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刑事と民事って?

 こんにちは。

 みなさんは、「刑事」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。40代以上だと「あぶない刑事」と答える人がいるかもしれませんね。今も昔も、刑事ドラマは高い人気をキープしています。

 法的な意味で考えたときに、刑事とは「刑罰法規の適用を受けるべき事柄」を表したものなのです。刑罰法規の適用を受ける事件が刑事事件で、その犯罪を裁く舞台が刑事裁判ということになります。さらに、刑事裁判は国家(検察官) vs 民間人(被疑者)という構図になっています。

 これに対して、民事裁判は民間人 vs 民間人という構図になっていて、失われた権利の回復や義務の履行を求めてお互いに意見をぶつけ合います。刑事裁判と違って、民事裁判ではたとえ裁判で負けたとしても、裁判官から「お金を払いなさい」とか「離婚しなさい」と命じられるだけで、刑事裁判のように犯罪者と認定されて、刑罰を科されるわけではないのです。

 また、国家は基本的に民間人(私人)同士の争いごとに対して、積極的に介入することはしません。1999年の「桶川ストーカー殺人事件」で議論を巻き起こしたように、被害者の家族が執拗な脅迫や誹謗中傷を受けて警察に何度も相談していましたが、警察は事件として取り扱わなかったと報じられたのも、その根底には「民事不介入の原則」があったのです(ただし、警察側の不手際があったのも事実ですが)。

 しかし、国家が本気になれば民事事件を刑事事件として扱うこともあります。例えば、1999年に「金を返せないなら腎臓や目ん玉を売れや!」と債務者に暴言を吐いたことで世間を騒がせた日栄(現在は日本保証)の社員が、警視庁に恐喝未遂罪で摘発されたことがそうです。

 さらにややこしいことに、1つの事件でも、刑事と民事が混在することがあります。例えば、刑事事件の被害者が、刑事裁判とは別に、加害者に対して損害賠償を求めて民事で訴えるケースがそうです。場合によっては、刑事告訴をちらつかせて、民事裁判を有利に進めようとすることもあるのです。

 驚いたのですが、これらのことはすでに中学の公民の教科書で書かれていたようなのです。当時の私の頭では理解できなかったなあ。


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