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Appleの新しいCMに思うこと

歴史の勉強、好きでしたか?
僕は日本史は好きでした。日本という小さな土地なのですべてが時系列で進んでいくのでイメージしやすかったのも理由の一つだと思います。一方、世界史になると、同じ時代に様々な国でいろんなことが起こって、時系列が整理できずに混乱するし、ヨーロッパの国境が変わりすぎてまったく理解できませんでした。

そんな歴史、義務教育では必ずやらなければならないお勉強のひとつということは、重要な意味があるはずです。

まあ、いろいろ勘繰った口では言えない目的などもあるのかもしれませんが、もっと純粋に歴史を学ぶとは何か、と考えた時、僕はひとつにこれが挙げられると思っています。

「過去からの学びを得ること、そして過去をリスペクトすること」

今、私たちの生活環境には便利はものが溢れています。スマホ、パソコン、冷蔵庫、洗濯機。お風呂もボタンひとつでお湯張りできるし、電車や車、飛行機に乗ればどこにでも行ける。

大学の8階でレッスンしていても建物が崩れずに安心して1日過ごせるのも建築技術があってのこと(若干不安な築年数ですがそれは置いておくとして)。

これらひとつひとつの道具や技術にはすべて歴史があります。人間が頭を使って工夫して道具を作り、建造物を作り、命を落とした人もたくさんいたことでしょう。そうした先人の決死の努力があっての現在の生活があるのだ、と考えたら、過去の人や文化に敬意を払うべきだと僕は思うのです。そして、過去の行動を参考に、私たちはこの先どのような選択肢を選ぶべきなのかを学ぶことが大切です。戦争が悲惨な結果しか生み出さないのはこれまでの歴史で十分わかっているはずなのに、目先の利益やくだらないプライドだけでミサイル打ったり爆弾を爆発させているのを見ていると勉強って本当に大事だなと思うわけです。

そして今回のタイトルのお話。先日、Appleの新しいiPadのCMが大変ショッキングでした。真っ先にトランペットがぐちゃぐちゃに潰され、その後ピアノやらアーケードゲームの筐体やら、あらゆる文化的なものがプレスされ、iPad一枚に集約された、という動画。もう見たくないのでここに動画は載せません。各自でお調べになってください。

僕はPower Macの時代から25年以上Apple製品ばかりを使っていますが、今回の動画だけは納得いきません。

歴史を愚弄しているとも捉えられる先人の努力に対してのリスペクトが欠如した動画です。何もプレス機でクラッシュさせなくても、UFOが全部吸い上げてiPadにして返してくれたって、魔法使いが出てきてiPadに取り込んだって良いわけで、表現方法はいくらでもあったはずなのに、なぜ潰して破壊する必要があったのか。

Appleが炎上目的でこんなCMを作るとは思えないので、少なくとも良い意味でインパクトがあると思って作ったのでしょうね。

これでは敵地に乗り込んで貴重な文化財をいとも簡単に破壊する軍隊と同じです。納得いきません。


荻原明(おぎわらあきら)

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