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第3回SDGs担い手育成講座(2022年度)

第3回SDGs担い手育成講座を開催しました。この講座の概要、第1回、第2回の講座につきましては以前記事を作りましたので、こちらをご覧ください。

・トヨタ白川郷自然學校概要

第3回SDGs担い手育成講座のご報告

狙い

第3回:未来について本気で考え、本音で語る
第3回は現場体験として、白川郷学園を訪問し、学園8・9年生(中学2年・3年生)と交流し、白川村の未来を担う子どもたちの想いに触れる機会としました。また、ゲストにトヨタ自動車株式会社 代表取締役会長の内山田竹志 氏やWoven Planet Holdingsの代表取締役CEOのジェームス・カフナー氏にお越しいただき、未来に目を向け、可能性溢れる多様な未来について考えていただき、自身の想いを深めていただきます。

参加者

年間を通した連続講座の第3回は12都県17大学から19名の若者が参加しました。

スケジュール

【1 日目】
  PM 白川郷学園集合
     開会・オリエンテーション
     白川郷学園 8・9 年生合同授業出席「未来の担い手と交流」
   夜 ゲストトークⅠ「わたしが白川村の図書館で働くわけ」
     講師:深田茉由氏(一般社団法人ホワイエ 副代表)
     懇親会 
【2 日目】
  AM 朝の森の散歩
     ゲストトークⅡ「イノベーションが未来を拓く」
     講師:内山田竹志氏(トヨタ自動車株式会社代表取締役会長) 
  PM ゲストトークⅢ「Human-centered Mobility」
     講師:ジェームス・カフナー氏(Woven Planet Holdings 
     代表取締役CEO兼トヨタ自動車株式会社の取締役・執行役員)
     グループセッション
   夜 懇親会
【3 日目】
  AM 自分と向き合う個人ワーク
     グループセッション
  PM クロージング

活動の様子

①開会・オリエンテーション
まず簡単な近況報告などを含めた挨拶をしました。3回目となると久しぶりの再会でも緊張することなくすぐに打ち解けあい、自然と会話が弾みます。
また、白川郷学園の生徒との意見交換会の準備としてコミュニケーションについて考える時間をとりました。マスクをつけた状態では表情が読み取りづらいので、大きな動作で「見える相づち、伝える相づち」を大切にするようレクチャーを受けました。

學校長によるコミュニケーションについてのレクチャー

②白川郷学園8・9年生合同授業「未来の担い手と交流」
白川郷学園の説明や白川村の議会へ発表する提案内容について生徒からお話していただきました。村民学や結クラスなど他にはない取り組みに驚き、白川村の抱えている問題を自分ごととして考え、発信する力を身につけている姿に関心していました。意見交換会ではプレゼンテーションの内容を深掘りするだけでなく、普段の生活などざっくばらんなトークテーマで盛り上がっていました。

白川郷学園の生徒によるプレゼンテーション
意見交換会

③ゲストトークⅠ「わたしが白川村の図書館で働くわけ」
 講師:深田茉由氏(一般社団法人ホワイエ 副代表) 
移住者でもある深田氏に「なぜ白川村で生活しているのか」「白川村の図書館の現状と課題」など熱く語っていただきました。「図書館にはどんな価値があるのか」「本への抵抗感を減らすにはどのようなアプローチが必要なのか」ご自身が持つ本への情熱とそれを伝えるための取り組み内容について、ご紹介していただきました。

④朝の森の散歩
2日目の朝、自然學校周辺の森を散策しました。森の野生動物の痕跡を見つけたり、全力で雪合戦をしたりして、自然のなかでリフレッシュした1時間となりました。

⑤ゲストトークⅡ「イノベーションが未来を拓く」
 講師:内山田竹志氏(トヨタ自動車株式会社 代表取締役会長) 
初代プリウスの開発責任者である内山田氏をゲストに招き、プリウス開発までのエピソードを中心にお話しいただきました。「21世紀の新しいクルマをつくる」という目的のもと、圧倒的な低燃費性をもつ車をつくるため、どのような歩みがあったのか。苦労話も交えながら語っていただきました。また過去の話しだけではなく、現在の取り組みや未来への発展など「できる事ではなく、やるべき事をやる」というトヨタ自動車がもつ信念にも触れていただきました。

⑥ゲストトーク「Human-centered Mobility」
 講師:ジェームス・カフナー氏(Woven Planet Holdings代表取締役CEO兼  
              トヨタ自動車株式会社の取締役・執行役員)
近未来実験都市ウーブンシティーについてカフナー氏からお話しいただきました。「技術開発が目的ではなく、ロボットやAIが発展することにより、人と地球に健康と幸せを届けることが目的」「より良いものを作るためには実験が必要」「不自由な人に新たな選択肢を」など大切にしている想いや考え方などを伺うことができました。

また、内山田氏とカフナー氏の話についてグループに分かれて感想や意見を共有しました。「誰もやらないこと=リスクがあることへの挑戦がすごい」「水素を広げるために行えることは?」「自由を奪われる人を減らすためにテクノロジーの発展が必要だとわかった」「とりあえずウーブンシティーに行ってみたい」など、様々な言葉が飛び交いました。

⑦自分と向き合う個人ワーク
最終日の朝、今回初めて取り入れられた時間。その名も「ウェルビーイングタイム」。それぞれが好きなように過ごしながら2日間を改めて思い返し、自分の中に芽生えた新たな思いや気づきなどを言葉にする時間です。ロビーの暖炉を眺めながら当校オリジナルの野草茶を飲める場所があったり、冷え切った合掌家屋の中で温かいコーヒーを飲むことができる場所があったりと、それぞれがのんびり満たされる時間を過ごしていました。

⑧グループセッション
個人でふりかえったことをグループで共有する時間です。誰かに話すことで考え方の幅を広げ自分の考えをまとめていました。また、「伝える」ということにフォーカスし、理解できたか、共感できたかの2つの視点で感想を伝え合っていました。

⑨クロージング
最後に、3日間の感想や印象に残ったことを全体で共有し、第3回の幕を閉じました。講座の内容だけではなく、「白川郷の自然が移り行く姿に感動した」「みんなに再会できて楽しかった」などの声が印象的でした。最終回も全員が集まれることを祈り、無事終えることができました。

なお、今回は21年度の講座OBOGの4名も参加し、第3者目線で日々の活動の学びや印象に残ったことにフォーカスし、デイリーニュースとして作成してくれました。参加者からも「見方が違って面白かった。」「ふりかえりができてよかった。」「2泊3日のなかで、どんな講演を受けてきたのか思い出すきっかけとなってよかった。」などの意見がありました。

21年度OBOGが作成したデイリーニュース

実施結果(主催者所見)
今回は白川郷学園の生徒たち、深田氏、内山田氏、カフナー氏と多くの方々にご協力いただきました。参加者にとってはインプットの時間が比較的多く、理解が及んでいなかったこともあり、モヤモヤした気持ちが生まれたと思います。ですが、そのモヤモヤがとても大切で、答えのない問いに対して真剣に考える皆さんに感動しました。
また、何かを成し遂げるためには多くの人の力が必要でそのためには理解してもらうことと伝えることが重要で、その根底にあるのは“こころ”であることも感じたのではないかと思います。
そして今回強く印象に残ったのは参加者自ら次回の宿題について提案が出てきたことです。この講座の主役であることを自覚し、主体性が育まれてきた証拠だと思います。ぜひ、最後まで頑張っていただきたいと願っています。

参加者の皆さま、ご参加いただき、ありがとうございました。また、第4回に会いましょう!

2日目朝の森の散歩で、集合写真