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[翻訳] あなたのエッジはどこにあるのか by Kevin Rabichow

自分より下手そうに見える相手を前にした時に漠然と「エッジがありそう」と考えることがあります。でも具体的に自分はその相手のミスを突く方法を理解しているでしょうか。
また、自分のゲームプランは、自分が得意で、相手がミスをするスポットへ導くようなものになっているでしょうか。

今回は、Kevin Rabichowが「エッジ」について語っている記事を取り上げ、翻訳したいと思います。

Kevin Rabichow @KRabichow

Define Your Edge

投稿日: 2021年2月19日

あなたが他のプレイヤーより優れていることは何ですか?

もし私が2年前にこの質問をされたら、回答に困っていたでしょう。ミスを見つけて修正することばかりに気を取られていて、自分が上手くできていることは何なのかを考えることはありませんでした。自分は何が得意か、ゲームのどの部分において相手より優れたプレイができるか、あなたは自分で言えるでしょうか。あなたは自分がどのようにエッジを生み出しているか、理解しているでしょうか。

エッジというのは、誰かが悪いプレイをしたからと言って、直ちにあなたの残高に加算されるものではありません。
ポーカーキャリア初期の頃、この部分に私のメンタルゲーム上のリークがありました。私はテーブル上で相手のミスを明確に見つけることができるのだから、長期的には勝てるはずだと思っていました。相手のほうが下手なプレイをしているのだから、私は勝つに決まっていると思っていました。しかし、相手のミスが、自分のゲームプランのその部分に、どうマッチしているのか考えていませんでした。
ゲームツリーの中で私が充分研究できていない部分に関して、相手側の戦略に隠されたバリューがあったかも知れません。ミスを特定できたとしても、そこから利益を引き出す方法が正確にわかってなければ意味がありません。

エリートのプロアスリートですら、そのスポーツのすべての側面においてベストであることを目指している訳ではありません。ただ十分得意なことが多いのです。セリーナ・ウィリアムズ(テニスプレイヤー)のプレースタイルについて、Wikipediaに書かれている説明を見てみましょう。

ウィリアムズは主にベースラインプレーヤー* であり、彼女のゲームはパワフルで安定したサーブ、サーブのリターン、そしてフォアハンドとバックハンド両方の力強いグランドストロークによって、ラリーを即座にコントロールする能力を中心に組み立てられている。
[*訳注: テニスコート後方でのプレイを得意とするプレイヤーのこと]

ウィリアムズのフォアハンドは、両手のバックハンドと同様、女子ゲームにおいて最もパワフルなショットのひとつとみなされている。ウィリアムズはバックハンドのグラウンドストロークをオープンスタンスで打ち、フォアハンドも同じオープンスタンスで打つ。ウィリアムズのアグレッシブなプレー、「ハイリスク」なスタイルは、女子テニス史上最高と言われるサーブによってバランスを保っている。

セリーナがコート上で成功するためのアプローチが明確に記載されています。彼女の身体能力が最も有効に活かされるのは、ベースラインプレイと強力なサーブを中心とした戦略であることを彼女は認識しているのです。
もちろんセリーナもネットプレイの練習をしているはずですし、相手も毎回彼女に深いベースラインショットを打ってくれるほど優しくはないでしょう。しかし、試合において彼女はベースラインに留まることができるショットをより多くプレイしているのです。
では、すべてのテニスプレイヤーは次なるセリーナ・ウィリアムズになるために、筋力トレーニングとベースラインショットの練習をするべきでしょうか。もちろん違います。プレイヤー一人ひとり、異なるスキルセットを持っています。それぞれが得意なことに着目し、それを強調するユニークなゲームプランをデザインするべきです。

ポーカーにおいて、これはどのようなものになるでしょうか。理論的に正しいプレイというものがあるにも関わらず、本当に私たちは独自の「プレイスタイル」を開発するべきなのでしょうか?絶対にイエスです。特に、ノーリミットホールデムにおいては、自分の戦略を実行する方法が無数に存在します。

フロップCBで、ポラライズしたレンジとリニアなレンジのどちらを使うか。どちらも成功する可能性はありますし、理論上のEV差は非常に小さいですが、ポラライズさせる方法のほうが、より高頻度でチェックバックすることになります。フロップのチェックが増えることで、より多く恩恵を得るのはあなたと対戦相手のどちらでしょうか。
また、あなたはプリフロップでリンプしたり、レイズサイズを変えるという選択をすることもできます。
あるいは、レイズに対して3bet or フォールドでプレイすることもできるし、コールドコールを混ぜてプレイすることも選べます。

目指すべきゴールは、ゲームツリーの中で、あなたが誰よりもよく知っている部分へ自ら入っていくことです(EVを犠牲にしない方法で)。あなたが持っているスキルセットと知識を踏まえて、自分が勝てる場所に自分を連れて行けているかどうか、よく考えてみましょう。

プレイヤーとしての自身の強みを明確にできれば、自分の弱みについても明確になります。自分にとって改善が必要な部分とそうでない部分を明確にしましょう。
弱みを補強して新しい強みを作るべき時に、すでに理解していることの勉強に多く時間を使ってしまっているプレイヤーがよくいます。座学方法についてはまた別の記事で詳しく説明しますが、座学を始めるより前に、まず自分のゲームを正直に分析することのほうが重要であると改めて強調しておきます。
プレイヤーとしての自分自身を評価することに時間をかけて下さい。そうすれば、自信を持って自分のゲームプランを実行できるでしょう。

翻訳元: Define Your Edge (kevinrabichow.com)


翻訳は以上です。読んで頂いてありがとうございました!

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[2023/9/27 update] 本記事の続編にあたる記事を翻訳しました。ぜひこちらも併せて読んでみてください。 

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