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いけばな

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季節の花をいけます。
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月と花あしらい

月と花あしらい

一雨ごとに秋が近づくのを感じるこの頃。一年で一番月が美しく見える時期である「中秋の名月」ももうすぐです。

そんな中、去年「新しいお月見」イベントにお花で参加させて頂いたのを思い出しました。2020年の中秋の名月の頃には、尾花(ススキ)とピンポンマム(菊)をいけたのでした。

お花屋さんで、イベント事と絡めて花を売り出す取り組みは年中ありますが、「お月見とセット」というのはまだあまり見かけません。

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ものづくりの時間

ものづくりの時間

生け花には、おおよそこのように花をいけると美しくいけられる、というような形がある程度あり(伝統芸能で言うところの型ですね)、お免状取得のお教室ではその型を覚えて頂けるように進めています。

でも、型を単なる情報として覚えて花をいけてもあまりいい仕上がりになはならないように思います。ただのコピーのような、味わいのない雰囲気になってしまうんですよね。

逆に、この花のこんな可愛らしいところを見所にした

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春の訪れ ピンクのラナンキュラス

春の訪れ ピンクのラナンキュラス

年末のお教室のあと、静かな和室で残った花と枝物で花器いけをしました。

2020年、やはり花に支えられた、花に楽しませてもらった1年でした。
それは私の場合2020年もその前も同じで。きっと今年もそうなるんだろうなと思いながら先ほどチューリップを買ってきたところです。

年末にはチューリップもラナンキュラスも花屋の店頭には並んでいたのですが、12月にいけるには少し季節を先取りし過ぎているような気が

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2021年 note書き初め

2021年 note書き初め

今日も静岡のアトリエから生け花をお送りします。今日も、といってもnoteの更新はとても久しぶり。

2021年を迎え、今年はいい年にしたいといつもの事ながら新年の抱負を抱きつつ、花の水替えをします。新しい水に花をいけ替えるのは、人で言えばお風呂に入るとか、綺麗な服に着替えるとかそういう感覚に近いような気がしてとても気持ちがいいものです。
心なしか花も枝も喜んでいるような。

今回の生け花は年末にい

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ケイトウの魅力に気付いたら

ケイトウの魅力に気付いたら

気がついたら秋口の花の写真が結構たまっていたので久しぶりのnoteを。
2つの生け花をご紹介したいと思います。

ケイトウの生け花

青の器に赤い花ばかりいけました。
ローゼルと赤いケイトウ。
青い器といいコントラストになりました。

それにしても、花は自分に合う色をよく知っていますね。
葉や茎の色の事です。
茎も赤く、葉なんてワインレッドのようなオシャレな色をしています。

高くいけたローゼルは

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処暑の草花屏風 姫ヒマワリと野ばらの実の生け花

処暑の草花屏風 姫ヒマワリと野ばらの実の生け花

暑さの峠を越した頃
と言っても今日はまだまだ残暑厳しい1日でした。

でも早くこの写真をアップしないと時期遅れになってしまう…焦ってnoteを書いています。

野ばらの実、ヒメヒマワリ、鳴子百合をいけました。足元には少しのセダムとシースターファン。

このかたちは器を少し動かすだけで、余白がかなり変わって面白い。

色のある花はヒメヒマワリ一種だけにして。

ならぶかたちでいけました。

お月見

お月見

「新しいお月見プロジェクト」にお花で参加させて頂きます。

きっかけはこちらのnoteを見て。

「お月見」は雛祭りや端午の節句のように日本に昔からある行事だと思うのですが、「いついつにコレをする」のような目安が分かりづらくて、なんとなく過ぎてしまっているイベント・・・確かにその通りだと思います!

そんなことをこちらのnoteを見て気がついたので、9月、10月はお月見のイメージでお教室を開こうか

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利休草とアスターの生け花

利休草とアスターの生け花



利休草なんていかにも茶花っぽい名前の葉物です。

他の花の時も同じですが、特に利休草はツルも葉も絡まると黒く痛んでしまうため、購入する時はツルの先を注意して見て綺麗な状態のものを選びます。

柔らかくてしなやかな利休草のツルはとにかく絡まりやすい。いける時に花材同士で絡まらないように気をつけます。

今回の花材選びは、店頭で真っ先に目に入ったアスターを先に選びました。

アスターに合う葉物は・

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ガーベラの生け花と長持ちのコツ

ガーベラの生け花と長持ちのコツ

立秋といっても、毎日こんなに暑いと実感湧きませんね。
でも夕べは少しだけ風が吹いて、湿度も落ち着いた静かな夜で季節が巡ってきているのを感じました。季節の挨拶も、もう残暑見舞いに切り替えなければいけない時期です。今年の7月は月末まで雨ばかりで、お盆の今はもう立秋。梅雨から一瞬で秋になってしまいそうですね。

写真は少し前にいけた夏櫨とガーベラの生け花です。
ガーベラのスパイダー咲きがアクセントになっ

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撫子

撫子

またまた少し前、5月にいけたピンクの撫子

カーネーションやかすみ草もナデシコ科で茎がみんな同じです。

水墨画のタッチのような葉

節のある茎

切り込みの入った薄い花びら

撫でてみたくなるほど愛らしいから「撫子」

高校時代、校章が河原撫子だったのを思い出しました。懐かしい…。撫子のように可愛らしく可憐な女性になって欲しいという創立者の思いが込められていたんでしょうね。当時は河原撫子って地味

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吾亦紅

吾亦紅

ワレモコウです。

7〜10月に出回る可愛らしい花ですね。

気がつけばもうそんな季節になっていました。ツクツクした面白い姿でバラ科の植物です。今の季節、花屋に行けば店先のミニブーケに混ざっていることも多いと思います。

茎が細くてちょっと寂しい佇まい。

我も亦 紅なりと ひそやかに (高浜虚子)

このような姿の私ですが、私も赤い花なのですよ、という短歌。
控え目な表現が吾亦紅の雰囲気と重なっ

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ガーベラと夏櫨の生け花

ガーベラと夏櫨の生け花

6月にいけた花です。

フリンジが軽やかなオレンジのガーベラと夏櫨(ナツハゼ)を使用し、水辺に生い茂る自然をイメージしました。

水盤に張った水も美しく見えるように意識して。

間にふわふわと挟んでいるのはグラミネ。風にそよいでいるような風情があります。

グラミネはパリスタイルのシャンペトルブーケにもよく使われますね。シャンペトルとは田舎風という意味。素朴な雰囲気がいい味を出してくれ、モヤがかか

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花の終わり

花の終わり

芍薬の花の終わり

満開のまま突然終わりを迎えます。
この終わり方は「くずれる」と表現するそう。

花によって散り方の表現も様々。