だが、自分はその将来に批判的だ。ブロックチェーンゲームの開発者は楽観主義的な価値観に染まっていて、根本的な問題を見落としているのだ。

ブロックチェーンゲームというのをシンプルに述べると「稼げるゲーム」のことである。プレイすると何らかの形で暗号通貨が付与されてそれを換金して稼ぐというゲームのことをブロックチェーンゲーム、あるいはNFTゲームと言い、近年参戦するゲーム会社が増えつつある。

しかし、ブロックチェーンゲームの開発者はあまりにも楽観主義的なのか詐欺師なのかであると言える。なぜならブロックチェーンゲームのシステムそのものが暗号通貨に紐づけされているからだ。多くの人が知るように、暗号通貨は値動きが激しい投機的なものである。ゲームをプレイして値動きが極端に激しいものを「給与」として受け取ることをなかなか好ましいと思う人はいないだろう。

もちろんブロックチェーンゲームの開発者は値動きを安定させるために色々試行錯誤をしているのは事実である。しかし中央銀行が株価や通貨をコントロールすることに限界があるように、暗号通貨の発行元であるブロックチェーンゲームの運営会社が価格をコントロールすることには限界がある。そもそもブロックチェーンゲームの多くはイーサリアムのような外部の暗号通貨システムに連動していて、そのような暗号通貨に明確な管理者がいないことを考えれば価格変動をコントロールするシステムが暗号通貨にはないと考えるべきかもしれない。それにゲームの収益をプレイヤーに配分する理想主義的なシステムも結局のところ暗号通貨の価値、あるいは売上やプレイヤーの右肩上がりでの増加を前提として設計されている節があるため、何かの拍子に暗号通貨が値下がりすると連鎖的にシステムが破綻する可能性が高いとも言える。

また、ブロックチェーンゲーム開発者の中にはオランダやバミューダ諸島といったタックスヘイブンに設立した会社でビジネスを行っている会社もある。本人たちは「日本は規制が厳しいから仕方ない」と述べているが、だからと言ってタックスヘイブンに設立した会社でビジネスを展開することは暗号通貨の持つ胡散臭いイメージを増幅させてしまうだろう。少なくとも法令遵守の意識はあまりないように思え、これが業界としての不健全性を高め、悪い方向にブロックチェーンゲームを追いやる可能性も否定できない。

結局のところ、ブロックチェーンゲームが成功するためには「金が稼げなくなっても継続してくれるハードコアなプレイヤー」を集める必要がある。そうなるとある程度ゲーム性やIPで勝負する必要があるが、そうなると「ブロックチェーンゲーム」であることを全面的に売り出す必要があるかは怪しくなる。つまりブロックチェーンゲームの開発者はゲーム性を追求する必要があるのだが、現状多くのブロックチェーンゲームの開発会社が質の低いゲームを粗製乱造している以上、ブロックチェーンゲームが普及する未来を自分は想像できないし、ブロックチェーンゲーム開発者は詐欺師であると断罪するしかないだろう。

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