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いわゆる日系大手からベンチャーに転職して3ヵ月で感じていること

こんにちは!とあるベンチャー企業で人事をしている中島(@nakashi_HR_CC)と申します。
昨年の11月に、いわゆる日系大手企業からベンチャー企業に転職をして、早いもので3ヵ月が経ちました。
業界・規模・カルチャーなどが違う会社に転職して今感じていることを伝えることで、誰かの役に立てるポイントもあるのではないかと思い、記事に残すことにしました。

▽こんな方にオススメの内容です
・ベンチャーってぶっちゃけどうなの?が知りたい方
・転職を検討しているが一歩踏み切れないと感じている方
・入社前後でまず何をすべきか不安を抱えている方
・キャリアを広げる何かしらのヒントがほしい方

転職した経緯

「そもそもなぜ転職をしたのか?」というところから簡単に説明させていただきます。
私は新卒で、いわゆる日系大手企業に就職して7年半を過ごしました。
最初の4年間はハードウェアエンジニアとして、残りの3年半は人事(技術系新卒採用担当)としてお仕事をさせていただきました。
特に採用人事の仕事は魅力的でのめりこんでいた一方、3年間「技術系新卒採用」の領域にしか触れることができていなかったため、なんとなく今後のキャリアに不安を感じていました。
人事としてキャリアを築いていきたいという思いがあり、採用だけでなくHRBPや育成・評価・制度構築など幅広い経験を積みたいと思っていたためです。

社内異動も視野に次のポジションを模索していたときに、たまたまTwitterで知り合った方(現職の人事の方)からお声かけいただき、オンラインでカジュアル面談をしていただきました。
ご紹介いただいたポジションが、上述した経験を積めるようなポジションだった点、IT業界というトレンドに身を置ける点、事業内容が魅力的だと感じた点、そして1番はカルチャーが合いそうだと感じた点から、選考を受けることにし、ありがたいことに合格をいただき転職を決意しました。(今流行り(?)のSNS転職というやつですね🏃‍♂️)

最初から「ベンチャー企業にいきたい!」と思っていたわけではありませんが、こういったご縁もあり、日系大手(いわゆるJTC)からベンチャー企業に転職することになりました。

👇こちらにもう少し詳しい経緯を記載しています!

3ヵ月で感じた違い

入社してまだ3ヵ月ですが、前職と比較した時に感じる違いを挙げます。

スピード感の違い

まず最初に感じたのは、スピード感の違いです。
大手企業に多いウォーターフォール型の進め方はほとんどなく、基本的にはアジャイルで物事が進んでいくため、体感するスピード感が大きく異なります。
「これをやろう!」となったときに、その現場だけで意思決定がほぼ完結します。
またビジネス職とエンジニア職の距離感が非常に近く、私は人事ですが「隣の島にエンジニアもリサーチャーもいる」という状況のため、コミュニケーションが非常に取りやすく、それによりプロジェクト推進のスピードも早くなります。
前職では攻撃力より守備力の方が身についたと感じていますが、バランスを考えて行動しないと「まだ動いてないの?」ということになりかねません。
根回しや事前のリスクヘッジももちろん大事ですが、スピードを意識しないと取り残されてしまいます。
そのため、主体的にキャッチアップしてく姿勢は何よりも求められると感じています。

関われるフェーズの違い

ビジネスを回していくとき、大きく4つのフェーズに分けられるという考え方があります。(竹林一さんが述べられていた考え方を引用しています)

イノベーションに必要な「起承転結」4つのタイプの人材
・起 ー 0から1を仕掛ける人材 (発想する力)
・承 ー 1をn倍化する構造をデザインする人材(概念化する力/巻き込む力)
・転 ー 1をn倍化する過程で目標指標を策定し効率化かつリスクを最小化する人材(分析する力/貫徹する力)
・結 ー 最後に仕組みをきっちりオペレーションする人材 (観察する力)

竹林一(2022年)『たった1人からはじめるイノベーション入門』日本実業出版社

どのフェーズが偉いとか、そういうことではなく全て必要なフェーズですが、ベンチャー企業だと「起」「承」の経験が積みやすいと感じました。
逆に大手企業だと、ビジネスで稼ぐ仕組みがしっかりできているケースが多いため、「転」「結」の経験が積みやすいと思います。
もちろん大手企業で「起」「承」の経験を積むこともできると思いますが、組織構図的にどうしてもチャンスは少なくなります。
あくまで私の体感値ですが大手企業だと「起承」と「転結」は2:8くらいの印象です。
しかしベンチャーだと、事業拡大・組織拡大フェーズが多いため、0→1に関わることが必然的に増え、そこにまつわる経験・スキルを身につけることができます。
そしてその中で、役割の縦割りがあまり明確にないことも多いので、意識次第で幅広い経験をどんどん積むことができると感じています。

