あら汁

買い物に行った。お魚コーナーを見ていた。

ズラリと並ぶ魚の中に、ブリのあら(のパック)がひとつあった。

我が県はハマチの養殖が盛んでブランドブリやブランドハマチがあるのだけれど、その中の「ひけた鰤」のあらである。


まぁ普通に焼き用か照り焼き用でひけた鰤は買うとして。隣のパックはカゴに入れるとして。あら。気になる。何か気になるなー。どうしようかなー。

じーっとあらのパックを見つめていると、唐突にひらめくものがあった。


そうだ、あら汁だ!キミはあら汁な気がする!!


脳に浮かんだのは、ちょっとしょうがが効いたすまし汁とそこに浮かぶブリのあら。いいのではなかろうか。寒い季節にピッタリだね!

というわけで、結局あらも買い物カゴに入れてレジに向かったのであった。


当日の晩御飯の1品は当然、あら汁である。

普段あらを買っても塩焼きにしてしまう我が家なので、あら汁なんていつぶりだろうという感じである。

せっかくだし丁寧に。下処理もきちんとして作ってみた。できたお汁を味見した。美味しかった。

晩御飯で食べる時、夫も息子もパクパクで良かったなぁと思う。やっぱりキミはあら汁だったのだ。あら汁が合っていたのだ。


こうして食材を見てポンと思いつくのも、ゆっくり丁寧に作ることができるのも、時間や余裕があってこそだよなぁと思う。

こういう時間は好きだし大事だな、と改めて思ったのだった。やっぱり私、基本的に料理が好きなのだろうね。何を作ろうってワクワクして、実際に作って、美味しく食べる。これはとても幸せなことだと思う。



ではまた明日。