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ハーフバースデー

6ヶ月0日目。
ハーフバースデーと呼ばれるこの日。

妻の家族は、お七夜、お宮参り、お食い初め、節句など、ことごとく何もしないタイプの家だった。

そういうことを出産後に知ったので、うちの家族とも多少揉めたこともある。

そんな妻が
「ハーフバースデー何する?」
ときたので、面食らってしまった。
なお、この発言は当日である。

数々の子供の行事を捨て、なぜかハーフバースデーだけはやりたがったのだ。

ただ、行事に対する考え方が違うことも、こちらの気持ちを無視した発言をしてくることも、すでに出産後の妻との会話の中ですでに承知済みで、それに怒っていてもしょうがないことも経験済みなので、心の中では呆れたが
「写真撮ろうか」
と答えた。

さらには、自分は授乳があるので出掛けられない、という空気感を出している。

なるほど、どういう写真にするのか考えるのも、そのために必要なものも、私が用意してくれると思っているのだ。

もはや色々諦めて、インスタやブログからハーフバースデーに関する先人達の知恵を借り、ダイソーへ走ることにした。

happy birthdayのガーランドと、1/2のキラキラ風船を入手して帰宅。

すでに夕方なので、子どもをお風呂に入れてから撮影することにした。

子どもを風呂からあげ、さっそく壁に設営。
していると、妻から
「体濡れたから先に風呂入るね」

そもそもこの写真も自分1人で構図を考え、設営していて、はなから協力してもらおうという期待もしていなかったので、
「わかったよ」
と答えることができた。

子どもと2人で撮影会を終える頃、妻が風呂からあがり、妻の母親が買い物のお裾分けを持ってきてくれていた。

当然妻の母親も行事ごとはしない主義だったので、
「邪魔しないように遠目で…。最近はこういうのするんやねぇ」とコメント。

自分としてはいいものになったと自負していたが、興味がないのか、やる意味を感じていないのか、できあがりの写真をみせても、最後まで
「いいね」
とは言わなかった。

とにもかくにも、突貫工事で撮った写真は妻にも共有し、なぜかハーフバースデーだけはお祝いができた。

写真撮影が終わると、遅い時間から夕飯作りがはじまる。

まったく。

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