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採用サイト作ったほうがいい場合、作らなくてもいい場合

こんにちは、てらみです。3月から株式会社キャスターにジョインしました。キャスターに来る前は、4年間、2社のWeb制作会社でWebディレクターとして働いてきました。今は「at Online PR」という企業の発信を支援するサービスの仕事をしています。

前回のnoteでは、サイト制作だけが手段じゃないよねというお話をしましたが、今回はWebサイト制作の中でもオーダーの多い「採用サイト・リクルートサイト」についてその必要性について考えていきたいと思います。

採用サイト本当にいるかな…?

採用サイトはWeb制作をやっているとオーダーの多いサイトの中のひとつですが、毎度毎度サイトを作っていると、Webディレクターの自分の立場はさておき「採用がしたい」に「採用サイトをつくる」は必ずいるのかな…?というお気持ちが湧いてくることがしばしばでした。

例えば、ワイヤーフレーム(デザインを作る前にコンテンツの構成や配置を決めるためのものです)を作っていると、キャッチコピーとメッセージがあって、会社紹介があって、社員インタビューがあって、募集要項があって、エントリーフォームがあって…、どのサイトもだいたい同じなんですよね。だいたい、なんか人の顔の写真がたくさんあるサイトになる…。

つまり、同じ枠組みの中で、デザインやメッセージングなど視覚や感覚的な表現に差をつけることでよしなにやっているわけですが、「採用がしたい」=「視覚や感覚的な表現に差をつける」になるのでしょうか?なんとなく違う気がしますよね。

そこで、4年間Webディレクターをやってきた経験に基づいて、採用サイト作ったほうがいい場合、つくらなくていい場合というのを考えてみました。

【いい】お金がある&費用対効果は気にしない!

採用サイトを制作する場合、Webサイトを制作する以外に、「撮影費用」というものから逃れることはできません。一口に「撮影費用」と言ってもピンきりですが、例えば、1日5万円のカメラマンに1日5万円のサイト制作のディレクターが同行して、1日10万円かかるイメージです。費用感の高いカメラマンのアサインや、ヘアメイクやスタジオ撮影も見込むのであれば1日30万円~50万円程度にもなりえます。動画撮影なども流行っていますよね。なかなか再現がありません。

この通り、もろもろの費用を踏まえると、50万円~150万円程度の費用感でしょうか。クリエイティブにこだわったり、撮影などのオプションにこだわってくると、200万円~500万円などの見積もりになってきます。

採用サイトはこだわり始めると再現なく、また一度つくってしまうと、退職者の写真・コンテンツの差し替え等で地味に運用費もかかるので、それなりに企業にとっては高い買い物になると思います。採用媒体に出稿したり、エージェントを雇う費用などと十分に天秤にかけることができるでしょう。

でも、この程度のお金は気にならない、費用対効果も気にならない!というのであれば、別にいいんです。かっこいいに越したことはないし、自分の満足感も上がりますからね。「採用したい」とはイコールにならないけど、自分や会社の満足感を満たすというのも結構大切なことかな~と思ったりもしています。

【いい】新卒や未経験者がターゲット

中途採用の対象となる社会人3~4年目になってくると、業界事情を察していたりその仕事について通じているので、求人票を見るだけで、会社の風土や仕事内容はそれなりにイメージすることができます。

しかし、新卒採用の対象となる大学生は自分で判断できるだけの土壌がないので、自分にとってより分かりやすい「視覚や感覚的な情報」に左右されやすいユーザーなのかな、と思います。

実際に、その仕事が未経験のユーザーに対しては、視覚情報でイメージを補ってあげることは有効な手段であると思います。ユーザーのリテラシーに合わせて伝え方や表現方法は変えていくべきですし、ちょっと悪い言い方をすると、そういうユーザー心理を掴んでコンバージョンさせるのがWebサイトの役割だったりしますよね。

とはいえ、数十社をエントリーするのが昨今の就活事情なので、自慢のサイトでエントリーされたとしても数ある候補のうちのひとつでしかないという事実もシビアに受け止める必要があると思います。

【いい】既存のものと現状/見せたい姿が著しく異なる

組織や事業が成長して、すでにあるコーポレートサイトや企業イメージが現状や見せたい姿と著しく異なっていたり、毀損する可能性がある場合には、視覚的・感覚的な表現でイメージをガラッと変えることは有効だと思います。

個人的にチャットワークの採用サイトの事例が分かりやすいと思います。

転職活動をしていたときにチャットワークの採用サイトにアクセスしたわけですが、「お…なんか厳ついな…チャットワークってこんな会社やっけな…」と自分の中にある”チャットワーク”のイメージと違うサイトのインパクトに気圧された覚えがあります。

これまで外から見るChatworkって「安心して働ける」といったイメージがあったらしいのですが、そういったイメージをガラッと変えていきたいと思っていました。
引用:https://giginc.co.jp/blog/casestudy/chatwork_recruit

このサイトを制作したのGIGの事例記事によるとイメージ刷新し挑戦的な部分を見せていきたいという意図があったそうで、たしかに既に知名度があり企業イメージがある程度形成されていると、それを変えていくことは難しいなと感じました。

