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【歴史概要62】モンロー宣言・中南米諸国独立

①アメリカ合衆国、フランス革命はラテンアメリカ地域に大きな影響を与えた。最初の変動はフランス領のハイチ(サン・ドマング島西部。東部はスペイン領)で起こった。

②ハイチは1697年のファルツ継承戦争後にフランスがスペインから獲得した。フランス革命、ナポレオン戦争による本国の混乱のなかでスペインやイギリスがハイチに干渉してきた。

③この島の黒人奴隷は反乱を頻発していたがフランス革命に際し奴隷解放が行われフランスは奴隷の協力を取りつけていた。しかしナポレオン政権下で再び奴隷制は復活された。

④黒人指導者のトゥーサン・ルベルチュールが中心となり抵抗運動を行った。そしてナポレオンもハイチの独立を認める事となった。

⑤ナポレオン戦争に呼応する形でスペイン支配下のラテン・アメリカ諸国にも拡大していった。南米はシモン・ボリバールやサン・マルティンらの指導でコロンビアやペルー、ボリビアなどが独立していった。

⑥メキシコはイダルゴたちの活躍で独立した。その他の国々もこれに続いた。しかしウィーン体制が成立するとメッテルニヒはこの動きに封殺をかけてきた。

⑦これに対してアメリカ大統領のモンローは1823年にモンロー・ドクトリンを発表した。主に「新大陸の政治に旧大陸が干渉する事」の牽制であった。この精神は19世紀を通じてアメリカ合衆国の外交方針となる。

⑧19世紀の中ごろからアメリカがメキシコと戦争をし、西方の領土拡大をしていくなかでモンロー体制は拡大解釈されるようになる。「南北アメリカ大陸の問題に旧大陸諸国は干渉するな」という態度になっていく。これは現代におけるラテン・アメリカ諸国の反米姿勢にも繋がっていく。

■参考文献
『30の戦いからよむ世界史 下』 関 眞興 日本経済新聞出版社

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