昇格・昇給制度の違い

大企業ではまだまだ存在する「年功序列」の風土が全くありません。いわゆる「成果主義」です。
中には新卒2年目で責任者を務めている方がいたり、責任者レイヤーの年齢層が、前職に比べると圧倒的に若いです。(ちなみに私の今の上司も年下の方ですが、学ぶことが多く非常に刺激的です)
ただ、イメージされているような、成果主義でギラギラ・バリバリみたいな雰囲気ではなく(そういうところもあるかもしれませんが)、チームワークを非常に重視し、みんなで成果を上げていこうという風土があります。
そのため、とても接しやすい方が多く、このあたりは前職の雰囲気と近いなと感じました。組織貢献意欲も非常に高いと感じます。

危うさを感じる点

なんとなく「大手よりベンチャーがいいって言いたいの?」と捉えられる気がするので、あえてベンチャーのややネガティブな点もあげておきます。(※あくまで主観ですが)
最も感じるのは、スピードが早いあまり、明確に体制やルールが整っていないまま走ることが結構あるということです。(走りながら考える感じですね🏃‍♂️)
そのため、どうしても施策が属人化したり、整わないまま走っていたりするので、途中から加入したメンバーはキャッチアップが結構大変です(実際苦労しました)
日系大手から来ると、ここは一番苦労するポイントかもしれません。
拡大や変化に意識がいきがちのため、立ち上げは得意だと思いますが、今あるものを確実に回すための体制づくりや運用はどちらかと言うと苦手な印象です。

転用できると感じたスキル・経験

上記のような違いを感じていますが、前職の経験が使えないかというと、そうは全く思いません。
むしろ、大手企業で培った経験が活かせるポイントは多くあると感じています。
上述した「イノベーションの起承転結」で考えたとき、私は前職で「転」「結」の経験を主に積んだわけですが、これは「起」「承」フェーズで非常に役に立ちます。
組織や事業が拡大したときに、それを回していく際にどこがボトムネックになりそうか?といった感覚を持てているので、立ち上げ段階でその懸念点を消す作業ができます。
これは結構大事なことだと思います。
例えば何かプロジェクトを立ち上げる時、「誰でも回せる状態にするためには何を整えておくべきか?」であったり、かなりオペレーショナルですが「わかりやすいマニュアル・運用ルールの作成」だったり、将来的に工数で破綻しそうな部分について「置き換えの手段」を検討しておくなど、立ち上げフェーズで掛け合わせると価値になるようなポイントは結構あります。
バランスは意識しないといけないと思いますが😅
このように掛け算でキャリアがつくれると、希少性が上がりますね。

👇キャリアの大三角形という考え方、共感しているのでシェアします

入社当初  意識していたこと

人生初の転職だったので、不安がなかったというとウソになります。(ワクワクの方が大きかったのは確かですが)
そこで、入社前後で意識・実践したことでよかったと感じている点を3つ挙げます。

小さなお役立ちを積み重ねる

まずは、上司やメンバーから信頼を得る必要があります。
私はエンジニアの採用担当をしているので、現場のエンジニアとの信頼関係構築も非常に重要です。
そこで私が意識したことは「小さなお役立ちを積み重ねていく」ということです。
特にベンチャーだと変化が激しかったり、スピードを重視しているので、「今すぐやらないといけないわけではないけど、やった方が良いこと」は結構多いと感じます。
最初の1ヵ月くらいは、キャッチアップや必要な領域のインプットなどがメインで、業務でいきなりバタバタするということはあまりありません。(若干甘えかも、、、)
そのため、「今すぐやらないといけないわけではないけど、やった方が良いこと」でお役立ちするチャンス期間とも捉えられます。
・Div別の採用HP作成推進(立ち上げたけど思うように進んでない状況でした)
・Techブログからカジュアル面談に誘引するための動線づくり
・社外にオープンしている求人票の更新・改修
・ダイレクトスカウト状況の分析(スプシの整理など)
・採用イベントの企画(これは前職の経験が非常に役に立ちました)
など、かゆいところに手が届いていないようなポイントで小さなお役立ちをすることを意識しました。
困りごとを聞いて「僕やります!」的な姿勢を繰り返すうちに、直接聞いたわけではないですが、「ちょっとは信頼されたかも」と感じることが増えました。

