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音楽をつぶやく|tribute 音楽をシェアするマガジン

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音楽をシェアするマガジン tribute の別冊です。 何気ない音楽のつぶやきが載っているマガジンです。
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2022年10月の記事一覧

空中キャンプ/フィッシュマンズ【三文ディスクレビュー#14】

「空中キャンプ」ってどういう意味なのだろうか。 そんなことを考えながら聴いていた時には、このアルバムから沸き立つ浮遊感に支配されていた。 このまま、僕だけを、どこまでも遠くへ連れてってよ。 【作品情報】 空中キャンプ/フィッシュマンズ 1996年2月1日発売

奇妙な余所者 in 80s

■80年代のお話しをお届けしたKeep Calm on Tee Schatz 2022年も気が付くとあと2か月とわずかといったところです。 2022のKeep Calm On Tee Schatz はseason8でスタートし80年代にMTVのミュージックビデオの中で観られたTシャツから、80年代のライブ、80年代まで活躍したQueen、それに80年代を中心としたなつかしの映画そして前回までのseason12ではアイアンメイデンのエディ・ザ・ヘッドについてデレク・リッグスが

サイケアルバム探訪④ Ladies W.C./Ladies W.C.

アルバムについて1969年発売されたというベネズエラの4人組バンドによる唯一作。 かなりマイナーなバンドで、当然情報も少ないので私が敬愛する「サイケデリック漂流記」というブログから一部情報を参考にさせてもらった。 なんでも、バンドの中心人物はアメリカから南米に渡ってきたStephen Scottという人物らしく、実際今作の作風には南米的なエッセンスは薄く、かなりアメリカのガレージサイケに近い内容になっている。 毎度毎度、このような当時アルバムを1枚だけ出して解散したようなマ

さよなら、エディ

Season12は全6回でアイアン・メイデンとそのイメージやメイン・ビジュアルを担うキャラクターであるエディ・ザ・ヘッドについてTシャツと合わせてお話ししてきたのですが、今回が6回目になるので最終回となります。 ■現役バリバリ、アイアン・メイデン 皆さんご存知の通り、アイアン・メイデンは現在も活躍するヘヴィ・メタルバンドです。一時は脱退したボーカルのブルース・デッキンソン、ギターでソングライティングも担っていたエイドリアン・スミスといったメンバーも復帰、コンスタントにアル

T字路s in 大阪 with アロージャズオーケストラ

吉本興業のチケット会員ご招待で、大坂城野外音楽堂でジャスライブを観てきました。 アローさんは大阪の老舗のジャズビッグバンドです。 昭和の歌謡曲といえば、彼らのようなビッグバンドが付き物だったのですが、今もビッグバンドとして活動続けているのは、珍しいかもです。 アローさんの演奏に続いてバイオリンとの共演、歌謡曲カバーなどもあり、年齢層高めの観客も和んだところで、トリはT字路s。女性ボーカルと男性ベースの二人組。パワフルなボーカルがとにかく印象的です。私は、2020年のナニワサ

HELP EVER HURT NEVER/藤井風【三文ディスクレビュー#13】

藤井風はこの時代を代表する音楽家の1人だ。 しかし、彼は決して気取ることはなく、それは岡山弁で紡がれる音楽の数々にも現れている。 20年代の音楽シーンの方向性を決定付ける、非常に重要な1枚だ。 【作品情報】 HELP EVER HURT NEVER/藤井風 2020年5月20日

Super Beaver 「都会のラクダSP」@横浜アリーナ【アラ還の徒然ライブ記】

10月19日(水)の13:30からライブグッズ販売開始。当日は午後半休を取って夕方からのライブに備えていた私は、会社から横浜アリーナへ直行した。13時を少し回ったくらいに現地に到着したのだが、既に結構な行列ができていた。あぁ、やっぱり客層がビーバーだ。私のようなスーツを着た白髪交じりの頭が見当たらない。同年代のご婦人も見当たらない。むむ。 グッズを無事入手し一旦家に帰る。買ったビーバーロンTに着替え、迷った挙句、頭をワックスで金髪に染める。白髪が多いから意外ときれいに金色が