イメージを強烈に変えたい場合には、視覚的・感覚的に訴えかけるサイト制作という手段は役に立つと言えるでしょう。



それでは逆に採用サイトを制作するのが有効ではないケースを考えてみたいと思います。

【なくていい】お金がない&費用対効果を重視する

すでに説明したとおり、採用サイトの制作にはそれなりの金銭的コストがかかりますし、リリースまでに少なくともとも3か月程度の時間を要します。

採用にかけられるお金がない状態や、採用の必要性に駆られている状態で、サイト制作に全ベットしてしまうのは、かなりギャンブルなことかな、と思います。より堅実な方法を検討していくほうがよいでしょう。

【なくていい】採用したい人の要件・スキルセットが具体的である

これまで説明したとおり、採用サイトの強みは視覚的・感覚的な表現で差別化できることにあります。

しかし中途採用など、会社で採用できる人数が限られており、今の組織の課題を解決するために採用したい人の要件やスキルセットが具体的な場合には、サイト制作はあまり手段としてはフィットしないと思われます。

対象となりえるスキルセットを持った人材は、同じく自分の求める条件や仕事内容に見合う会社を希望しており、視覚的・感覚的な表現は、彼らにとって重要ではないからです。

また、Webサイト自体が、求職者がアクセスして初めて見られるものなので、それを手段とするには非常に受け身な状態です。

必要な人材の採用に強い媒体やエージェントを利用したり、ダイレクトリクルーティングできる手段を考えて、より直接的にリーチしていくほうが、採用の達成には早く近づけるでしょう。

【なくていい】既に会社や事業の情報をある程度伝えられるものがある

Web上で確認できる情報が少なく、「本当にこの会社あるのか…?」「なにをやってる会社なんだ…?」と会社の実態をつかめるような情報が全くないと中途採用でも不利になりうるかと思います。

ですが、コーポレートサイトやサービスサイト等や、プレスリリースや取材記事等である程度情報を伝えられるものがあるのであれば、採用サイト制作にこだわる必要はないと思います。コストが低く、手早くできる手段を試しきってからでも遅くはないでしょう。

採用サイトを作らないで広報する方法

では採用サイトを作らないでどのように広報し、応募を集めていくのか、いくつか事例を紹介したいと思います。

■Wantedlyや bosyu Jobs等の採用系のプラットフォームの活用

最近は、費用無料で掲載できる採用プラットフォームがたくさんありますよね。採用サイト代わりに、Wantedlyを利用している企業も多いと思います。キャスターのおなじみ「bosyu Jobs」も求人票を無料で作成できます。

こういったプラットフォームを利用して、手早く採用活動を進めていく選択肢をとれると、採用の可能性はより広がっていくでしょう。

■ツイッターやnote等ブログや記事で定期的に発信していく

発信しよう、発信しよう、とどこもかしこも当たり前に言っていることですが、なかなか難しいことではあります。

わたしも前職でLIGというブログで発信し続けていることが強みの会社に在籍していたので、それをやり続けることの難しさはとてもよくわかります(毎月記事1本書くのすら難しかった…)。

ただこの石倉さんがnoteでも言っているとおり、求職者はまず「知っている会社」に応募するという、揺るがない事実があります。

なんと言ってもわたしが、働く場としてちょっと興味を持ってもらう「緩やかな好意」戦略にはめられて、いまキャスターで働いている張本人です(笑)。発信を続けていくことには、労力が必要ですが、間違いなく意味はあると思われます。

個人的にnoteで発信してる企業で好きなのはハミィ株式会社さんです。

このように定期的に発信してもらえると、その企業の考え方や、今どのような取り組みをしているのか、どのように変化しているのか…など、Webサイトや求人票からでは得られない、奥行きがあり、どこか人格のみえる情報を得ることができるので、求職者からみるとより親しみや好意を感じやすいのです。

■Notionで会社概要&採用ページ作成

STUDIOなど誰でも簡単にWebページを作成して公開できる、ノーコード系のツールはもうかなり定着してきましたが、ブログ形式で気軽にページを公開できるNotionを利用して会社概要ページや、採用ページを作成し、公開している会社もいくつかでてきています。

ブログ形式で誰でも書くことができ、見た目の体裁も整えやすく、情報量の多いコンテンツをいい感じ公開できるので、個人的にもこの方法はいま圧倒的におすすめです。

とくに創業したばかりの企業や成長中のスタートアップなど、事業の状況が日々変わり、必要な人材も変わっていく会社にとっては、手入れもしやすく、常に最新の状態を保ち、発信することができるのでかなりメリットがあるのではないでしょうか。事例集があるのでぜひ参考にしてみてください。

Notion で作られた国内サイト事例集
https://www.notion.so/Notion-5279483f808c4b1183406a72afdf31a7

おわりに

採用サイト作ったほうがいい場合、作らなくていい場合について、元Webディレクターの目線で考えてみましたが、いかがでしたでしょうか?

正直わたしのイチ意見にしかすぎない部分も多々あると思うので、個人的にはみなさんがどう思っているかもとても聞いてみたいです。

また、先にあげた採用サイトを作らないで広報する方法のようなことも、at Onlineでは支援しています!

まずはお悩み相談所くらいの気持ちで、気軽にご相談いただけたらな~と思ってます。わたしもディレクターをやっているので、ぜひともご相談ください~。

また、まったく有益な情報をつぶやきませんが、Twitterはこちらです。


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