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漢字はさらりと読めると賢く見える。「鰒」読めますか?

何年経ってみても読めない漢字に追われる人生だと思う。
追われたくなければ読書をやめればいいじゃない!何をおっしゃる兎さん、漢字は沢山知っていた方がいいんです。

なんか、賢そうに見えるし。
私せっかく眼鏡かけてんだから、賢く見られたいじゃない。

眼鏡=賢いのプロトタイプもいつまで通用するんだろうか。
なんて心配してても仕方ない、とりあえず「漢字知ってたらなんか賢い」は、漢字文化がこの世から消え失せなければ大丈夫だし、中国大陸の方が先に窮地に追い込まれる。
その気配を感じたら、急いで他の賢そうな何かを探せば良い。

私は新書が大好きで、その理由の一つが「すでに賢い人が研究して噛み砕き、分かりやすく要約してくれたもので知識を吸収し、賢くなった気になれるから」である。
もう一つは「誰が興味あんねん!」な攻めたタイトルや内容が多い。

今回は「奇妙な漢字」杉岡幸徳・著

表紙だけでも「なぶる」しか読めなかった。
折角の眼鏡が台無しだぜ。

興味はあっても「いつ使うねん!」が盛り沢山の見たこともない漢字468文字が勢揃いで読む人の知的好奇心を刺激してくる。
と、表紙の文字をモロパクりして、決め切ったところで本題。

なんでもかんでも人は集めたがる生き物。
トレーディングカード、記念切手、どんぐり、牛乳瓶の蓋、盗んだ下着、ドラゴンボール・・etc
後半はちょっと偏りを感じるが、なんにせよみんな集めたがる。
最近、サンロッカーズ渋谷のベンドラメ選手がマンホールの蓋の写真にこっているらしい。プロバスケット選手だからと言って、全員がバッシュをコレクションしているとは限らない。
バッシュはどちらかと言うと、お笑い芸人の方が集めている。

そんな中でこの本の著者は漢字の中でも「奇妙な漢字」を集めている。

ちょっとよく見えないのですが、この漢字。

普通に変換して出ないものがほとんどでんねん。

雲と龍。ラピュタかな?

残念!ムスカ大佐!
雲と龍で出来ているので「龍の巣」を連想しましたね?中にラピュタがあるあの雲でも、ラピュタでもありません!

「たいと」「だいと」「おどど」と読む幽霊文字である。

急に厨二病みたいな事言ったけど、事実です。
ほとんどの辞書に載っていない、実存さえ疑問視されていた漢字で「人名」だそうで。
明確な証拠はないが、1960年代にある証券会社にこの名前の名刺を持った男が現れた伝説があるらしい。

伝説て。

昨今ではラーメン屋の看板に登ったりと伝説がまことになっているそうで。確かに龍が入っているとラーメン屋とか中華にもってこいやな。ちなみに84画ある、もっとも画数の多い漢字である。

次行ってみよう!

漢字っちゃ漢字やけど。この一塊で一文字。

大阪の地名で「百舌鳥」と書いて「もず」があるのだが、いつも一文字多くない?と思っていた。
そんなん甘かった、ほんますいません。多様性の時代ですもん、ちゃんと百舌鳥の事ことも受け入れて理解を深めたいです。

これは「おおいちざ」と読む個人が勝手に作った漢字。
大一座でいいやんとか言わない、こうゆうのは情緒やねん。

意味は大一座(団体客)が遊郭で粗相をする、と言う今では京都の祇園界隈でしか使えそうにない漢字だ。
意味を聞いてよく観察すると「敵」は「敵娼」相手をしている遊女。遊郭で団体客が酔っ払って吐いてしまった状況を表している。

状況はよく分かったが、なんで事態を態々こんな難解な漢字にしたねん?

江戸時代の「滑稽本」の中で創造した文字。
まぁ言葉遊びみたいなノリで作ったのかな。当時の娯楽が本だったので、今で言うギャグに近いのかも知れない。
大爆笑と言うよりは、膝を叩いて成る程!とクスッと笑う。雅やなぁ。

と、横滑りするようにつらつらと文字だけ追うも良し、時代背景や国の歴史を交えて知識を深めるも良し、いつか来たる「これなんて読むの?」に備えるも良し。
中にはもっとシンプルで「ふざけんな、そんなはずないやろ」と今までの自分の努力を平手で打ってくるような漢字もあって色んな意味で防御力も上がる。

筆者のクスッと笑える一言コメントに「それな!」と共感しているうちに読み終わり、明日の朝礼で話したくなるが、知識の押し付けウザいと言われる可能性もあるから、言葉と状況をしっかり選んでひけらかそう!

なんでそんな悲しい時代になったんやろね、知識はひけらかして人に話して自分のものにしていくのに。

因みのタイトルの漢字は「鰒・ふぐ」でした。

こんなの読んだよーってやつまとめ↓

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