【短編小説】嫌われないでね。
嫌なことがあるとわたしは好きなことに集中します。
すると、嫌なことが見えなくなります。
そして、嫌なことはなかったことになります。
だから、わたしに嫌われないようにしてください。
「ハヤシさんが倒れている!!」
「救急車、救急車!! 息していない!! AED取って来てー!!」
廊下で人が右往左往する様がすりガラス越しに見える。
わたしはトイレでメイク直しに専念した。
あ、口紅も塗り直さないと。
口角の上がった唇へお気に入りの口紅を当てた。
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