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Webディレクター4年やったけど、サイトを作るだけでは集客も採用もできないかもしれない…

こんにちは、てらみです。3月から株式会社キャスターの「at Online PR」というサービスにジョインしました。まずは、私のこれまでの経歴の紹介をさせてください。

わたしは新卒から4年間ずっと、Web制作会社でWebディレクターとして働いてきました。Webディレクターとひとくちに言っても、分野は多岐にわたります。基本的には「Webサイト制作」の進行やクリエイティブディレクションを1社目は京都のとあるWeb制作会社で、2社目は株式会社LIGのWeb事業部の制作部門でそれぞれ2年間やってきました。

今回「Webディレクター」といわれる職種を卒業するにあたり、特に退職エントリーなどを表明することもありませんでしたが、4年間のお気持ちに総まとめとしては、「Webディレクター4年やったけど、サイトを作るだけでは集客も採用もできないかもしれない……」というところです。

Webリニューアルの75%が失敗するのは本当にそう

株式会社WACULの垣内勇威さんの記事がすこし前に話題になっていましたが、Webリニューアルの75%が失敗するのは本当にそうで、わたし自身が案件やっていたり、所属する会社の他の案件の状況を見ていた感覚としても近いものがあります。

「サイトをリニューアルしてから予約が1.5倍になって、今は新規予約を断ることもある」とか、「お問い合わせが来すぎて対応しきれないからリスティング広告を止めてくれ!」など、みなさまが期待するような嬉しい悲鳴のようなものを2度、3度聞いたことがありますが、ええ、つまり、4年やっていても、2度、3度しかないということです。

もちろんわたしの力不足の部分もあるかと思いますが、大半はあまり変わらなかったり、ともすれば微減です。成果がガクッとさがってしまった結果、「もうあの制作会社には用はない」と、わたしのもとまでその声は届けられなかったという説もあるかと思います。

デザインやクリエイティブは最強の武器ではない

ここで4年間の総まとめのお気持ちの2つ目としては、「デザインやクリエイティブは最強の武器ではない」ということも表明させてください。

Web制作会社には「ブランディングがしたい」「他社に比べて遅れている」「他社と差別化したい」などのご相談がお客さまより寄せられます。

例えば、Webサイトという枠組みで見るとこの2つの要素で構成されます。

・デザインおよびクリエイティブ=どんな見た目で伝えるか
・コンテンツ=どんな内容を伝えるか、どんな言葉で伝えるか

これまでご依頼いただいたお客様たちは、前者に対して課題を感じており、それらに期待をかけていただくことがほとんどでした。

デザインおよびクリエイティブで実現できるのは、サービスの世界観を表現したり、パッとみたときにそれがどのようなものであるかを感覚的に伝えることです。言ってしまえば非常に企業や事業・サービスやプロダクトのイチ部分的でしかなく、そしてとても曖昧な部分です。

残念ながら高いお金をかければかけるほど、攻撃力があがるようなものではありません。既存のものが、ブランドのイメージを明らかに損なっている場合にはできれば必要なコストをかけて作ったほうが良いと思いますが、自社を伝えるためのいちツールいち手段でしかないと認識しておいたほうがよいと思います。

デザイナと同時に、きちっと頭を割いて考えなおすべきなのは、後者のコンテンツの方です。コンテンツというのは素敵なキャッチコピーをたくさん並べることではありません。

買取サービスであればユーザーが売りたい商品の参考査定額がきちっと書かれている、SaaSツールであれば導入した企業でどういう事例があったか書いてあるなど、ユーザーの知りたいことが、キチッと書かれている・知ることができるようになっている。これが選ばれるために最も大事なことなのです。

先例に少しだしたような、Webサイトリニューアルがとても成功したサイトたちは、よくよく考えてみるとサイトデザインが良くなっただけではなく、めちゃくちゃ頑張ってユーザーのためになるコンテンツを書いていたような気がします。

