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刑務所から仮出所して13日目

初めまして。おはようございます。こんにちは。こんばんは。

私は神戸刑務所から令和4年7月13日に仮出所をした元受刑者です。

元受刑者がこうして発信することに大きなアレルギー反応を発してしまう方も大勢いらっしゃるかと思います

しかし、世間のメディアでは逮捕から裁判で懲役○年という判決が出る所までを報道し、その後その被告人がどのように刑務所内で生活をして、出所後に元受刑者がどのように生活をして更生していくのか
その後のことが全てブラックボックス化しているのではないのかと思ったのが、このノートを始めたきっかけでもあります。

なので、元受刑者が出所後にSNSで発信していくことに嫌悪感を抱く方々も居るかと思いますが温かい目で見て頂けたらなと思っています。

もしどうしても我慢できないという方はここで読むのを止めておいて下さい。

私は令和2年3月に裁判が終わり判決が懲役3年未決勾留が約2ヶ月程あり、その未決勾留を差し引いて懲役2年10ヶ月の刑期と決定しました。

「未決勾留」とは、犯罪の容疑をかけられている被疑者・被告人が、逮捕されて刑事裁判の判決確定まで、刑事施設において勾留を受けている状態を指します。未決勾留を受けている期間を指すのが「未決勾留日数」です。

日本国憲法第31条は、国民の誰もが法律の定める手続きによらなければ刑罰を科せられないことを明記しています。わが国の刑事司法では「推定無罪の原則」が採用されていますが、被疑者・被告人の段階における身柄拘束はまさに「犯人として刑罰を受けているのと同じ」です。そこで、被疑者・被告人の権利を保障する観点から、未決勾留日数について刑期に入れることで、その分は「刑罰に服したもの」として考慮できる制度

なのですが、警察署に勾留されている期間全てが未決勾留分になる。
という程、世の中は甘くなくて判決の際に裁判長から未決勾留日数を伝えられるのですが、大体3分の2くらいになります。

なので、裁判が結審するまで3ヶ月の間を留置所又は拘置所に勾留されていた場合未決勾留日数は2ヶ月程となる計算です。

この未決勾留日数については裁判官による裁量が大きく、未決勾留日数をあまり含んでくれない裁判官に当たってしまうと3分の1程しか貰えないという事も他の受刑者からの情報で聞きました。

今回の事件の内容や何故事件を起こすに至ったかというバックグラウンドなどについてはゆくゆく詳細を発信していこうと思っています。

なので今回のノートについてはその辺りの事については割愛させてもらいます。

これからのノートでの発信を追って頂けると有り難いです。


少し話が脱線してしまいましたが、元の車線に話を戻しますと懲役2年10ヶ月と判決を言い渡された時、

私はまだまだ不十分な人間であり、金の亡者で悪魔に取り憑かれていて心はまだ闇の奥深くの深淵に沈んだまま


だったので、私の正直な気持ちと致しましては数千万円稼ぐ事ができて懲役2年10ヶ月ならば安い(刑が軽いな)ラッキーだったなと感じました。

それからの受刑生活で様々な本を読み、勉強をして少し成長した心・頭で考えると
被害者の方々の気持ちや犯罪に巻き込まれた時の恐怖感などのトラウマは私が刑務所で2年10ヶ月務めるだけではとても賄いきれないと思います。

これは今の私の正直な気持ちであり、嘘偽りは一切ありません。

刑務所内には何も反省せずにダラダラと刑期を過ごし、刑務所の中で悪友たちを作り再び悪事の準備をするようなとても同じ人間とは思えないような獣が大勢居ます。

勿論私もそんな偉そうな事を云えた人間ではないのですが、私が刑務所の中で受刑者と接して感じた事です。

人間という生き物は変化を嫌う生き物であり、このnoteを読んでくださっている中にも

転職しようと考えたり、スキルアップの為に勉強しようした時、億劫になり二の足を踏んでなかなか自分を変えることができない

そういった経験をした事はありませんか?
それには人間の習性が関わっていて、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、

現状維持バイアス

というものが人間には備わっていて、人間自体元々は動物の為リスクを避けて自分を守る様にできているのです。

なので、何かと理由をつけ変わろうとしない様になるのです。

これは犯罪者にも当てはまる事で、寧ろ犯罪者の方がこの現状維持バイアスが働きやすいかなと私は思いました。

リスクとリターンの計算が出来ず、目先の利益を優先する思考回路の犯罪者がとても多く出所後に更生し真面目に働く事が厭で再び犯罪を犯してします。

犯罪を犯した時に得れる目先の利益にばかり目がいってしまい、更生して刑務所に二度と戻らないというリターンの計算が全く出来ないのです。

刑務所の中にいる受刑者とたまに話しをさせて頂くと、多くの受刑者が

俺達は犯罪を犯し、刑務所に来て、前科もあり、仕事なんてどうせ探しても見つかりっこない。だから出所してもまた犯罪を犯して生活をしていくのだ。

と声高々に云います。これは典型的な現状維持バイアスです。
まさに模範解答のような答えを云ってくれるなと感心してしまった程です。

何故仕事を探しても居ないのに、仕事がないと勝手に思い込んでいるのか。私にはとても理解できません。

まずは行動をしなければ何も始まらないのに、アクションを起こさない。口を開けばまず言い訳を探す。これが犯罪者の習性であり、かくいう私もその1人なのです。

そんな私が悪戦苦闘しながらも更生に向けて歩いていく。それがこのnoteの醍醐味でもあります。

拙筆な私ですが、少しでも興味がある方はこれからも読んで頂けると嬉しいです。

皆さんが豊かな人生を歩めますように。

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