ゆらゆら帝国⑩「空洞です」

アルバムについて所持:済 好き度:★★ 2007年に発売されたゆらゆら帝国の最後のアルバム。 ゆら帝はこれまでのアルバムでもある程度楽曲やサウンドに一定の統一性が見られたが本作は特にサウンド面において非常に統一感がある。 ほぼ全曲に渡ってクリーントーンのギターで演奏されており、アップテンポの曲も、劇的な展開になることもなく、常に一定の生ぬるいテンションのまま進んでいくコンセプチュアルなアルバムになっている。 そのあまりに隙間が多いアレンジ、特異な世界観が昨今の音楽雑誌や音楽

サイケアルバム探訪③ 山本精一&Phew/幸福のすみか

アルバムについてボアダムス、想い出波止場、羅針盤、ROVOなど様々なバンドを転々として活動してきた山本精一と、70年代末にAunt Sallyというポストパンクバンドのボーカルとして活動し始め、その後もソロで海外のシーンでも活動していたPhewによるデュオで制作されたアルバム。 今作の誕生の経緯はアルバム付属のライナーにも記されているが、この両者が参加した「NOVO-TONO」というユニットでのレコーディングをきっかけにもっとシンプルな歌を作りたくなったというのがきっかけ。

サイケアルバム探訪② 裸のラリーズ/Mizutani

言うまでもなく最近話題のラリーズの再発版であり、枕詞のように「伝説のバンド」と称されるラリーズをついに公式のCDで聴くことができるということで発売日に早速買った。 どれくらい凄い事かというと、元々今回再発された3枚のアルバムは、「Live '77」が1000枚限定、今作ともう一つのスタジオ録音盤が500枚限定というかなり限られた生産数での発売だったせいかすぐに売り切れてしまう。 その後は現在も公式盤は滅多に中古にも現れず、売られたとしてもかなり高額なプレミア価格で販売される

いいね!/サニーデイ・サービス【三文ディスクレビュー#12】

サニーデイ・サービスはいつでも日本語ロックとは何かを教えてくれるバンドだ。 歌詞やサウンドからは初春の瑞々しさを感じられる。 何故「青春」という言葉に「春」という漢字が入っているのは、このアルバムを聴けば分かる気がする。 【作品情報】 いいね!/サニーデイ・サービス 2020年3月19日発売

ELEVEN FIRE CRACKERS/ELLEGARDEN【三文ディスクレビュー#11】

「破壊」という言葉が当てはまる1枚。 このアルバムを機にELLEGARDENは一気にシーンの最前線に立ち、同時に終焉へと向かっていく。 限界ギリギリで作られたELEVEN FIRE CRACKERSには、計り知れない重厚感がある。 【作品情報】 ELEVEN FIRE CRACKERS/ELLEGARDEN 2006年11月8日発売

ゆらゆら帝国III/ゆらゆら帝国【三文ディスクレビュー#10】

いわゆるガレージ期最後の作品。 「だいたい俺は今3歳なんだけど 2歳の時にはもう分かってたね」なんて歌詞、坂本慎太郎の他に誰が書けるんだか。 「ゆらゆら帝国?あー『空洞です』の人ね」なんて言葉、このアルバムが頭ん中で爆音で鳴ってるから聞こえねえよ! 【作品情報】 ゆらゆら帝国III/ゆらゆら帝国 2001年2月21日発売

平成/折坂悠太【三文ディスクレビュー#9】

まず、このアルバムに平成という題名を付けたところに全てが詰まってる。 ジャズ、フォーク、ヒップホップなど様々な音楽を取り込んでいるが、不思議と新しさよりも懐かしさが強い。 坂道を駆け下りた先には、平成の次の時代が待っていた。 【作品情報】 平成/折坂悠太 2018年10月3日発売