ユーザーのためになるコンテンツを掲載したくても「価格は出せない」と言われれば出すことはできませんし、「事例は集めていないのでできない」と言われればできないので、Web制作会社はそれ前提でWebサイト制作を進めるしかありません。

ですが、やはりここで企業自身がユーザーにたいして伝える努力・アクション=PR・広報を具体的にきちんと起こしていかないと、成果は思ったようにあがっていかないし、事業は成長していかないと、4年間のWebサイト制作経験を通じて考えるようになりました。

目的は’’ユーザーに伝えること”。手段はWebサイトに限る必要はない

ここまで、わたしがWebサイト制作での経験をもとに語ってきましたが、最も大事な目的は、”ユーザーに伝えること”であり、これこそが至上命題です。そして、その手段はWebサイトに限る必要はありません。

むしろWebサイトは一度作ると手入れをしづらく、例えば、スタートアップや立ち上げたての新規事業などの場合は状況や戦略が変わりやすく、ユーザーや求職者に伝えるべきことが変わっていきやすいため、名刺として1枚Webサイトがあると良いですが、戦略的に運用していく媒体としては、あまり向かないと考えています。

最近はSTUDIOなどのノーコードツールが流行っていますし、Notionを使えば、テキストの装飾だけで簡易的なコーポレートサイト、リクルートサイトが作れたりします。より手入れしやすくスピーディーに発信していける手段をとるのがベターだと思います。

またユーザーに伝えるためには、そもそもユーザーの目に止めてもらい、知ってもらうことも必要です。TwitterなどのSNSや、noteでの自己発信や、プレスリリースなどで継続的に企業の活動や考え方を発信しながら、ある日「キュンです❤」と思ってもらえるようにユーザーのまわりをウロチョロしつづけることもやっていかなければいけません。可愛くイメチェンしても教室の隅でもじもじしてたら、好きな人に振り向いてもらえませんからぁ!!!

事業フェーズに合わせて戦略を立て、ターゲットの性質を考えながら、様々な手段や媒体の得意・不得意を検討しつつ、複合的に施策を打ちつづけて、進捗を管理して確実に実行していく

これがわたしが解釈する広報・PR業務ですが、これってプロの広報人材を採用するのも、自分たちの本来の業務の合間をぬってなんとかやっていくのも、かなりムリがあるし、大変だな…と思うのです。

そうは言っても、ビジネスは行動をアクションを起こさないことには始まらない!とにかく初めて、リズムを作る!

同僚の三川氏の言葉を借りましたが、このような経緯で「at Online」というサービスが作られました。担当ディレクターが窓口に立ち、あなたの会社の広報・PR業務をスタートさせました。

まずはお悩み相談所くらいの気持ちで、気軽にご相談いただけたらな~と思ってます。

おわりに

実はわたしがこのサービスにジョインしたのは、とても強くやりたい気持ちや想いがあってというわけではなく、たまたまそういう仕事があったので、くらいの経緯でした(とにかく事業の仕事をしたかったので)。

このようにいろいろと考えてみると、結果的に自分がWebサイト制作のディレクターをやってきたなかで感じてきた課題感や、Webサイトつくることって本当にお客さんのためになってるの?という疑問に通じるところがあり、自分のミッションを持って、もう一度、お客さまと併走していく仕事をやれることに、じわじわとワクワクしています。

そして、わたしは決してWebサイト制作不要論と唱えたいとか、Web制作会社をevilな存在として扱いたいわけではありません。自分がこれまで作ってきたものやクリエイターがつくるものに自信を持っているし、リスペクトしています。

Webサイトってそもそもどうあるべきなんだっけ?どんなクリエイティブが事業の成長に必要なんだっけ?というのを、このサービスをやっていくなかで改めて考えていくことも自分に課せられた命題なのかな、と感じています。

以上、退職エントリー兼、入社エントリー兼、宣伝エントリーでした。

わたしもディレクターをやっているので、ぜひともご相談ください~。

まったく有益な情報をつぶやきませんが、Twitterはこちらです。


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