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「香度®」を利用して、愛媛の特産品の魅力を香りで伝える【株式会社レボーン】

株式会社レボーンが独自で開発したこれまで曖昧だった“香り”を可視化する新しい概念「香度®」。同社は2022年度のメイン検証として、えひめ香る地酒プロジェクト「さくらひめシリーズ」(2023年3月より販売スタート)の魅力を香りで表現するプロジェクトを実装している。「目には見えない香りを可視化し、魅力を伝える」とは、いったい?今回は株式会社レボーンの実装検証成果についてレポートする。

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「香度®」とは

まず、最初に「香度®(コード、カオリド)」についておさらいする。

■「香度®(コード、カオリド)」とは

果物では甘みの参考指標となる「糖度」の測定および表示が近年普及し、これにより銘柄のブランディングが可能となり、消費者の購買意欲に大きく影響を及ぼすようになった。レボーンでは新たな香りの指標として「香度®」を策定することで、香りに特徴のある商品の魅力を消費者に正しく伝えられる仕組みを作るとともに、品質管理といった生産コストの削減や品質向上に貢献するためのツールとしても活用できるよう、香りの客観的な指標づくりの取り組みを行っている。

日本酒の香りの特長を可視化する

ワインと同じように様々な香りが存在する日本酒。香りの成分だけでも、なんと100種類を超えるといわれている。しかしながら、これまで国際標準の香りの指標は存在しなかった。
そこで、同社独自のソリューションによって日本酒の香りを「香度®」として可視化し、“えひめ香る”のキャッチコピーとともに販売された「愛媛さくらひめシリーズ」のマーケティングに活用する。今回、商品発表にて全22銘柄の香りを展示する機会を得て、同社の技術「香度®」による日本酒の香りの可視化を試みた。

「 愛媛さくらひめシリーズ」22銘柄

■香りを可視化する

香りの要素は一般的に非常に複雑であることから、香り指標を策定するにあたってはどのような対象者に向けた指標(表現)であるかが重要である。今回は商品発表会に来場される一般消費者が対象となることから、彼らがイメージしやすい指標であることを念頭に指標の作成プロセスを検討した。

ファーストステップとして、まずは、「官能評価用語の確立」(基礎検討)を行った。官能評価用語を確立させるために、官能評価フレーバーホイールの作成・検討を実施。その後、官能評価表現手法の作成と検討を行った。
 
官能評価用語の確立後は、「日本酒官能評価」に着手。
日本酒の評価は、第一期検討と第二期検討の2回に分けて実施した。
 
愛媛さくらひめシリーズ全22銘柄の検証については第二期検討フェーズのため、第一期では同シリーズ4銘柄と、既に販売されている愛媛県内の日本酒、そして県外の日本酒を比較した。

官能評価用語を確立する

専門家用に検討したフレーバーホイール

ファーストステップの「官能評価用語の確立」では、実際に日本酒を確認しながら、日本酒の香りに関する表現を中心とした評価ワード「日本酒フレーバー(アロマ)ホイール」を作成した。

さらに、日本酒を消費者に紹介する際のコミュニケーションツールとして、フルーツや食べ物の名前、「みずみずしさ」「やさしい」「クリア」などといったイメージしやすい言葉で日本酒の香りを伝えるための官能評価表現手法の検討も実施した。

日本酒官能評価の実施

専門家用のフレーバーホイールを使用して、第一期検討に使用した銘柄の評価を行った。得られた評価データを分析し各日本酒にどのような差異があるかを観察。また、消費者にとって親しみやすい言葉で構成された評価表を作成した。その評価表においては、専門的な評価との整合性の確認もできた。
 
さらに、それぞれの日本酒の特長を分かりやすく表現できるかも検証。フレーバーホイールを利用することで、概ね日本酒の香りによる違いを表現できることが分かった。

■今回確立した日本酒香度®の生成フロー

単に商品を比較できるだけでなく、今まで訴求が難しかった香りの魅力をPRできるツールとして、商品発表会では来場者や蔵元、来賓など方々より好評を博した。
 
【来場者コメント】
・日本酒の香りの特徴がわかりやすい
・お酒を飲むのが楽しくなる
・日本酒を選ぶための参考になる
 
【蔵元コメント】
・香りを説明しやすい
・香りの表現として新しい部分がある
・自分がこだわっていたところが表現されていたので嬉しかった

商品を選ぶ際の販促ツールとして、また今まで香りでの訴求が難しかった商品のブランディング強化といった用途での活用が期待される。今後は製造者に向けた品質管理用の詳細な指標の提供や、日本酒以外の商品カテゴリーへの展開といった取り組みについても実施していく予定だ。

日本酒以外でも成果を実感! 「香度®」で愛媛のブランド力向上に期待!

新しい概念「香度®」を使い、においの可視化についてチャレンジをしている株式会社レボーン。ワインのように日本酒にも香りを言葉で表す標準的な手法が体系化されれば、日本酒の魅力をより多くの消費者に届けることができる。また、今回のプロジェクトでは日本酒以外にも、「ウイスキー」、「フルーツ魚」、「柑橘」の香りの可視化についても検証を行っており、それぞれ有益なデータが得られている。「香度®」が愛媛県内の特産品に使われ、私たちの日常に浸透する日もそう遠くないかもしれない。
 
えひめ香る地酒プロジェクト
「愛媛さくらひめシリーズ」公式サイトはこちら


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