社内人脈構築に常にアンテナを張る

一番重要なのはここだと思います。
なんだかんだ言っても、人脈の多さが仕事の成功要因の一番重い部分を占めていると思います。
社内説明会で、説明している人の自己紹介スライドにTwitterのアカウント情報が乗っていたらすぐにフォローしてました(笑)
(ちなみに、それがきっかけでランチに誘っていただいて、前職の上司とお繋ぎしてコラボイベントを企画するということまで関係が広がったりもしました)
Div内でエンジニアのリファラル採用チームをつくろうとなったときも、「これ主導したらエンジニアとの関係構築できそう」という思いでやや下心(?)もありつつ、手を挙げて立ち上げをさせていただきました。
おかげさまで、エンジニアの方に対してイベント登壇やインタビューの協力などを依頼しやすくなりました。

社外の人脈やサービスでインプット

ベンチャーに限った話ではないですが、基本現場は忙しいものです。
キャリア入社者は、新卒と違ってある程度即戦力としての働きが期待されます。
キャリア入社者に対して、盤石な教育体制やメンタリング制度が整っていることはあまりないのではないかと思います。
そのため、社内のみでのインプットには限界があると感じていました。
私の場合、前職で新卒採用については一通り経験し、勘所も持っていますが、キャリア入社は初めてです。
またIT系の知識にも疎く、スピーディーにインプットしないとアウトプットが遅れてしまいます。
そこで意識したことは、社外の人脈やサービスに頼るということです。
・前職時代仲良くしていただいたエージェントの方(エンジニア時代の職場の先輩で今は人材系に勤めている方)にキャリア採用事情についてヒアリングする
・知り合いのITエンジニアに時間をもらってヒアリングする
・おすすめの書籍を聞いて読み漁る
・知り合いが運営するコーチングサービスを活用する(同業で採用マネージャーをされている方をお繋ぎいただいたりしました)
など、勤務時間内外問わず、積極的にインプットすることで比較的早くアウトプットを生み出せたと感じています。
前項の内容とも被りますが、本当に人脈命だなーーと改めて強く感じました。

細かいことをお話すると、他にもいろいろありますが、大きくはこの3つを意識・実践することで、比較的早く組織に馴染めたと感じています。

まとめ

長々と書いてしまいましたが、ベンチャー企業に転職して感じていることをまとめます。
■とにかくスピードが早い!(変化も激しい)
■0→1フェーズを経験できるチャンスが多い!
■運用は煩雑になりがち。基本走りながら考えるスタイル。
■成果主義!だけどチームワークも重視!年功序列はない!
■大手企業で培った経験・スキルも転用できる!
■社外の人脈やサービスで積極的にインプットすべき!

これはビジネス職でもエンジニア職でも言えることですが、ベンチャーで特に魅力的だなと感じるのは、「変化が激しい分、変化に対応する能力が身につきやすい」ということです。
これはVUCAの時代と言われる現代において、非常に重要なことです。
この環境に身を置くことで、現代で「生きる力」を身につけることができると思います。

長文となりましたが、ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました!
転職やキャリアに悩んでいる方に、少しでも良い影響や気づきがあれば、非常に嬉しく思います。
みなさんのキャリアが良い方向に進むことを心より願っています。

オンライン座談会の告知

最後にちょっとした告知です。
前職が同じ会社で、今はスタートアップでAIエンジニアをやっている方と不定期でフランクなオンライン座談会を行なっています!
もしご興味ございましたら、お気軽にTwitter(@nakashi_HR_CC)からDMください!

👇座談会の概要です
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『ITエンジニアのキャリアについてフランクに語る会』
【背景】
ITエンジニアのキャリアを考えるにあたって、実際の転職事例や現場の意見も踏まえてフランクに雑談できる場があれば良いなという思いから企画しました。
「少人数でフランクに雑談できる場」にこだわって定期的に開催できればと思っています。
・日系大手からスタートアップに転職したAIエンジニア
・日系大手からベンチャーに転職した採用人事
2名の視点から、いろいろな話をできればと思っています。
【概要】
・採用担当から見えているITエンジニアのキャリアについて
・スタートアップでエンジニアが感じているITエンジニアのキャリアについて
などを中心に、皆さんの疑問や気になっていることを一緒に考え、気づきを得ていただくことを目的にしております。
転職支援を目的にしたイベントではないため、「転職は考えてないけど話は聞いてみたい」といった方でも、大歓迎です!
(もちろん、ご要望があれば、個別の転職相談などもお受けします!)
【こんな方におすすめ】
※基本的には、ITエンジニア向けのコンテンツになっております。
・なんとなく転職を考えている方
・転職経験者の話をフランクに聞いてみたい方
・ITエンジニアのキャリアについて、エンジニア・人事両面の視点から雑談してみたい方
・ベンチャー/スタートアップ企業での働き方に興味がある方
【開催方法】
オンライン開催(zoomかgoogle meetを使ってます)
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