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窓の外、強風につき

春の寒風吹き荒む窓の外を見ながらごろりと読書
いや、うそうそ。読書とか言ってる場合じゃない。

今日は推しの試合があるからやる事済ませなあかん。
週末の遠征準備、に伴う宿泊や電車代の集金、国税庁からのメールチェック(確定申告したら、旧友くらいの頻度でメール来る)
それから、と思いながらページをぱらり

旅の準備をする時は、旅の本が読みたくなる。
きっとテスト前に部屋の掃除を始めるのと同じ自然現象。一発で動いたらそれはきっと超常現象。
気づきましたか?今、私いま、韻を踏んでました。


ジビエに凝っていた時にふと目についた本「世界の変な肉」白石あずさ

文庫本。イラスト入りで薄いからすぐ読める

電卓を叩いてみたら1万日目だったから、その節目に退社して世界一周の旅に出た。そんな旅の始まり、誰が予想できるだろうか。
著者本人も考えてもなかった。

全ての旅に目的と理由がないといけない訳ではない。日本は休暇を取り難い文化や風習があるから、皆んな何かと「言い訳」して旅に出る。
「家族がどっか連れて行けってうるさいから」「有給もったいないから」
申し訳なさそうに、でも内心ウキウキしながら旅に出る。

人生で2度来るはずのチャンスの1度目なんだ!」って休暇申請出しても通らないよね。

ノートの隅の落書きみたいなラフな愛らしい著者のイラストと、奇想天外な旅の出会い。この本の主な内容はタイトル通り「
キリン、ラクダ、ビーバー、トナカイ・・・。

グアテマラのアルマジロのエピソードが良かった。

素人が見てもすぐそうだと分かったのは、天敵から身を守る殻と同じ蛇腹の筋が、身のゼラチン層にもついていたからだ。
殻と言うのは、体毛が変化して出来たのだとか。

ダンゴムシみたいに丸まるあいつの、重厚な表皮の下はプルプルなんだ。
幾重にもヒダがあって、分厚い皮を割ると中からジューシーな肉じるが溢れる豚まんみたいだ。

551、食べたい。



水彩の表紙が綺麗で買った「北北西に曇と往け」入江亜季

こちらはマンガ

帰宅してじっくりと表紙を見ていて異変に気付く。
雲と住け」でなく「曇と往け

どんとゆけ?と読むのかしら?
既にここから「ちょっと不思議」な違和感は始まっている。

登場人物がミステリアスで、内容は巻が進むにつれサスペンス色も増してゾクゾクとした緊張感が増してくる。
と思ったら、そのハラハラドキドキを鈍い主人公と生意気なヒロインの絶妙な関係にすり替えてくる。


これがキン肉マンだったら、地球に攻めてきた悪魔超人が、ページ捲った瞬間に殲滅されてるが、そんな横暴さも温度差もない(あの頃の少年漫画はそこが面白かったけど)
温度差が少ないから風邪をひく心配もなく、落ち着いてのめり込めるストーリー。

それにしても、最近の漫画家さんの描写はすごい。
多分、作者は女性だと思うが、私の世代の女性作家は「リボン」や「なかよし」みたいなふんわり少女漫画のイメージで、細かい書き込みは目の中のキラキラ(それにあの頃は目をキラキラさせたが)だったけど、この作品は車やバイクの書き込みが細かい

2巻を読むと、心がアイスランドに加速して旅をしたくなる
2巻だけでも読んでほしいな。


事故物件住みます芸人の松原タニシさんのラジオにゲスト出演していた、元、傭兵(ようへい)の高部正樹さんの話が興味深かった。

傭兵と兵士の違いってなんだろう?皆んな人生で一度は疑問に思ったことがあると思う。
その疑問を深掘りするために手に取った「日本人傭兵の危険でおかしい戦場暮らし」にしかわたく 協力・高部正樹

マンガのシリーズと高部さんの文字の本もある

アフガニスタン、ミャンマー、ボスニア・ヘルチェゴビナを20年間渡り歩いた経験が漫画になっている。

海外に旅行した時、日本との文化の違いに驚いたり、唖然とした経験があるが、そんなことどうでも良くなる圧倒的経験値の実録漫画。

常に前線に立たされ、自国でない国のために命を張り月給はたったの8000円。
これを読み終わって思うのは、自分たちの行く海外旅行がどれだけ「守られている状態か」って事。

ま、金払って行ってますから。当たり前。

言葉の壁や文化の違いを理由に、旅行の二の足踏んでしまう人は必読かもな。これより酷いことは起きないって笑って読めるから。


読んで行った気持ちになる本より、読むと行きたくなる本の方が私は好き。
などと言いながらまたごろり。

行く準備しろってな!

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